第二章 第17話「可愛い鬼」
対峙するショウスケとトモヤ、そしてあたしとミチカ。
「君たちのデータは収集済だ…能力、動き、関係性などなど…」
「うるせぇそんなもんどうでもいいからかかってきやがれ」
「そうだな。君の性格はそうだもんな…僕の一番嫌いなタイプだ!」
トモヤの周囲に現れていた術式の文字が次々と変わっていき全て同じ文字列になった。
「ロード完了。装甲展開」
腕、足、胴と次々にトモヤの体に装甲が現れる。
「これは君たちのデータをもとに僕がカスタマイズした装甲…そうだな、“対第3支部装甲”とでも言おうか。ミチカさんいきますよ」
「分かってまーす、変身“鬼”」
そう言ったミチカの体が一瞬光に包まれる。そして、光が消えたそこには自身の身長ほどもある金棒を持ち、さらに長くなったオレンジの髪を一本の三つ編みにまとめ、さらに角が2本頭に生えた姿となったミチカがいた。
「どう?かわいいでしょ?」
どうも何もほぼもとの姿に角が生えただけで普通にかわいいままなんだけど…あ、もとのこの子がかわいいかは人によるか…
「出そろったな、じゃあ行くぜ」
ショウスケがトモヤに突っ込む、炎の拳を放つがいとも簡単に受け止められる。
「君の動き、予備動作からどんな攻撃がくるかぐらい予測できるのですよ。それにいくら炎を纏っても耐火が施されたこの装甲の前には無意味」
「オオォォォォ!オラオラオラオラオラァ!」
しかし、その言葉をかき消すようにショウスケがラッシュを叩き込む。
「いくら防御できても攻撃できないんじゃあ意味ねぇよなぁ」
ニヤッと笑いながらさらに炎を纏う。
「爆蓮華!!!」
爆音とともにトモヤが吹っ飛ぶ。そのとき…
「よそ見してる暇あるのかしら?」
しまった!ミチカを見てなかった!既にミチカはあたしの頭上で金棒を振りかぶっていた。
あたしはその場から飛び退きその一撃をかわす、その金棒は凄まじい衝撃とともに地面を捲り上がらせる
「なんて威力…」
ミチカは地面にめり込んだ金棒をよいしょっと持ち上げる
「さぁかかってきなさい!」
◇◇◇
白い廊下に女性が1人、ヒールの音を立てながら目的の場所へと歩く。しかしそれを阻むように1人の男が現れる
「なんだ結局来たのか」
女は不機嫌そうな顔をして答える。
「本部長に来いと言われれば来るしかあるまい」
女、斎條レイコは今日も不機嫌だ、何故なら来たくもないところは呼び出され、会いたくもない男、雷殿リョウに来て早々に会ってしまったからだ
レイコはそれ以上会話したくないとでも言うようにまた歩き出す
「相変わらず冷てぇやつだな」
「貴様も相変わらずのアホヅラだな」
雷殿リョウは眉をひそめる
「ったくかわいくねぇなぁ」
彼もまたマントを翻し斎條レイコの後に続く。
この後開かれる最前線支部長会議へと
◇◇◇
「フッハッハッハッハッ!効かんなぁ!」
吹っ飛ばされたものの先程と違いピンピンしているトモヤ。
「次はこちらからだ」
トモヤが間合いを詰めショウスケと戦闘を始める。そこまで見てあたしは目の前のミチカに集中する。
「リヴァイア、完全調和」
あたしはビーストソウルを発動させ籠手に装甲を着け、槍を持つ。
「無駄よ!あんたはこのミチカ様にはぜぇ〜ったい勝てないんだから!」
「ほんとにどこからその自信がでてくるのよ」
あたしは槍を構えミチカに迫る、槍と金棒の打ち合い。重い…重すぎる。細身の槍には金棒の一撃が響く…けどあたしにはリヴァイアもいる。
ミチカと鍔迫り合いになった時あたしの背後からリヴァイアが襲いかかる、けどあたしはその瞬間あることに気付く…ミチカのあたしへの異常な自信の元に…
「リヴァイア!!待って!」
リヴァイアはミチカへ攻撃する寸前でピタッと止まり下がる、あたしも一度距離を取る
「へぇ見ただけで分かったんだ〜」
「当たり前でしょあたしビースト使いよ?注意すべきものは把握してる」
あの金棒、攻撃がいちいち重いと思ったらそういうことだったのね、危うくリヴァイアに大ダメージが入るところだった…
「気力結晶…」
「そう、この金棒は99%気力結晶でできてるわ」
気力結晶…その名の通り気力が濃縮に濃縮を重ね結晶化したもの。常に気力を放出し続けていて最初は半透明な薄紫色、そこから気力を失うごとに黒ずんでいき気力が無くなると割れる。
恐ろしいのはここから、気力結晶は触れたものから失った気力を補うために気力を奪う。体の半分以上は気力でできているリヴァイアがそれに触れれば一瞬で形を留められないほどまでダメージを受ける。
使い手の彼女が気力を奪われてないところを見ると持ち手だけ素材が違うのだろう、けど気になるのは…
「どこでそんな大きな気力結晶を?」
「パパの力よ!」
お嬢様か…なんだか聞いたあたしがバカみたいじゃん…
気力結晶はかなり希少、自然にあんな大きな気力結晶ができることはまず無い、人工物か…
とは言え気力結晶は気力結晶、あたし達が不利なことに変わりはない
「さぁてどうするのかしら?」
ミチカは自慢気に笑う
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ではまた次回でお会いしましょう〜




