第二章 第14話「タッグバトル一回戦 その1」
タッグバトル、トーナメント方式で行われるこの競技は先ほどの玉転がしと同様に1位が20ポイント獲得そこから順位が下がるごとに-5されたポイントを獲得できる。
予選、決勝、3位決定戦がありどのチームも2回は戦うことになる、ここは1位を取って来てほしいところだが正直俺はあの2人のタッグで大丈夫なのかと不安になる…
〈予選、第1戦、第1支部vs第3支部。両チームフィールドへ〉
赤髪と青髪がフィールドへ出る。そして、その2人と対峙する2人の男。
1人は身長が高くボサボサの白髪でいかにも不健康そうな顔だがその腰にはしっかりと長い細身の剣をぶら下げている。
もう1人は小柄で丸っこく、キャップを目深に被っていて、シルエットは臼木ヒロに似ている。気になるのは手だ。右手が赤く、左手が青いいったいどんな気術なのか
「いくぜ!アオイ、ちゃんと付いて来いよ!」
「それはこっちのセリフよ!」
「ヒビキくん…頼みますよ…」
「タクミこそミスって俺を斬るなよ?」
〈試合スタート〉
その合図と同時にショウスケが炎を纏いながら駆け出す。
「先手必勝!」
ヒビキと呼ばれた男が一歩前へ出る。そして、左の青い手でショウスケの一撃を受ける。
「なっ!?」
ショウスケが驚くのも無理はない、なぜならそいつはビクともせず衝撃を受け切り、しかもショウスケの炎を手の中へ吸収したように見えた。
すると、今度は右の赤い手を突き出す。
「…Reuse」
「んぐっ!」
突如ショウスケが吹っ飛ばされる
「めんどくせぇ能力してやがる!」
「Recycle」
そう言いながら相方の剣へ赤い手をかざす、すると剣が炎を纏う。
「これでお前の無駄な一撃は無駄ではなくなった」
「無駄だぁ?」
「ショウスケ、無闇に突っ込んじゃだめだよ相手の能力も分からないんだから」
しかし、ショウスケは自慢気に言う
「けど今のであいつの能力がどんなのかは見えたろ?」
「あんな方法じゃなくても見えたって言ってるの」
噛み合ってないなぁ…俺はすでに心配になる
「もう仲間割れか?」
ヒビキが呆れたように言う
「とにかく息を合わせないと」
「わぁってるよ」
そう言ってショウスケは炎を再び纏い、アオイはリヴァイアを出現させ完全調和の状態になる。
少し何か話したかと思うと、2人は同時に走り出した。
ショウスケがヒビキへ、アオイがタクミへと迫る。
「何度やっても同じだ」
ヒビキが青い左手を構える。
タクミもショウスケの炎を纏った剣をアオイへと向ける。
激突まで数m。リヴァイアが口を大きく開け、ショウスケが炎の勢いを増したところで2人が地を蹴り向かう相手を入れ替える。
そして、リヴァイアがヒビキを飲み込む。
「うちのリヴァイアを吸収できるならしてみなさい?」
リヴァイアの水の体内でもがくヒビキ、そして次の瞬間ブレスとともに吐き出されフィールドの端のほうまで転がった。
「それ、俺の炎なんだ返してもらうぜ?」
ショウスケは突き出された剣をひらりとかわし剣を纏う炎を自分のほうへと引き込んだ、そして炎を纏った拳を繰り出したのだが…なんとあらぬ方向にその拳は放たれタクミにはかすりもしなかった。
「あいつなにしてんだ!?」
俺は思わず声を上げてしまった、が、どうやらショウスケの様子がおかしい。明後日の方へ向き何か喋りながら拳を突き出している…
「あれはもしかすると…幻術か…」
◇◇◇
「それ、俺の炎なんだ返してもらうぜ?」
俺は白髪の突き出した剣をかわしその剣の炎を取り込む。
しかし、次の瞬間剣が割れその破片から自然の怒りのようなバケモノが生まれた。
「なんだこいつら!?」
潰しても潰しても湧いてくる。アオイやリサと同じビースト使いかと思ったが違う。殴っても全く手応えがない、まるで雲を攻撃しているようだった。
「あの白髪はどこいった?」
見渡すがどこにもいない、それどころかアオイやもう一人もいない。そこで俺はあることに気づく。
「てかここどこだ?」
さっきまでいた第1支部のフィールドではない…あたりは黒い霧と静寂に包まれていた…あのバケモノももういない…
ふと、背後に気配を感じ振り返る…そこには忘れたくても忘れられない、最悪の野郎がいた
「てめぇ…なんでここにいやがる!!」
◇◇◇
「あんたショウスケになにしたの!」
ショウスケの様子がおかしいと気づきタクミを睨む。
「妖刀”魔幻”、その名の通り触れた相手を幻術にかける刀…そして彼はこの刀が纏った炎を取り込んだ、それは触れたも同然の行為」
タクミがしゃべり終わった瞬間ヒビキが彼の頭を小突く。
「お前何自分の情報漏らしてんだよ」
タクミが数秒考えこむ。
「はっ!確かに」
「ったく…無駄な時間だぜ」
「しかし、バレたところでどうしようもない。私の気術の幻術との重ね掛けで彼が自力で幻術から解き放たれることは99%不可能」
「……」
ヒビキがもうツッコミを入れなくなった…彼の性格的に無駄と判断したのだろう…
けど、ショウスケの幻術が解けないのだとしたら、これ1対2なんじゃ?
「てめぇ…なんでここにいやがる!!」
急にショウスケが声を上げ、怒りをあらわにする。
「何!?」
「はじまりましたね、彼は今世界で最も恨んでいる人物とご対面しているはずです。彼の性格的にすぐにでも暴れだすんじゃないですか?」
タクミの言った通りショウスケは炎をうねらせ攻撃をはじめた、それも凄まじい勢いで
「どうする、嬢ちゃん?降参するかい」
あたしはヒビキへ言い返す。
「無駄だって言いたいんでしょ?冗談はその低身長とド低い声のギャップだけにしときなさい?」
「ふっなかなか面白いことを言うじゃねえか…」
ヒビキはキャップをさらに目深にかぶりこちらを睨んだ。
ファントムブレイヴを読んでいただきありがとうございます!
もし興味等持っていただけましたら、感想、ブックマーク等よろしくお願いします。
今回はPCを使っての初執筆でして、スマホより全然やりやすいですね~
できるだけ投稿期間を開けぬように頑張ります。
ではまた次回でお会いしましょう~




