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ファントムブレイヴ 〜影と光の世界渡航者〜  作者: 月永ヒロト
第六章(最終章)「影と光」
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第六章 第27話「次元獣」

前回のファントムブレイヴ

巨大な2匹の自然の怒りと対峙するアオイとリサ。彼らはルリ、ルカとお互いを呼ぶ知能のある個体だった。彼らは自然の怒りを次元獣と呼んでいる。2人は応戦するが、パートナーと引き剥がされるジャミングを放たれ、リサは無力化、アオイも身動きが取れず攻撃を受けてしまう。アオイは2匹を倒すためとある無茶を思いつく…


「無茶する〜?」

「バカだなぁ、もう僕たちと対峙してることが無茶なんだよ」


こいつらが自然の怒りナチュラル・ビーストならコアがあるはず…ジャミングを封じながらコアを…


「コアがある…なんて思ってそうだね」


「!?」


「ハハハ、安直だねぃ」

「僕らはその辺の“次元獣”みたいなコアを媒介として顕現した不完全な状態じゃない、主様の神力をもって顕現した…言わば“完全顕現”、コアは存在しない…!」


「顕現…?コアが存在しない…?」


そして今、主様って言ったな…やっぱりこいつらも…


「そう、僕らにはコアが存在しない。聞きたいかい?この素晴らしさを…いや聞くべきだ」

「僕らが存在していることの素晴らしさを」


なんか興奮してるな…このまま喋らせてみようか…確かに知りたいことではあるし、リサが立ち上がれるよう時間がほしい


「僕らは次元獣じげんじゅう、12に分かれた世界の狭間はざまの次元で産まれた獣…自然の怒りナチュラル・ビーストと呼ばれてるやつらも同じだ」

「その狭間はまさに混沌カオス、宇宙みたいな空間にいろんな生き物の特徴を持った獣が蠢き、世界へ顕現する機会を窺ってるんだ」


ちょっと待って…こいつらもしかして今自然の怒りナチュラル・ビーストの発生源について話してる…?


「顕現するには己の持っている力の分エネルギーが必要になる…だから僕らは顕現できなかった力があり過ぎたあまりに」

「僕ら以下の雑魚はどんどん世界へ出ていった、顕現の媒介に最も適していた“植物”を使ってね」


「あんた達は顕現してどうしたいの?世界を乗っ取りたいとか…?」


「どうしたいとかじゃない、それが僕らの本能だからね」

「人間の3大欲求みたいなものだよ」


本能…じゃあリヴァイアも…


「ただ世界を見ているだけだった僕らに一筋…いや圧倒的な光明が舞い降りた」

「それに僕らは縋りついた、二度とないチャンスに」


「それが主様だったと…」


「そう!主様は理解していた…次元獣の顕現方法を、そして試したんだ神力での顕現に」


「じゃあなに?あんたらは不死身なの?」


「さぁね?」

「試してみなよ」


濁した…つまりは不死身ではないってこと…?

ここまで自信満々で話しといてこの質問を濁すはずない、倒す方法はある…!


「さて、お話が過ぎたかな」

「やってみなよ、無茶」


もう何かを引き出すのは難しいか…

戦いながら綻びを探すしかない


「リヴァイア!やるよ!」


水を纏い、気力ヴァイタルを拳に集中させた。

駆け出すと同時にルカの尻尾が飛んでくる、敢えて尻尾の方へ飛び込みスレスレで躱わす、ルリの顎下まで滑り込み大きく踏み込んだ。

その時、ルリがガパリと大きく口を開く…

来い!ジャミング……!?


放たれたのは期待したジャミングじゃなく、気力のブレス…あたしはそれをモロに受ける。


「ぐっ…!!」


龍鱗が灼ける、気力密度が高い…!

ブレスの勢いに負ける、地面に叩きつけられそのままバウンドした。


「まずった…!」


そこへルカが突っ込んでくる、ただの体当たり…けどその巨体が生む絶望的な破壊力…


「がゔ…っ!!」


なんとか腕を回しボディへの直撃は避けたものの、そのまま木を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされる。

最後は地面を抉りながら止まった


「くっ……」


危なかった…リヴァイアがガードしてくれなかったら確実に骨を何本かやられてた…


「げほっ!!」


くそ…立たなきゃ、うずくまっていられない…!


「リヴァイア、奴らの虚をつくにはやっぱりさっきの無茶しかないと思う…いつでもできるように準備しといて」


とはいえ、それにはあのジャミングを引き出さないと…あたしにはあまり効かないからさっき接近した時にはブレスを撃たれた。


「まだ、死んでないよねぇ?」


上空から2つの巨体が降ってくる。

着地の衝撃がまるで自身のように辺りを走った。


落ち着いて…こいつらは自然の怒りナチュラル・ビースト…倒し方は同じ、コアが見つからない時はまず体を削る…!


「いくよリヴァイア!」


無茶はまだしない、でも限りなく無茶に近いこれを!

あたしを中心に辺りから水が湧き出す


水龍の楽園ウォーター・ガーデン


辺り一体がくるぶしくらいまで浸水する。

そして、あたしの纏っていた鎧が拳の籠手だけになる…これは完全攻撃型モード、守りを捨てる一手!消費気力ヴァイタルがデカいけどこれなら…!

あたしは水を纏いながら距離を詰める。


ルカがガパリと口を開け、ルリがグッと踏み込み突進して来た、だが…


「んぐっ!!」


口を開けたルカの足元からリヴァイアが現れ、顎下へ頭突きを喰らわせる。ルカは突然の下からのアッパーに仰け反った。さらに、突進してきたルリの前には水の壁が競り上がる。


水の壁が弾ける、突破はされたがかなり減速した。


纏った水を拳の形に変える、未だ突進してくるルリへ向かって振りかぶった!


「ネオ・龍の拳ドラゴンフィスト!」


ルリの脳天と激突、衝撃で辺りの水が跳ね上がる。


「こぉのデカブツがぁ!!」


さらに水を纏い、拳を振り切った。

ルリをそのまま地面に叩きつける、頭が潰れ、浮いた体がバチャンッバチャンッと力なく地面に落ちる。


「反撃開始ッ!」


ファントムブレイヴを読んでいただきありがとうございます!

更新遅くなりました、待ってくれていた人がいたらすみません!次はもっと早く出せると思います!

興味を持っていただけましたらブックマーク等してもらえると励みになります!

ではまた次回でお会いしましょう〜

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