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ファントムブレイヴ 〜影と光の世界渡航者〜  作者: 月永ヒロト
第四章phase2「王都奪還」
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第四章phase2 第14話「電磁砲」


危機が去り、満天の星空が王都を照らす。


「とりあえず、なんとかなったな」


「後は、こいつと」


そう言いながら気絶している龍田ハヤト元支部長へ気力制御リングを付ける斎條支部長。


「残党の処理だな」


「父さん、僕も手伝うよ」


「いや、いい」


「え?」


僕は否定されるとは思わず父さんを見る。


「ダイチ、お前はまだやる事があんだろ」


「でも…」


「いいか、ダイチ王都ここには全サブサイドの隊員が半分以上いる。人手は足りてる、だが失った気憶ロスト・メモリーが使えるのはお前らしかいねぇんだ」


僕は少し考え、頷いた。


「分かった」


「ふっ…話したいことがあるのはお前だけじゃない、だがそれは今じゃない、行ってこい」


「…!うん!」


僕がその方向へ駆け出そうとした時、王都の城門の所に人が立っているのが見え、僕は立ち止まる。


「あれは…」


「許さない!」


その女はボロボロで、だがその顔は憎悪で歪んでいた。そして、僕はあいつに見覚えがあった…あの半裸のような服に魔力の気配…


「あの女!このエクレールをこんなにして簡単に死ねると思うな!!」


「エクレールッ!」


「どうしたダイチ、ん?なんだあの女」


「父さん!斎條支部長!あれは魔導士だ!」


「魔導士だと?ボロボロじゃねえか誰かと戦った後か」


エクレールと戦ったのは誰だろう、女ってことは光丘さんか麗未さんだろうか…

その時、エクレールの背後から何人もの王都兵が群を成して行進してくる。


「あれは!みんな操られてるんだ!」


「私がやろう」


斎條支部長がエクレールと対峙する。


「なんだ、お前は!このエクレールの前に立つなぁ!」


エクレールは完全に錯乱している。


「沈め」


その瞬間、兵士達が倒れエクレールが膝をつく。


「ぐっ!?これは失った気憶!」


「これ以上、面倒事は増やさないでくれ」


エクレールの目が光る。僕はあることに気付き急いで支部長とエクレールの間の地面に針を複数刺す。


「させないよ」


「!?」


「今、支部長を操ろうとしただろ」


そして、僕は支部長とエクレールの間に立つ。


「お前は…1年前の」


「お前はもう、負けてる。大人しく捕まるなら何もしない、だけどこれ以上関係ない人も巻き込んで何かしようとしたなら…許さない…!」


「ふふ…どうやら封印は解けてるみたいだねぇ…いいねぇ、私の下僕にぴったり…」


「言っても聞かないか」


僕は金剛杵ヴァジュラを3つ、エクレールへ向け三角形に並べる。


「斎條支部長、後ろの兵士達をエクレールの背後から退けられますか?」


「あぁ、少し遠いから全員となると少々強引になるが」


兵士達が地面ごと沈み、エクレールの背後から消える。僕は金剛杵ヴァジュラを回転させ始めた。そして、その周囲に円形に針を配置し、それも回転させる。


「これは…」


「支部長、少し離れてください衝撃が凄いので」


電気が地面を空中を体をほとばしる。


「お前は放っておくと関係ない人を巻き込む、これ以上被害はだせない…これで大人しくしてもらう!」


金剛杵と針が閃光を発し始めた。


輝く金剛杵の電磁砲ヴァジュラズレールガン


3つの金剛杵から放たれる電磁砲レールガン、それに伴って発生する轟音と衝撃、それはエクレールに容赦なく命中する。


「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」


閃光の後、丸焦げになったエクレールが音もなく倒れた。


「制裁だ」


◇◇◇


ー聖域ウルファリオン・神殿内


「魔導士達がぞくぞくとやられてるわよ」


イデアルは椅子に座り杖を手入れしている。


「構わない、どうせ奴らはエクレールにそそのかされこの世界まで来た“そこそこ”の奴らだ…ただの駒でしかないさ」


ソレイユは読んでいた本をパタリと閉じる


「…イデアル、お前に客だ」


「そう、まぁそこそこでやってくるわ」


イデアルは椅子から立ち上がり、ソレイユに手を振りながら出ていく。


「そうそう…」


イデアルは少し振り返り、ソレイユを見下すような視線を送る。


「一応、負けた時のことを考えておくのね…まぁ“あるじ様”をこれだけ待たせて死以外の選択肢はないだろうけど…」


そう言い残しイデアルは神殿を出た。


「…チッ!負けた時の事を考えておけだと?」


ソレイユもとい発花イツキはメガネをクイッと持ち上げ立ち上がる。


「僕はこの世界で最強なんだ、僕を超える可能性のある弟をどうにかすればな」


発花イツキもその部屋を出る。


「ショウスケ、こうなった以上お前を生かしておく場合ではなくなった…もはや、“旧王族”の生き残りは僕一人でいい」


◇◇◇


聖地へ行く途中の川の辺り。

1年前、リヴァイアが身を挺してあたしを守ってくれた場所…そこにあたしは来ていた。


「まさか、来てくれるとは思わなかったよ…魔導士さん」


「私も1年前あなたの龍にびしょ濡れにされたお返しがしたくてね」


あたしはイデアルに背を向けたまま会話する。そして、あたしの腕から水が弾け、だんだんと龍の形を成していく。


「転生したリヴァイアとあたしの力見せてあげる」


あたしとリヴァイアの眼が光りイデアルを睨みつけた。



ファントムブレイヴを読んでいただきありがとうございます!

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ではまた次回でお会いしましょう〜

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