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ファントムブレイヴ 〜影と光の世界渡航者〜  作者: 月永ヒロト
間章「猶予」
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間章第9節「支配」


メビウスがコアを封印した後、ソレイユはすぐに行動を始めた。


「ルヴァン!グラソンとデス、そこで寝ている女と爺を連れて王都の医療部へ行け、グラソンと爺は死なない程度の治療でいい、女は牢へ入れておけ」


「あいよ」


ルヴァンは立ち上がり風を使って3人を持ち上げる、デスはその後を着いていく。


「イデアルはここに残れ、解読班が到着次第封印解除へ取りかかれ」


「はーい」


イデアルは手をひらひらとさせて返事をする。


「エクレールは俺と来い、王都へ戻って王を操作する」


「はぁい♡」


そうして、操られた王から世間に今回の自然の怒りナチュラルビースト大量発生はサブサイドのミスだと嘘の情報を流し、サブサイドを王都の完全管理下に置いた。

しかし、数日後…封印の解読が進められる中で魔導士達にとって面倒なことが判明する…


「これは…」


イデアルは声を漏らす。

封印を解いたと思ったそこには大きな文字で時間がカウントされていた。


「時間…これが0にならないと封印は解けないってことかしらね…」


その時間は封印が施されてからちょうど一年後に0になるよう設定されていた。


「表の封印は飾りで本当は何をしても一年は封印が解けないようになってるってわけね…やるじゃない」


◇◇◇


聖域ウルファリオンー調停者の神室ー


預言者セリカはボーッとしていた。


「セリカ、いつまでそうやってボーッとしてるつもり?」


セレナは作業をしながらセリカへ聞く。


「だって、やることがないんだもん」


「やることがないって…一年後に備えてなにかあるでしょ?」


「無いよ〜彼らを信じるぐらいかな〜」


「…ちゃんとしなさい、それでもあんた預言者でしょ」


「そりゃ魔導士達にちょっかいかけにいってもいいけど、行ったところで何もできないし…」


セリカは起き上がる。


「セリカ達もお母さんみたいな力があればなぁ」


気力ヴァイタルも魔力もあるじゃない、魔力はこの結晶使わないといけないけど」


「神力がないじゃーん」


はぁ…とセレナはため息をつく。実際自分達には出来ることはほとんどなかった。

その時…


「っ!!お姉ちゃん!」


「あぁ、あいつら!」


2人は何かを察知し、魔力結晶を持って部屋を飛び出す。

2人が飛んできたのは周りを木で囲まれた草原。その視線の先には王都の兵隊が何人かその草原に足を踏み入れていた。

セリカが叫ぶ。


「あんたら!そこで止まりなさい!!」


「なんだ!」「あれ!預言者だ」


「なんで、ここに来たのかしら」


「我々は王の命によりここに基地を作りに来た!そこをどいてもらおう!」


セリカはわなわなと震え、怒りを露わにする。


「基地ですってぇ…ふざけるのもいい加減にしなさいよ!!」


「「うわぁぁああ!!」」


セリカは兵隊達をその草原の外へ吹き飛ばす。


「ここがどこだか分かって言ってんの!?ここはね!お母さんが大好きだった“月光花の花畑”よ!そこにあんたらの基地を作ろうですって!?許すわけないでしょ?」


「ぜっ全員構え!」


「帰ってあんたらの親玉に報告すんのね、無理だって!」


セリカは両手から大きな気弾を放った。その気弾は兵隊達に命中し彼らは彼方へ飛んでいった。


「ハァ…ありがとお姉ちゃん、バフかけてくれたでしょ」


「まぁね」


2人は月光花の花畑を眺める。


「次はいつ咲くのかなぁ」


「また3人で見に来よう」


セリカがグッと手に力を入れる。


「3人じゃないよ…4人で…」


「…うん」


◆◆◆


約100年前


「早く早く〜!」


「まって〜」


「セリカ、ステラあんまり走るよ転んじゃうよ」


小さな子供達が森を歩く。


「だって咲いたんだよ?」


「おかしゃんがしゅきだったげっこうか!」


3人は少し開けた場所に着く。


「「「わぁ〜〜!!」」」


そこには一面の白い花。花達が月の光を反射してキラキラと輝いていた。


「これが月光花!」


「すごぉーい!」


「綺麗だね…」


月光花…ある条件が揃った時のみ花を開く。花言葉は“希望”


「今度はお母さんも…」


セリカがそう呟いくと3人の間に沈黙が流れる。それをセレナが破った。


「そうだね!今度は4人で来よう!」


「「うん!!」」


3人は夜が明け、月光花が蕾に戻るまで花畑を眺めていた…


◆◆◆


ソレイユは1人である場所に向かっていた。

とある山の中、そこに突如現れる山には不釣り合いな扉…そこへソレイユは入る。


「失礼します…」


そう言ってソレイユは跪く。

すると、奥から声が聞こえる。


「何しに来た」


「はい…散々待っていただいているのですが、あと…一年…延びてしまいました…」


ソレイユは目をグッと瞑り、何かされる覚悟を決める。


「そうか…まぁいい俺は気が長いんだ。待ってやるよ…それに俺たちも探したいものが出てきた」


「ありがとうございます…!」


するとソレイユの横で別の声が2つ


「よかったねぇあるじ様が優しくて」

「主様じゃなかったら、お前」

「「死んでるよ?」」


「ぐっ…」


その2つの声にソレイユは体を震わせる。


「ルリ、ルカそういじめてやるな…一年か、では替わりに俺たちの探し物も手伝ってもらうか」


「分かりました!それならいくらでも手をお貸しします!」


「要件は追って話そう、去れ」


「はい」


帰り際にまたルリとルカの声がした。


「お前は主様の支配下だ」

「それを忘れるな」

「「発花イツキ」」


ソレイユはその場所を後にする。

失敗は許されないと心に念じソレイユは悪の念を増幅させていった…



ファントムブレイヴを読んでいただきありがとうございます!

もし興味を持っていただけましたら、ブックマーク、評価等してもらえると励みになります!

今回で間章は終わりになります、次回から第四章phaseフェーズ2が始まります。

ではまた次回でお会いしましょう〜

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