ONE LOVE MANCHESTER 3
( Manchester! Thank you for your courage and love! マンチェスター!勇気と愛をありがとう!)
アリアナ・グランデのオープニングコールで、ライブは始まった。
ライブ会場は超満席。実際、ライブ会場に入り演奏が始まると場内は観客の声援で臨場感がすごい。座席がズンズン響き体にそのまま伝わってくる。 大きなモニターに映し出されたアリアナ・グランデに会場内は大きな歓声と熱気で大興奮。
私は初めてライブ会場というものを体感しすごい刺激を受けた。ましてや、このイギリスでアリアナ・グランデという米国の人気歌手だ。音楽を知らない私でさえ、熱く興奮した。 周りの観客も総立ちで歓声をあげながら盛り上げている。
私がマンハッタンに来て半月ほど経った、5月22日、このマンチェスターで、アリアナのライブが行われていた。しかし終了直後、会場内で爆弾が爆発。自爆テロの現場となってしまった。 アリアナ・グランデはテロ被害者と遺族のため、テロ事件が発生したにもかかわらず、このマンチェスターで慈悲コンサートを行うとブログやSNSで表明した。 この慈悲コンサートの前日にもロンドンの中心部で車の暴走やナイフでのテロ事件があったばかりだった。
(私は勇敢な街、マンチェスターに再び戻ってみなさんと過ごし、そして被害者と遺族のために支援金を集める慈悲コンサートを絶対にやるって決意しました。)
曲の合間にアリアナが、観客に向けてメッセージを送っている。
( みんなが示した、愛と団結こそが今、世界に必要な薬です! )
観客たちの拍手と歓声が凄い!!
エリカも私も周りの雰囲気に囲まれ大興奮!
しかし、アリアナ・グランデはまだ23歳。とてもこの年齢から言える言葉ではないだろう。私の知る限り同じ世代の日本のタレントや歌手で、アリアナ・グランデのようなのは恐らくいないのではないか?
このライブの模様は、イギリスBBC放送でも中継され、公演時間の約3時間の間に約200万ポンド(日本円で換算、約2億8千万円)の寄付金が集まった。ライブの収益とともに被害者支援に充てられるそうだ。
テロでの警戒が強まる中、アリアナ・グランデは力強い歌で観客たちを励ました。
(ライブって凄いね。私、こういうの初めてだからビックリした。)
(日本でも、SK・・なんとかとか歌手がいるじゃん。)
(私、普段は音楽なんて聞かないのよ。日本でも聞く歌手っていうのもいないし・・でも、今日のライブは本当に痺れた。笑)
(アリアナは人気歌手だからね。でも、ライブの臨場感は一度味わったら、もう虜になるよ。)
エリカの言うとおり、私は全く興味のなかった(音楽)というものにハマりそうになりそうだ。
約3時間のライブも終え、会場を後にしようとするが、あまりの人の多さで身動きが取れない。人の波が収まるまでここで座っていることにした。私たちの席は2階だったが、これでも十分なくらいの見応えだった。どでかい大きなモニター、それを囲むような観客席、曲が聞こえてくる大きないくつものスピーカー、どれも初体験でライブが終わった今も体がドキドキしている。 生のライブがこんなにも凄いとは・・・
(留学に来て、こういうのもいいでしょ?笑。)
(もう、最高。エリカには、いろいろとされっぱなしだね・・)
(ニューヨークに戻ったら、今度は(レディ・ガガ)のライブに連れてってあげる。)
(・・・・(レディ・ガガ)?)
ようやく会場を出て、これからニューヨークに戻らなければならない。ちょっと慌しいが大学の授業にも間に合わせるため、すぐに出発しなければならないのだ。 ちょっと慌しいが、ライブの興奮のほうが勝ってしまい、そんなことはどうでもよくなっていた。
でも、肝心のエリカの(お姉さん)には会うことができなかった。一言、お礼を言いたかったが・・・
(姉さんは彼と一緒にどこか行ってるから。また、今度、合わせてあげる。)
そうか・・・でもまたの機会に会えればいいか。 そんな気持ちで私もエリカもメトロシャトルに乗りマンチェスター空港へ向かった。
帰りの機内で、
(今日は、私と愛の2人だけの記念日にするんだ。)
(記念日? なんの?笑。)
(いいの!記念日なんだから・・・笑。)
ニューヨークに着けば、すぐに授業だ。大学に戻ったら真っ先にシャワーをして冷たいカフェモカを飲みたい。