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Give and Take ~for girls 留学編  作者: 月岡 愛
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面談

日本への帰国も決まっていたが、イギリス留学のことが持ち上がり、私はルミエラ大学で再度、面談をすることとなった。 面談の席には、シャロンとお母さんも同席、秋田国際大学、ルミエラ大学の留学担当の人と、【オックスフォード大学】留学のことを話すことになった。 


今回のイギリス留学は、シャロンのお母さんが仲介に入っており、【オックスフォード大学】の先生や職員とも現在も交流が続いており、優先枠で留学をさせていただくようだ。




(しかし、今の学力ではちょっと・・・)


ルミエラ大学、それに秋田国際大学の人から出た言葉だ。


(でも、やってみなければ分からないわ。私だって留学するときには周りからは猛反対されたもの。)


シャロンのお母さんも説得をしてくれているが、この雰囲気は私から見てもダメっぽい。


(でも、どうして愛をイギリスに留学をって思ったんですか?)


(愛はまだ日本に帰るべきではないわ。もっと世界を見て学んで語学も勉強すべき。愛はとても素直で純粋なの。だからこそ行くべきよ。)


(月岡さん、オックスフォードに留学するというのは日本から留学する場合でもね、相当の学力がないととても無理なの。今の月岡さんの学力だと仮に留学したとして、周りの環境にとてもついていけないわよ。日本に帰国して、大学生活を再開しなければならないし。だから、ここは辞退させていただくということで大学側からも伝えていいかしら?)



この人のいう通りだ。たしかにイギリスに留学なんて憧れる。それも名門校だ。だけど現実として私は無理だ。ようやくアメリカ生活に慣れたばかりで、学力の高い大学で更に生活・・・そんなことできるわけがない。 ここは素直に辞退すべきだ。



(愛?聞いて。 私もシャロンも黒人。それにシャロンは盲目で目が見えない。そんな親子がこのアメリカで生活をしていくというのはどういうことか分かる? 昔ほどではないとはいえ、まだ人種差別が残ってる国よ。 この子をなんとか食べさせていかなければならない。 その生活をするにはどうしたらいいか? 黒人なんて仕事すら、ありつけない。お金がなかったら生活ができないの。


私は、掃除から皿洗いから、ウェイトレスから、必死で寝る間も惜しんで働きまくった。でも、どんなに働いてももらえるのはわずかなお金よ。 そんなお金で娘一人、養えないだから。 じゃ、どうしたらいいか? どうしたら人並みの生活が送れるんだ? どうしたらゆとりが出るんだ? 考えて考えて考えまくったわ。


どういう結論が自分自身に出たか・・・・


人に差を付けて自分にしかできない何かを身につけること。それしか方法はないと思ったわ。


だから、私は語学を勉強してそれを生かす仕事に就こうと決心したの。 愛? 想像してみて。わずかなお金のために寝る間もなく働いて、それに語学の勉強よ。 どれだけ大変だったか分かる?)



(それからはどうしたんですか?)



(勉強したおかげで、ある日、働き先の人が、翻訳の仕事してみないか?って誘ってくれたの。 私は日本語をたくさん勉強したから。英語を日本語に訳す仕事に就くことが出来たの。それがキッカケで仕事の幅も広がっていったわ。 そんな中で今の主人とも出会い、再婚して主人の仕事もするようになって。 そして私も【オックスフォード大学】に留学したの。それからは更に語学の幅を広げて勉強した。


 語学を勉強してそれが仕事に繋がり、出会いもあり再婚してそして留学・・・ 苦労もたくさんしたけど今、振り返ると本当に良かったと思ってる。


あのまま、ただ一日、働いて・・なんて生活をしてたら今の私はないわ。 だから、人と差を付けて自分しかできない何かを得ないと、苦労する人生が待ってる。そんな気がするの。 シャロンもそこは理解できてると思うし。 )




人に差をつけて、自分にしかできない何か・・・・  私には何があるんだろう・・・



(あの・・私・・)



私は、ルミエラ大学の留学担当の人に、イギリスへ行くことを伝えた。 秋田国際大学の留学担当の人も首をかしげたが、祖母やシャロンのお母さんも言った通り、人生にチャンスなどそうあるものではない。私も大学受験のとき、秋田国際大学なんてまず入学は無理だろうと思っていたが頑張って勉強して無事に合格をし、ティファニー、セギョン、エリカとの出会い、アメリカ留学もしている。 


これも自分に与えられた【試練】なのだ。 神様、天使さまが私に与えてくれた【試練】なんだ。


そう自分に言い聞かせると、心臓がバクバクしてきた。 



愛にはトキメキを感じる・・・・



シャロンの言ったことが、新たなる私の人生のキッカケを作ってくれたのかもしれない。



帰国の手続きはまだ書面上だけだったようで、日本帰国からイギリス留学へと変更となった。 幸いにも航空券や秋田国際大学への手続き前で、ギリギリでセーフだった。 



わずか半年だ。すぐに終わるんだ。 そう思えば少しは気が楽になった。

























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