意外な決断
オックスフォード大学(University of Oxford)
イギリスの大学都市、オックスフォードに所在する総合大学である。11世紀の末に大学の礎が築かれていることから、現存する大学としては世界で3番目に古く、英語圏では最古の大学である。
また、世界中の指導的政治家を輩出しており、テリーザ・メイ現首相、デーヴィッド・キャメロン前首相、トニー・ブレア元首相、マーガレット・サッチャー元首相など27人のイギリス首相、30人以上の各国元首らがオックスフォード大学出身である。さらに、50人以上のノーベル賞受賞者、6人のイギリス国王、150人以上のオリンピックメダリストなども輩出している。また、皇太子徳仁親王、皇太子妃雅子、秋篠宮文仁親王ら、日本の皇族の留学先としても知られており、貴族の大学としても有名である。
(愛、あなたの気持ちは本当によく分かる。日本に帰って、また日常の生活に戻るという気持ちもね。でも、二度とないチャンスにチャレンジしてみない?)
(でも、そんな名門校に留学なんて・・・私、無理だよ。自信がない。しかし、なんでまた私なんかにそんな留学を?)
(初めて愛に触れたとき、私、あなたに、ときめきを感じたわ。何かビビッとくるものをね。)
ときめき・・・ですか・・・?
(レベルの高い大学にもう一度、留学して本物の英語を学ぶべきだって。私、そう思った。)
(シャロン・・・でも、私、ほんとに日本に戻らなきゃならないの。手続きもして。)
(だから、それを私が留学担当の先生に相談するから。絶対に行くべきよ。)
(愛、シャロンのいうとおり、チャレンジしてみたら? どれくらいの期間なの?一年くらい?)
エリカが聞くと、
(半年よ。短期間だから。それに一定の成績をあげれば奨学金もでるわよ。 あっという間よ。半年なんて。)
シャロンのいうことも分かるが、だけど、もう日本に帰って早く祖母にも会いたい。それに、日本での生活がとてもしたくてたまらないのだ。
(やってみたらどう? ダメだったらやめればいいんだし・・・)
エミリーも簡単に言うが、事はそう甘くはない。
(悪いけど、私、日本に帰る。正直、一年アメリカにいてちょっと疲れてんのよ。だからこの話は・・・)
そのとき、シャロンのお母さんが入って来た。
(ごめんなさいね・・話を聞いてたの。 日本に帰りたいって気持ちは私もよく分かるわ。あなただって家族もいるだろうし、それにお友達も帰国するのを待ってるしね。 だけど、ちょっと聞いて欲しいの。)
どんな話か知らんが、私は絶対に日本に帰国する。
(アメリカ留学も終えて、帰国して日常の生活に戻り・・・それもいいと思う。むしろそれが一般的な留学生のスタイルだと思うし。一定の期間、母国を離れて異国の人と生活を共にして語学力も伸びて・・ね。日本に帰ってその経験を生かせばそれはそれでいいと思う。
だけど、英国のオックスフォード大学に留学するというのは、普通の留学とは違うのよ。 それがわずか半年という短い期間でもね。日本に戻ったらもうこんなチャンスはまずない。 この大学で学んだことは何かあなたを変え、あなた自身も得るものがあるはずよ。 それは日常の生活をしていたらまず得られないものよ。)
しかし、なんでここまで私を説得するのだろう・・・
(あなたはまだ若いわ。これからの世代だし。長い人生のうち、わずか半年間じゃない? 帰国する前に最後としてチャレンジしてみない?)
こういうときは誰に相談したらいいのだろう・・エリカか・・それともティファニー? セギョン?・・・もう早く日本に帰りたい・・・・
(愛?日本にいるお祖母ちゃんにも相談してみたら?)
エリカが意外なことを言った。 そうだ。祖母に相談すれば、(早く帰っておいで)と言ってくれるに違いない。そうすれば、この話は断れる。
私は早速、祖母に連絡をとった。
スカイプを使い、母国、日本にcall.me!!
(お祖母ちゃん、元気?)
(あら? 愛、今、夜かい?)
(そう。そっちは?)
(こっちは朝だよ。天気もいいよ。もう帰ってくるんだろう? エリカはいるのかい?)
エリカに画面を向けると、
(オバアチャン、ゲンキデスカ?)
(元気だよ。そこはエリカの家かい?)
(シャロンって新しいお友達の家、お母さんもいるんだ。)
祖母に手を振ってくれている。
私は、シャロンからの留学の話を祖母にした。 しかし、祖母からは思いもよらぬ返事が返ってきた。
(愛、まだ帰国はダメだよ。人生の内でチャンスなんかそうあるもんじゃない。よく考えてごらん? このまま日本に帰ってきたら、普通の生活が待っているだけだよ。だけどこんなチャンスはもう愛には訪れないかもしれない。だからこそ、チャレンジするべきだよ。 この先、愛も年を重ねていくんだ。そんな中で(あぁ、あのとき行って良かった・・)と思うときが必ず訪れる。 自分の人生を後悔させないためにも、イギリスに行くべきだよ。 自信持って行っておいで!!)
(お祖母ちゃんも言ってるじゃない? 素直に聞いてみたらどうかしら?)
(え? 日本語、分かるんですか?)
(日本語で話すわね。笑 分かるわよ、私だってたくさん語学を勉強したもの。こうしてあなたと対等に日本語で話すことが出来るのも、オックスフォード大学の生徒だったからよ。)
(ママは、6ヵ国語が話せるの。バイリンガルよ。笑)
もしかして、シャロンも?
(私は英語だけ。笑。だけど少しなら日本語も分かるわよ。)
シャロンのお母さんとわたしの祖母が画面越しに話している。
(愛、少し帰国が遅くなるようだけど、ちゃんと英語を勉強して帰っておいで。)
祖母の一声ですべてが決まってしまったようで、私は翌日、秋田国際大学の留学担当者と再度、面談することになり、その席にはシャロンとお母さん、それに英国留学の担当者も同席することになった。
いつ、何が起こるか分からない・・・・
そんな思いが頭の中を過るのはアメリカにいるからだろうか・・・・




