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Give and Take ~for girls 留学編  作者: 月岡 愛
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マンチェスターに到着。

機内でエリカに聞いてみた。


(私の英語は何で通じないのかな?)


(日本人は何でも棒読みするのよ。だから何を言いたいか分からないの。それに声が小さいからもう会話にならないよ。)


たとえば、(これを頂けますか?)という言葉だと、


Can I have this? となるが、日本人の場合だと、(キャン アイ ハブ ディス?)と言ってしまう。これだとまるっきし通じない。 だけどネイティブになると(キャナイ ハヴゥディス?)となる。要は一言一言区切るのではなく、ある程度、くっつけて省略するということなのだ。


それに、声が小さいというのはアメリカ人にとっては本当に聞き取れないようで、これが日本人の英会話は理解できないという一つの理由なのだ。


(でも、愛も日に日に良くなってるよ。フレーズも分かるようになってきてるもん。)


エリカの言葉に少し安心。



マンチェスター空港に到着し、市内へと出るとそこはまさに【英国】という街だった。古くからあるだろうモダンな建物、それに高い建物がほとんどなく広く感じる。


(これに乗って行こう。)


エリカがそういって乗ったのは、【メトロシャトル】という市内を周っている無料のバスだ。主要駅、ショッピングエリア、博物館・美術館などの主要観光地などを行き来しておりとても便利だそうだ。


(エリカはよくイギリスにも来るの?)


(う~ん・・・特別に用があるときくらいかな・・こっちには姉さんがいるからね。)


(今日はお姉さんも来るんでしょ?)


(ううん。ライブのチケットは姉さんと彼が行くはずだったんだけど、前回の爆発事件で行くのを止めたみたい。それで2枚余ったからって私にくれたのよ。あ、ここで降りよう。)


バスを降りて向かったのは、カフェレストラン?のようなお店。


(ちょっと食べて行こう。)


エリカに手をひかれお店に入った。


店内はイギリス人ばかり。(当たり前だが・・・)お店の中に入るとカフェというより、夜のお店、パブって感じなのか、お酒類がカウンターごしにたくさんある。



(はい、どうぞ。どこから来たの?)


店員がメニューを出しながら話しかけてきた。


(マンハッタンからです。今日はこちらのお友達とライブに来ました。)


(そう。ライブってアリアナの?)


(そうです!なんでわかったんですか?)


(今日のライブは、この前のテロ事件の慈悲コンサートだからこちらでも話題になってるのよ。)


私の下手な英語が通じてるのか、会話になっている・・・


(あの・・・私の英語・・・わかります?)



(ええ。分かるわよ。とてもきれいな英語よ。)



(ありがとうございます。)



このイギリスで私の英語が通じた。すごく嬉しい。



(言葉はしゃべらなきゃダメ。上手く言えなくてもいいから手振り足振りで話すしかないのよ。外国にきたら尚更ね。Have a nice day.(楽しんでね))


海外だからそう思うのかもしれないが、日本とは違い、お店の店員も固くなくフレンドリーに接してくれる。日本なら、ご丁寧にいらっしゃいませ、などと頭を下げ堅苦しいが、アメリカもこのイギリスも、友達同士のようでなんだか楽だ。こういうシーンは、日本ではまず経験できない。これも海外ならではだろう。


(あ、来た来た。食べよ。)


エリカがオーダーしたのは、ハンバーガー。これがまたすごい。


トマト、レタス、ピクルス、それにメインのハンバーグの厚いこと。こんなの口に入らないよ・・・


(エリカ、こんな分厚いハンバーガー、どうやって食べるの?)


(愛、このままじゃ口に入らないでしょ?だからこうして両手で潰しながら噛みつくの。)


(噛みつく????)


(見てて。こうして・・・アーーン。ガヴッ!)


潰され噛みつかれたハンバーガーは肉汁をドボドボ出しながらエリカの口にと入っていった。私も負けじとハンバーガーに噛みついた。 焼き立てのハンバーグはとても熱い。それに加えマスタード、ブラックペッパーの香辛料が口の中に広がり、ピクルスの適度な歯ごたえ、レタスのシャキシャキ感・・・もうたまらない。 ハンバーガがこんなにも美味しいなんて。 マックの100円バーガーしか食べたことのない私には強い刺激だ。


(美味しいでしょ?)


(凄い。まいうー。)


(マイう???)


(日本では、美味いって言葉を逆さに(まいう)っていうの。)


(マイう・・・・)


不思議がるエリカをよそに私はハンバーガーに集中した。店内を見ると私たちと同じくバクバクと食べている女性客もいるが、その姿がなんとなくカッコいい。日本だとジロジロ見られたりされそうだが不思議と、このイギリスでは違和感がない。


ハンバーガーでお腹も満たし、あとは(アリアナ・グランデ)のライブだ。


(Come again.  また来てね。)


さっきの店員さんがお別れにいってくれた。


(will come again. Thank you。 また来ます。ありがとう。)


店員さんと抱き合い、お店を後にした。



さきほどの(メトロシャトル)に乗り、エリカと私は、ライブ会場へと向かった。









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