一つの布団で。
エリカの部屋で寝るのはいいが、私のお布団はあるのでしょうか??
(布団は一つしかないから、一緒に寝よ。♪)
・・・・・ あの・・わたくし、女性と抱き合って寝るというのは日本でもしたことがないのですが・・
(ほら、明日は大学に戻らなきゃいけないんだから。これ、着替えて。)
なんとも可愛らしい、子供が着るようなパジャマを渡してくれた。
(大きくないでしょ? さ、明日は早いから。)
エリカもさっさと着替えて、私と共に布団に入った。
(日本の女の子って、こんなふうに友達の家に泊まったりするの?)
(するよ。女同士、キャッキャッしながら夜更かしするの。でも、中学生、高校生くらいまでかな・・大学や働きに出たりすると、だんだん付き合いも減ってくるし・・・)
(アメリカではあまりそういうこと、しないんだ。どちらかというと家族や兄弟と一緒にって感じだからね。だから、私の部屋で寝るのは、愛が初めてだよ。笑)
(結構、アメリカ人ってそういうの、オープンな感じがするんだけど・・)
(まぁ、人にもよるんだろうけど、私は出来る限り自分のプライベートは友達でも入れたくないかな・・)
アグレッシヴなエリカの意外な一面が見れた。 私の想像だが、アメリカ人ってとても積極的で友達でもなんでも家に連れてきて、泊まり、食事をし・・なんてとてもオープンなのだろうと思っていたがそうでもないんだとエリカの話を聞き驚いた。
(愛も日本では、クラスメイトとか家に来たりしてたの?)
(私も親しい同級生が一人いただけ。その子と仲良くしてたな・・よくお互いの家に泊まったりしてね。)
(その子とは、こっちに来ても連絡はしてるの?)
(ううん。ちょっと色々なことがあってさ。 でも日本を離れるとき空港まで来てくれたんだ。)
エリカが親指を立てて、
(こっちのほうはどうなの?)
それって・・男のことですか? 彼氏ってことね? ハハハ・・ わたくし、そのようなお方はいないのですよ。
(エリカは、いるの?彼氏?)
(いない。でも、日本から愛が来てくれたから、それでいいの。)
へ?どういう意味だい?
(さっき、お祖母ちゃんの話、聞いてて思ったんだけど、私、一度、鹿児島にいってお祖母ちゃんの故郷を見てきたいの。今、どうなってるのか・・・家族とかどうなってしまったのか・・・知りたいし、それをお祖母ちゃんに伝えたい。)
(でも、マンハッタンからブルックリンに来るのとは次元が全然違うよ。日本でも鹿児島っていったら離れていて遠いし。)
(お祖母ちゃんも、もう高齢だし、飛行機なんてまず乗れない。まだ元気なうちに伝えてあげたいんだ。)
(でも、行くとして、大学はどうするの? そんなに休めないよ。)
(クリスマスに入れば3週間ほど、休みに入るの。だから大学が12月24日から年明けて、一月の10日くらいまでは冬休みだからその期間に行きたい。)
(でも、宿泊とか・・それに日本にいく飛行機のチケットも、もう取れないよ。)
(お祖父ちゃんがなんとかしてくれる。チケットくらい。だって、国防総省のOBだから。)
(え? 国防総省???)
(うん、退役後は、今の国防総省に勤めたのよ。お祖父ちゃん。)
しかし、エリカの家族はいったいどんな家族なんだ???
翌日、私たちは、大学へと戻った。 あとわずかな日で大学も冬季休暇に入る。その休暇前の24日、クリスマスイブにエリカの言葉は現実となり、私も鹿児島へといくこととなった。




