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Give and Take ~for girls 留学編  作者: 月岡 愛
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12月にもなり・・・

ニューヨークも12月ともなると辺りは、クリスマス仕様になり観光客も多くなる。ハロウィンが終われば今度は、クリスマスパーティでもあるのかと、ヒヤヒヤしていたがアメリカの大学は毎年12月24日のクリスマスイブから冬休みに入る。 


アメリカ人にとって、クリスマスは日本のお正月にあたるもので、この日だけは家族で過ごすという習慣がある。だから日本に滞在している欧米人はこの時期、母国に帰国し家族と共に休暇をとる人も多い。


まぁ、私にとってクリスマスにパーティーなど開催されず、ほんとに安堵している。もう、あんな衣装で恥ずかしい姿は、こりごりだ。


(ねぇ、私の家に来てみない?愛を紹介したいんだ。)


(エリカの家?)


(そう。私もしばらく帰ってないし、今週末でも授業が終わったら、連れてってあげる。)


(でも、日本人の私がエリカの家に行っても大丈夫?)


(何言ってるの?笑。 全然大丈夫よ。だって、愛のこと親にも話してるし、姉と妹も知ってるから。)


(だったらいいけど・・・)


私は渡米する前に、少しアメリカ留学のことを調べていたことがある。楽しく過ごした人もいるようだが、中には日本との習慣があまりにも違い過ぎ、落胆して帰国した人も意外に多い。だから、私も少し不安だが、ここはエリカもいるし、任せることとした。


(じゃ、OKね。 帰ること伝えておくから。)



ニューヨーク・マンハッタンに来て、約8か月経った。 暑い夏が過ぎ、秋の心地よい季節になり、ハロウィンの時期にもなり、そしてクリスマスという一年の終わりを迎えようとしている。 ルミエラ大学の授業も、本物の生の英会話で受け、正直、戸惑ったこともあったがエリカと共に過ごし、周りの生徒たちとの触れ合いもあり、格段に会話力も増していった。  まだまだ現地の人たちとの会話は乏しいが、日常会話程度の理解力と会話力は出来るようになって来た。 



午前に授業を終え、エリカと食堂に向かった。 今日は天気も良く青々とした空と太陽の光がとても気持ちよく、表で食べることにした。 キャンパスは昼になると生徒たちも表で昼食を食べる人も多く、とても賑やかだ。 芝生で昼寝やベンチでコーヒーを飲みながら本を読んだりと日本でも同じような景色が見れる。 


エリカも私も、今日は、ベーグルとカフェに決めた。 このベーグルも結構、大きくて、しっとりとした生地でとても美味しい。私はアボカドとクリームチーズ、生ハムなどボリュームのあるベーグル、エリカは、サーモンとレタスやビーフパティがのった、これも食べごたえがありそうなベーグル。


(美味しそうだね。食べよう!!)


(まいうー!)


(??? まいうーって何?)


(日本じゃ、美味いっていうのを逆に、まいうーっていうのよ。ちょっと古いけどね。マンチェスターに行ったとき、ハンバーガー屋さんでも言ったじゃん。笑)


(MAIU-・・・マイウー・・・ふ~ん・・何か日本語って変ね。笑)



昼食と楽しんでると、食堂のチーフが来て・・・


(お昼に申し訳ないが2人に話があるんだ。食事が終わったらちょっといいかい?)


何か、深刻な表情だ。


(何かあったんですか?)


(お昼、終わったらでいいから・・・)


(今でもいいですよ。何か気になるし・・・)


私もエリカも、すぐにでも聞きたい。



(・・・分かった。先程、刑事さんが来てな・・・)


チーフも私たちのテーブルに座り話始めた。



(ジョーイのおばあちゃんなんだが・・・・)



ジョーイの事件から、数カ月が経った。あれからジョーイの祖母はどうなったのだろう? 私もエリカも気にはなっていた。



(ジョーイの件は、正直、おばあちゃんに伝えることは出来なかったんだ。毎日、会いに来ていたのが来ないから当然、どうしたのか?と尋ねてくるよな? でも病院の職員も伝えることは出来ず、結局、刑事さんが伝えたらしいんだ。 少し料理の勉強で海外に行き、来れないってね。クリスマスには戻るって嘘を言ってさ。)


(でも、おばあちゃん、病院はその後どうなったんですか?)


(それがさ・・・元にいた病院は半ば強制退去で、結局、生活保護者や困窮者が入所する施設に転居することとなったんだ。環境的にもどうかと思っていたんだけど、実際に行ってみるとそんな悪い環境ではなかったな。施設も意外に新しいようだし。)


(チーフ、おばあちゃんに会いに行ったんですか?)


(刑事さんと一緒にな。その時に、ジョーイのことは伝えたんだ。 おばあちゃんもクリスマスまでに帰ってくるならって理解してくれていたんだ。)


(私たちも会いに行きます。チーフ、チーズケーキ、作って一緒に行こうよ?)


チーフは首を振り、それは出来ないといわんばかりの表情だ。


(2人には悲しい知らせなんだが、昨日、亡くなったんだ。心臓をかなり悪くしていただろう?急性心不全・・・突然だよ。)


一気に食欲も亡くなってしまった・・・・



(葬儀とかは、あるんですか?)



アメリカの場合、州にもよるが、生活保護や困窮者が亡くなり葬儀をするとき、その費用が出せないため地域にある墓地の(無縁仏)というものに埋葬されるようだ。アメリカはクリスチャンが7割を占めているため、その神父の見習いらしきものがお清めを施すようだ。 パーティクル・ボート(おがくず)のお棺でその上に布を被せただけの質素な葬儀らしい。 ジョーイも警察の検視を終えたあとこのように(無縁仏)に埋葬されたらしい。


(明日、行われるが、行くかい?)


(行きます。大学にも許可をお願い出来ますか?)


(よし、分かった。刑事さんにも連絡して事務局にも伝えるから。)



アメリカの葬儀はどういうものか、初めて見るが日本のような律儀なものではないだろう。火葬もせず遺体のまま埋葬するのだから、本当に質素な葬儀なのかもしれない。だけど、ジョーイが眠る墓地に祖母も一緒に・・・これだけは良かったのかもしれない。









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