入寮手続き
私が留学する、(ルミエラ大学)は、リベラルアーツ・ガレッジと言われる私立大学で、さまざまな教養を身につけ、広い世界で、(本当の自分)を探す教養を目的としている。
言語・文学。人文科学。情報・環境。社会科学。心理・教育・・・・(何をどう学ぶのか?)を知る、学問の基礎というものを、このアメリカで私は学ぶことになる。 自分探しをしながら自分の未来をも組み立てる・・・まさに(アメリカならでは)だろう。日本にはまだ(ルミエラ大学)のような(リベラルアーツ・ガレッジ)という大学は、日本では秋田国際大学くらいではないか? このアメリカでは全米で600校強の(リベラルアーツ・ガレッジ)が既に存在している。
秋田国際大学も自然に囲まれてキャンパスも結構、広いが、この(ルミエラ大学)はそれをはるかに超えている。 キャンパスも緑が多く、広大な公園のようでとても大学とは思えない。敷地内にある建物も美術館で展示されている絵画のような、古くモダンな造りで昔の時代にタイムスリップしたみたいに感じる。
学生寮も大学のキャンパス内にあり、(ルミエラ大学)の学生たちはこの学生寮で生活をしながら学業に励んでいる。私もこの学生寮で生活をしながら学ぶことになる。
セキュリティーセンターで、秋田国際大学から渡された、留学手続きなどを見せ、インフォメーションセンターに案内された。ここで、入校手続きをして、セキュリティーカード、学生寮のカードキーなどが必要になるため、その必要書類に添付する写真を撮影し、そのあとは健康診断へとなった。アメリカに来て思ったが、とにかく書くこと、することが本当に細かい。なんで、すぐ終わりそうなことをこんなにも細かくするのか・・・これが日本なら、ちょっと書いてハンコを押して・・で終わるけど、とにかくめんどくさい。ましてや、会話力も乏しいから尚更だ。私は細かいこととめんどくさいことが大嫌いなのだ。
イライラしながらも、入学手続きもようやく終えた。これから生活する学生寮に行き、その後は健康診断となり、留学生への説明会、そして正式に入寮となる。 健康診断は、T-シャツとトランクスを渡され、血圧、尿検査、心電図、身長、体重、など、一通り検査をする。周りの留学生を見ると日本人はどうやら私一人のようだ。韓国や中国のアジア系は見かけず、中東やロシアなどの人が多い。ま、学生寮に行けば日本人や韓国人もいるのかもしれないが。
説明会では、寮の規則や校外への注意、食事の時間や入浴時間など、秋田国際大学とほぼ変わらない内容となっていた。ただ、夜間の外出は基本禁止。もし出るときは大学側から許可申請をしなければならない。もし、無断で外出し、事件や事故に巻き込まれた場合、謹慎処分となる。もし警察に逮捕、補導などされた場合は退学処分となり、即時、母国に帰されることとなる。厳しい規則のようだが、日本の大学でもそう変わらないだろう。 また、こちらの大学も夏休み、冬休みがありその期間は許可が下りれば帰国してもOKだそうだ。
ようやくすべて終え、セキュリティーカード(大学内ではこのカードがなければ出入りができない。)学生寮のカード・キーも渡されて、晴れて正式入寮となった。寮の部屋は2人部屋で、私の部屋にはすでに1名、入っている。寮の部屋は、留学生同士にはならず、在校生と留学生の組み合わせとなり、寮内での部屋の行き来はOKだが、外部の人を入れるときは(基本、親や兄弟など家族)大学の許可が必要になる。あたりまえだが男性(彼氏など)を無許可で入れた場合、これも謹慎、もしくは退学処分となる。
(ルミエラ大学)は共学だけど、男子寮は、別の敷地内にあり、寮とはいえ、セキュリティーも厳しく警備員も常駐している。当然だが、また、大学キャンパス内は、警察官も常駐しており、女性警察官もいて巡回などもしている。
私の部屋は5階建ての3階。秋田国際大学の学生寮より大きく結構な数の生徒たちが入寮しているようだ。部屋にはどんな人がいるのだろう・・・初対面はとても不安が過る。 まずは、挨拶だな。
コンコン・・ 扉を開けた。
( Hello. Nice to meet you. こんにちわ。初めまして。)
部屋に入り私は、驚いた。
(びっくりした? もう一度、初めましてね。笑)
そこにいたのは、(エリカ)だった。
(私、ここの大学生。愛がここに来るのは、もう知ってたから。)
どういう意味なのか?
(事前に大学から、連絡があるの。こういう留学生が入寮するからってね。)
(じゃ、私のことも分かってた?)
(だから、空港まで迎えにいったのよ。フフフ)
一気に力が抜けた。でも、すでに空港から一緒だったから、本音を言えば安心した。
(でも、まさか、同じ大学だなんて・・・ほんとビックリした。笑。)
(人との出会いなんてそんなもんよ。でも少し、言葉も滑らかになってきてんじゃない?)
(ハハハ・・・そうですかねぇ・・・(^^ゞ
(そろそろシャワータイムだし、行こうか?)
時刻を見ると、もう夕方になっていた。今の時間だと日本では明け方くらいなのかな・・・・エリカの誘いにご同行とすることにした。