メルボルン
(うわ・・・きれいな花だな・・・)
英国の薫り漂うオーストラリア・オールドシティ メルボルン。
アイス・カフェラテを啜りながら、ティファニーはメルボルン市内を流れる(ヤラ川)の河川遊歩道を歩いている。店頭に並ぶ、季節の花を眺めながら、
(アイとセギョン・・・どうしてるのかな・・・)
ティファニーの大学も夏休み(メルボルンでは冬休み)になっており、大学に講義がない日などはメルボルンの街に繰り出している。
(アイとセギョンから、フェイス・ブックに来てないかな・・・)
メルボルンに留学したとき、愛やセギョンと同じ、海外通話ができず、フェイス・ブックなら連絡が出来るだろうと、登録をしていた。
とIphoneを見ると、愛とセギョンから友達申請が来ていた。
(お?やっと来た・・・もう、遅いんだよ・・)
すぐに、セギョンと愛に、いいね!とコメントを送った。
お互い離れ離れになってから、5か月経った。 日本やアメリカとは違い、オーストラリアは8月は冬の時期になる。9月になればようやく春が訪れ、12月から3月くらいまでが夏となる。季節が日本とは真逆なのだ。 しかし、冬とはいえ、メルボルンの気候は暖かく日差しも強い。 ニュージーランド出身のティファニーからすれば、同じ季節の国だからそんなに変わりはないだろう。
メルボルンの中心部にある(カフェストリート)に入り、古い建物に入っているカフェで愛とセギョンからの連絡を待った。 メルボルンはオーストラリアの中でもカフェの数が一番多い。歴史的建造物もそうだが、ティファニーが入ったカフェも、ビクトリア時代に建てられた建物の中にあり、テーブルがズラッと長く並んでおり、日差しも入ってきて心地よい時間を過ごすことができる。
(はい、お待たせ。可愛くしといたよ。笑)
カフェの店員がティファニーに、ラテアートを披露した。
(へぇ・・可愛い!! )
ハートと女の子の顔が描かれていた。
(あと、これ。サービスでつけておくから。)
焼き立てのクッキーをラテアートに添えてくれた。
(どこから来たの?)
(日本に留学していて、一年間は海外での留学もあるんです。みんな色々な国に行くんですけど、私はメルボルンに来たんです。)
(でも、日本人じゃないよね?どこの国?)
(ニュージーランド。オーストラリアと変わらないですよ。笑)
(なんだ、そうか。でも、日本も住みやすいだろう?行ったことないからよくわからないけど。)
(こちらと変わらないですよ。季節もはっきりとしているし、ただ日本とは季節が逆になるけど。)
初めて会っても、フレンドリーに接してくれるところが外国らしい。日本ではあまりこのような場面は見れないが・・・
Iphoneを見るとフェイスブックに誰か来ていた。もしや???
≪ティファニー? 元気してるの?全然、連絡がないから・・・電話使えないからフェイス・ブックならって、月岡さんとも話してたのよ。≫
セギョンからのコメントだった。 でも、話してたって・・・セギョンの国は通話ができるのか?すぐに返信した。 セギョンからもすぐに来た。
≪スカイプよ。ネットで通信して・・ティファニーもアプリを入れてみて。PCもあるでしょ?≫
スカイプ??? そんなものがあったのか・・・・
ティファニーも愛と同じ、スカイプのことは知らなかった。アプリをダウンロードしセギョンの言うとおりに電話してみた。すると、
(ティファニー見える?) 手を振りながら画面にセギョンが映る。
(見えるよ。何これ? こんなこと出来るんだ??)
(PCのほうが使いやすいけど、Iphoneも便利だし。)
(ドイツも通話はできないの?)
(できないことはないのだけど、料金がバカ高くて・・・留学生にはちょっと痛い。笑)
(じゃ、こっちでも同じなのかな? まだ、通話はしてないんだけど・・・)
(メルボルン内だったら、そんなには・・・だけど海外となると高くなるよ。これは月岡さんも同じ。)
(アイはどうしてる? まったく全然、メールも寄こしやしないよ。ほんとに。)
(アメリカからだと、Iphone 使えないのよ。SIMとかなんとかが・・で。だから寮にあるPCでスカイプを使って私とも連絡できたんだ・・フェイス・ブックにも申請してあったでしょ?)
(うん。だからすぐに返信した。 アイ、元気にしてた?)
(同じ部屋の子とも仲良いみたいで、楽しく過ごしてるようよ。返信したならすぐに来るはずよ。スカイイプに着信してみたら?)
セギョンの言うとおり、愛のスカイプに連絡を入れた。
(そこ、外なの?お店? なんかいい景色だね・・・)
(メルボルンのカフェストリートってとこ。 古い建物の中にカフェがあるの。セギョンも一緒ならね・・・)
(いいなぁ・・・私は、今、学生寮だよ。笑 でも、フランクフルトも古い建物も多いし、それに昼間からビール飲んでる人が多いよ。ソーセージなんかも美味しいし。)
(そっちのほうがいいいじゃん。笑 ビール飲みたいな。あ、でもアイに叱られる。笑)
久しぶりのセギョンとの会話で盛り上がる。
(これからは、スカイプで連絡すればいいね。これならリアルタイムだし。)
(私もティファニーに着信するから。)
セギョンとの会話も終わると、すでに着信が来ていた。
(アイ? 見える?聞こえる?)
(聞こえるよ。ティファニー、元気? )
(わぁー久しぶりじゃん!!もう、アイから全然、連絡がないからどうしたかと思ってたよ。)
(ティファニーも元気してるの?)
(こっちは、カフェがたくさんあって、アイが好きなカフェモカも美味しいよ。)
ティファニーとの、久しぶりの再会。
(もう、会えないかと思ったよ・・・でも、Iphoneが使えないって本当に不便だよね。ティファニーのほうでは、使えるんだ?)
(SIMカードを変えればね。でも結局は国内だけだから、そっちと同じだよ。でも、wifiは使えるし、このスカイプだってあるし。セギョンから教えてもらった。)
(セギョンとも話したの?)
(フェイス・ブックにコメントがあって。申請もあったから。それで教えてもらった。)
(日本に帰るまで、スカイプで話すしかないよね。)
(マンハッタンはどう? 大学は楽しい?)
(うん・・学食も美味しいし、一緒に住んでる子とも仲がいいし、何とかやってるかな。)
(その子は今、いないの?)
(出かけてるよ。もうじき帰ってくるけど・・・ティファニーはどうなの?)
ティファニーの大学では、学生寮は個室のようで、授業が終わるとそれぞれ一人になり、それほど会話する相手もいないようで休みも一人で過ごすことが多いらしい。特に、オフシーズンだと期間も長いため街に出かけることが多いようだが、それも1人だから、ちょっと堪えたらしい。
(なんだか、いくら話しても全然疲れないね。)
いやぁ、私はちょっと疲れているが・・・
ティファニーとの会話中に、事務局の人が来て、
(愛、一階までいいかしら?)
(あ、はい。 ティファニー、またあとで連絡するから、ちょっといい?)
(分かった。 またあとでね。)
ティファニーとのスカイプを一旦、終わりにした。




