〜幼馴染2〜
「はぁ・・・。」
本日何度目の溜息だろうか。もう数えるのも億劫になってきた。
なぜこんな事になってしまったのかというと、原因は、今目の前で川で遊んでいる、ミーシャにある。
あの後泣き叫んで、泣き止まなくなってしまったミーシャをしょうがなく一緒に川に連れてきたのだ。
しかし、そこからが問題だったのだ・・・。
俺が、洗濯物を洗っている最中に、泥団子をなげて、せっかく洗った物を又泥だらけにして、最初から洗い直しになったり。
洗濯物を絞っている俺に水を掛けて来て、もう一回絞りなおしになったり・・・
仕事が全くはかどらないのだ・・・
「ツカサ〜みてみて、おさかな〜」
ミーシャが片手に捕まえた魚を手に持ち、こっちに、走ってくる。
「ミーシャ、川でそんなに全力で走ったら転ぶよ!」
と言った瞬間に俺の近くまで来ていたミーシャが案の定こけた・・・。
「あはははっ。ころんじゃった〜」
ミーシャは、楽しそうに笑っているがこっちは頭から水をかぶり、さらにせっかく絞り終わった洗濯物にまた水が掛かり、ビショビショだ。
「ミーシャ・・・もう少し離れて遊んでくれないかな?」
これ以上のやり直しはたまったものではない。本日だけでもう5回も、洗っては汚され、洗っては汚され、洗っては汚され、の繰り返しだ。
これではきりがない・・・。
「ツカサはミーシャのことがいやなの・・?ミーシャがちかづくと、ツカサのじゃまになるの・・・?
「いや、そうじゃなくてだな・・・。」
「・・・ツカサのあほ、どじ、まぬけ、もうミーシャ、ツカサと・・・いっしょに・・・いっしょに・・あそんであげないから!」
そうまくし立て嵐の様に村の方に走って行ってしまった。
(うわぁ・・・まじかよめんどくせぇ。)
「はぁ・・・でもとりあえず明日謝っておくか。なんか後味悪いし・・・」
ミーシャのお陰で、洗い物を洗い、絞り、家に帰った時には、もう日が沈み、辺りが暗くなってきた時だった。
家に着き、いつも通りに扉を開けると、
「ただいま〜。遅くなってごめ・・・」
ミーシャが家の暖炉の前の椅子に座っていた・・。
「えっ?!なんでミーシャがいるの?!」
(さっき家に帰ったはずじゃ・・・)
「あら、おかえりなさいツカサ。ミーシャがね、今日はうちに泊まりたいそうなの。」
「ミーシャの両親からもよろしくお願いしますって言われたんだ。そのお礼にホラ、鶏肉もらったぞ〜。」
「ほらほらミーシャに挨拶したらご飯にしましょ。」
母さんが俺の背中を押してミーシャに近寄らせる。
「・・・ミーシャ、さっきはごめんね。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「ミーシャ一緒にご飯食べよ。お腹すいたでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
見事に全く反応しない・・・。
らちが明かないと思った俺は、最後の手段を使うことにした。
「ミーシャ、俺、明日からもミーシャと遊びたいな〜〜。」
「ほんと!?・・ほんとに毎日ミーシャとあそびたい!?」
ミーシャは、さっきまでの態度が嘘かの様に 、目をキラキラさせて顔をぐいぐい近づけてくる。勢いと、予想外の展開に完全に押し負けた俺は、
「う・・うん・・。」
(あっ!・・えっ?・・ま、毎日ぃ?!)
気づいた時にはもう遅し。ミーシャはすっかり上機嫌になっていた。
「ツカサご飯食べよ!」
(まぁ、1日2日遊べば満足するだろ・・。)
そうして、俺はミーシャと大量の激苦山菜鍋を食べた。
ちなみに、ミーシャは山菜が食べれるらしく、美味しそうに山菜を食べるミーシャを見て母さんは何故か悲しそうな表情でそれを見ていた・・・。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今日のはかなり短いので夜にもう一度投稿させていただきます。