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第2話、アビリティの選択

魔族になった恩恵の話。


2015/05/10:ステータスのHPを修正しました

雑談スレPart58

1. KK

ここはOWOについて語るスレです

ハイペースで攻略したい人は攻略スレへどうぞ

次スレは>>900を踏んだ方がスレ立て宣言をしてから立ててください


過去スレ:

雑談スレPart1-57

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256. HitMan

最近エルフパーティーをよく見かけるようになったよな


257. 枢木

エルフ族は比較的当たりやすい種族っぽいしな

あくまで人族以外の種族での話だけど


258. サモン

エルフ族になると顔が微妙に美形補正されるよね

あれいいなー


259. 名無し希望

>>258

キャラ作成の時に顔をいじったらよかったじゃんか


260. 名無し希望

人間がヘタにいじると顔のバランス崩れて逆に不細工になるって

だからエルフの美形補正はかなり重要ってことでFA


261. サモン

こっちは獣人族なんかになっちゃて、毛深くて本当に嫌だよー


262. Jin

こんなところにレア種族が!


263. 名無し希望

獣人族だってステータス補正あるだろ

人族には何もないんだぞ!orz






 適当に開いた雑談スレがたまたま種族の話をしていた。これ幸いとばかりに、俺は何食わぬ顔で話題を変えてみることにした。






268. 名無し希望

エルフ族と獣人族以外に種族ってあるのかな?


269. HitMan

>>268

ないだろ

稼動からすでに一週間

ここで新しい種族が浮上したら、その種族どんだけ低確率なんだよって話






 という反応を返されたのだが、魔族という新しい種族がいます、ここに、はい。

 これは他の魔族プレイヤーを探すのはあきらめた方がいいかもしれない。


 幸いと言うべきか、エルフ族や獣人族といった似通ったプレイヤーは存在する。おそらく彼らと人族の違いは、魔族と人族の違いとして適用できるはず。

 ということで、これからWikiさんの種族ページという、エルフ族と獣人族についてわかっていることをまとめているページを参照しつつ、今後の方針を決めていくことにした。




「エルフ族と獣人族の「始まりの街」には冒険者ギルドは存在しない。理由が冒険者ギルドは人間の作った組織だから、ということは魔族の「始まりの街」にもないんだろうな」


 というか、まさか魔族と人族が敵対関係にあったりしたり……しないよな?


「エルフ族と獣人族はチュートリアルクエストを終了させたら、「始まりの街」周囲でレベルを上げ、人族の街を目指すのが得策。人族の街に来ないと、他プレイヤーとパーティーが組めない!? 同じ種族でパーティーを組むか、ソロとして活動することを視野に入れましょう、って」


 つまり俺はソロプレイ確定じゃないですか、ヤダー。


「ただし、悪い事ばかりではありません。エルフ族と獣人族にはステータスボーナスがあり、人族よりもステータスが強化されています。強化されたステータスを生かしてプレイしてみましょう。ちなみに、エルフ族はAgi(しゅんびんち)が、獣人族はStr(きんりょくち)にステータスボーナスが入っています」


 このステータスボーナス、俺はなんとなく理解した。俺のステータスの中に一つだけずば抜けて高い数値のものがある。Int(ちりょくち)だ。IntはMPや魔法攻撃力に関わる数値とみていい。さすが魔族。

 おそらく素の数値が28で(+30)というとことがステータスボーナスにあたるのだろう。つまり、他のが低くて3高くて31なのに対して、Intは58あるということになる。

 まあ、他のプレイヤーのステータスがどれぐらいかわからないから比較のしようがないけど、ステータス的にきっと異常なんだろうなぁ。


 そして、惜しむらくは俺の選んだ職業は魔法職ではなく物理職であるということだろう。正直、IntよりもStrに補正のある獣人族の方がよかった。

 文句を言っても始まらないのだけれど。


「仕方ない。くよくよしていても始まらない。ここはさっさとチュートリアルクエストを進めて人族の街を探そう」


 願わくば、魔族の「始まりの街」のすぐ近くに人族の街がありますように。






 一番上の「ステータスを確認してみよう」のクエストはすでにこなしている。次は、上から二番目の「装備品を着てみよう」をやってみることにする。


 メニュー画面からEquipを選択、すると人の形をしたのっぺらぼうが眼前に表示された。下半身、上半身、右の手首、両手、首、耳、頭がそれぞれ光っている。下半身と上半身が防具、両手は武器、残りはアクセサリーを装備できるようになっているらしい。

 初期装備のまんまの俺はアクセサリーを持っていない。防具は芋魔虫マジック・キャタピラーの服、というのを着ていた。特殊効果はない。


 となるとやることは一つ、武器の選択である。

 ここでやっと万器使い(マルチウェポン)という職業が活きてくるだろう。落ち込んだ気持ちが少し晴れて来て、俺は装備欄を開いた。


 現在、俺が持っている武器は片手剣、杖、弓矢などのオーソドックスなものから、鎌まで……鎌!? ってかこの反応、職業の時にもしたよな。


 いや、反応がどうとか言っている場合ではなくて。

 なぜに鎌? 俺に死神になれってか? っていうか、Wikiさんにも鎌なんて武器のってないじゃないか!


「次から次へと、もう少し俺を休ませてくれ」


 驚き疲れたわ!

 だがしかし、鎌とは何ともかっこいい響きじゃないですか。


 万器使いの強みはその手札の多さだろう。多種多様の武器を使い分けることで、様々な状況に対応することができる、かもしれない。

 とはいえ、生半可に育てれば器用貧乏になること間違いなしの職業である。


 しかし、いくら多種多様の武器を使い分けることができるからといって、何でもかんでも武器を使うわけにはいかない。ある程度は定めていかないと。

 そこでメインウェポンとサブウェポン2つの合計3種類を選ぶことにした。できそうならさらに種類を増やしてみようと思うが、とりあえずは3種類だけでこの世界を旅してみよう。


 さて、肝心なメインウェポンだが。

 これはせっかくなので鎌にでもしてみようかと思う。鎌は武器の中では唯一、中距離攻撃ができる。これをうまく生かせれば、ノーダメージキルなんかも夢じゃない! かもしれない。

 というのも、せっかくこんなに高いIntを持っているのだから、何なら魔法にも手を出したいところなのだ。魔法を使うならある程度敵と距離があった方がいいわけで。鎌なら訓練すれば魔法と併用しながら戦うことができるかもしれない、という淡い期待。


 そしてサブウェポン。

 サブと言うぐらいなのだから、メインウェポンとは一線を画すものにしたいところ。とすれば、魔法職が装備する本なんかがよろしいのではなかろうか。弓という選択肢もあるが、どうせなら魔法を使っていこうぜ?

 サブウェポンはもう一つぐらいほしい。ここは間合いを詰められた時のために近接武器から選択する。俺のステータスではIntに次いでDexが高いから投擲武器なんかいいかもしれない。え? それ近接武器じゃないって? 投げないで持てば近接武器だろ。

 持っている武器で投擲できるやつ、となると投げナイフしか選択肢がないのでそれに決定。


 OWOでは武器を装備してもすぐには現れない。戦闘しようというプレイヤーの意思を感じると勝手に出てくるという仕様なのである。だから街中だからといって武器を装備しない、なんてことはしなくていいのだ。

 というわけで鎌を装備。最後のチュートリアルクエスト「戦闘をしてみよう」で鎌に慣れておく必要があるな。これから長い付き合いになるわけだし。


 鎌を装備するとピロロ~ロンという軽快な音が鳴る。視界の隅にQuest Clear!の文字が出てくる。これでOKっと。






 クエスト報酬は最後に全部もらうことにして、次のクエストへ。次は「日記帳を見てみよう」だったはずだ。日記帳? なんだそれ。

 チュートリアルなわけだからメニュー画面のどこかにあるだろう、と適当に探していると見つけた。Systemの中にDiaryという項目がある。開くと今までのログが出てきた。



■「始まりの街」に到着、今日から異世界での生活が始まる。

■クエスト「ステータスを確認しよう!」をクリアした。報酬を確認してみよう。

■装備品を変えた。似合ってるか?

■クエスト「装備品を着てみよう!」をクリアした。報酬を確認してみよう。



 ログには以上の4つがあった。初めてログインしてからこれまでの俺の行動だ。ほぼ何もやってないな。

 どうやらこの日記帳というのはキーシュ(おれ)の日記という名のログということらしい。キーシュが日記を書くようにログを表示していく意図のようだ。ちなみに、日記帳というだけあって俺自らログに文字を書き加えることもできるらしい。軽いメモがとれるということだ。


 本日三度目のピロロ~ロン。視界の端にはQuest Clear!の文字があるんだろうけど、もう確認するのも面倒だからさっさと次のクエストを済ませてしまおう。






 次のクエストは「アビリティを取得してみよう!」だ。アビリティとはスキルや魔法の総称のことだ。

 メニュー画面からAbilityを選択、するとアビリティ取得の説明文が出てきた。


『AbilityではAbility Pointを消費することでスキルや魔法を取得することができます。消費するAPはアビリティ毎に違いますので、取得の際は十分お気を付けください。また、画面右上の「オススメ」を選ぶと職業やステータスに合ったアビリティを自動で選択します。参考にどうぞ』


 説明文の下には現在俺が取得できるアビリティ一覧が載っている。一覧の上に50APとあるが、これは今使えるAPの総量だろう。そして、試しに「オススメ」とやらを選んでみたが、見事に魔法系ばっかりが候補に挙がっていたので自分で選ぶことにした。

 本当に、ほんっっっっっっっとに、不本意ではあるが、しばらくの間はソロプレイになると思われるので最初に取得できるアビリティはなるべく俺一人で戦闘がこなせるように選択しなければならない。はぁ俺は、防御? 何それおいしいの? と思わず言ってしまうような敵陣に突っ込んでいく前衛職がやりたかったのだが、あえなく断念。


 万器使いだからか、異様に武器スキルが多かった。その中でも俺が使いたい【鎌】は最優先で取得。魔法はあまったAPで考えるから一旦放置して、投げナイフのために【投擲】と【小剣】を取得。それぞれ1APなので3APの消費だ。


 あれ、もしかして意外とたくさんアビリティ取れる? そう思ったが現実はそう甘くなかった。

 おそらく万器使いだから武器スキルの取得APが低いだけなのだ。他のは1つ10APとか、下手すると25APなんてものもある。

 これは慎重に考えないと。


 魔法がほしいな、それもソロなら回復魔法が欲しい。アビリティ一覧の横でWikiさんを開いて回復魔法を探す。むむ? そういえばアビリティ一覧に魔法が【付与魔法(エンチャント)】しかない気がするんだけど。

 Wikiさん読んでわかった。どうも、魔法職以外はほとんど魔法を覚えないらしい。え、そこは魔族だから例外とかないの? ないんですか、そうですか。


 しかし、これにも抜け穴がある。【本】というスキルを取得することで魔法を覚えることができるのだ。なので【本】も取得。万器使い万万歳だな。

 するとアビリティ一覧が伸びた。よし、これで魔法も取得可能だ。


 【回復魔法】を3APで取得。やっぱ攻撃魔法もほしいよね、ってことで【火炎魔法】、【水流魔法】、【地殻魔法】、【風雲魔法】、【光彩魔法】、【闇夜魔法】、ついでに【付与魔法】も覚えたらコンプリートだ。全部3APなので、これで24APの消費になる。

 ん? 前衛職なのに魔法コンプリートしてどうするんだって? いやいやいやいや、前衛職が魔法使っちゃいけないなんて法律ないし。


 残りの22APで戦闘するときの補助スキルを取得することにする。

 ここでよく考えてみよう。鎌を使う上で厄介なことはなんだろうか。鎌は武器の中では珍しい、中距離型範囲攻撃武器だ。要はちょっと離れたところから大勢を攻撃できるわけである。その分、攻撃力が少し下がるのが欠点だ。


 ならば、一時的に攻撃力が上がるスキルとかないだろうか。と探してみればあるある、PS(パッシブルスキル)AS(アクティブスキル)もある。


 その中でも鎌向きのものを発見した。その名も【烏合一閃】というPSだ。パーティー人数×2以上の敵がいる場合、Str+20%される効果がある。つまり、ソロの場合は2匹以上いれば発動するわけである。


 しかも! これに【知力変換】というASを組み合わせれば強力な一撃を繰り出せる。【知力変換】はInt50%分をStrの素ステに上乗せするというかなりチートなスキルだ。素ステに上乗せ、というのがミソで、今の俺で計算すればInt50%分の29が加算されてStrが20+29=49、そして【烏合一閃】で59となる。これだけで軽く元の3倍近く攻撃力が上昇する。

 ただし、このスキルは発動してから10秒しか効果が持続しない。なので攻撃のタイミングと合わせて発動させる必要があるが、これだけの恩恵を受けられるならそんな障害は些細なものだ。


 この2つで20APかかるので、残りは2APのみ。正直、2AP内で欲しいスキルも特にないので、これは次の時に持ち越しということでいいだろう。


「さて、選択したのに間違いはないな? 決定っと」


 ピロロ〜ロン。






 それでは最後のクエスト「戦闘をしてみよう!」を始めますか。


◇Player's Status

 名前:キーシュ (Lv.1)

 種族:魔族

 職業:万器使い (Lv.1)

 HP:400/400  MP:2900/2900

 Str:20

 Dex:36

 Vit:4

 Int:58

 Agi:9

 Luk:3



◇Ability list

・Weapon Skill

【鎌(Lv.1)】【小剣(Lv.1)】【本(Lv.1)】


・Attack Skill

【投擲(Lv.1)】


・Support Skill

【烏合一閃(Lv.1)】【知力変換(Lv.1)】


・Attack Magic

【火炎魔法(Lv.1)】【水流魔法(Lv.1)】

【地殻魔法(Lv.1)】【風雲魔法(Lv.1)】

【光彩魔法(Lv.1)】【闇夜魔法(Lv.1)】


・Support Magic

【回復魔法(Lv.1)】【付与魔法(Lv.1)】






〜New Ability〜


【鎌】(PS):Weapon Skill

鎌を扱えるようになる。

取得すると鎌を装備している時に限り、Strがわずかに上昇する。

万器使いのみ取得可能。


【小剣】(PS):Weapon Skill

小さい剣を扱えるようになる。

取得すると小さい剣を装備している時に限り、Strがわずかに上昇する。

万器使いは初期から取得可能。


【投擲】(PS):Attack Skill

武器を投げて攻撃するのが上手くなる。

投げられる武器の重さはStr依存。

投げる専用の武器を装備していると取得可能になる。


【本】(PS):Weapon Skill

本を魔導書として扱えるようになる。

取得すると本を装備品にすることができ、本を装備している時に限り、Intがわずかに上昇する。

万器使いは初期から取得可能。


【回復魔法】:Support Magic

回復魔法が扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【火炎魔法】:Attack Magic

火属性の魔法を扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【水流魔法】:Attack Magic

水属性の魔法を扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【地殻魔法】:Attack Magic

地属性の魔法を扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【風雲魔法】:Attack Magic

風属性の魔法を扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【光彩魔法】:Attack Magic

光属性の魔法を扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【闇夜魔法】:Attack Magic

闇属性の魔法を扱えるようになる。

魔力を魔法に変換する媒体(杖や本)を装備していると取得可能になる。


【付与魔法】:Support Magic

付与魔法を扱えるようになる。

誰でも取得可能。


【烏合一閃】(PS):Support Skill

スキル所有者の所属しているパーティーの人数×2以上の敵との戦闘に限り、スキル所有者にStr+20%の効果を与える。

Weapon Skill【鎌】取得者のみ取得可能。


【知力変換】(AS):Support Skill

使用してから10秒間、Intの50%分をStrの素ステータスに加算する。

発動後、1分のリキャストタイムが発生する。

Intが50以上で取得可能。





※武器の使用について※

武器はWeapon Skillを取得しないとスキルを使って戦闘できなくなる。

しかし、装備して戦うこと自体はできる。ただし、Weapon Skillを取得していない状態でその武器を使用するとマイナスのダメージ効率が発生してしまう。


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