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恋姫†物語  作者:
「蜂蜜†物語」
11/11

その6《蜀》「恐るべき野望」

(´;ω;`)ストック切れた

「さあさあさあ♪」

「ううう………」 

「ほらほらほら♪」

「うううう………」

「「早く早く早く♪」」

「ううううう………」



此処は成都、蜀の城。


一刀はたんぽぽと翠の二人に追い詰められ、其処にやって来た愛紗はそんな一刀達を見ながら小首を傾げていた。


「う~む?星、何をやってるんだ、ご主人様達は」 

「おお、愛紗か。罰げぇむだそうだ」

「罰げぇむ?」


星はいつものとおりメンマを肴に酒を飲みながら答えた。 


「うむ、以前主が天の遊戯で「とらんぷ」というものを教えて下さったであろう。

ようやく遊び方を覚えたのでな翠が真剣勝負がしたいと言ったら主が

『だったら負けた方が何でも一つだけ言う事を聞くことにしよう』

とおっしゃられてな、天ではそれを罰げぇむと言うのだそうだ」


「そうだよ。さあ、お姉さまが勝ったんだから約束通り「これ」を着てよね♪」

「そうだぜ、約束は守らなきゃな。私だって「これ」を着るのは恥ずかしかったんだからな。さあさあさあさあ♪」


そう言いながら二人は手にしていた服を高々と掲げる。


「なっ!! そ、それは…その服は…その意匠は……」 

「ふふふふふ、見たいのであろう?なあ、愛紗よ」

「あ、あ、愛紗、た、助けて……」


一刀は涙ぐみながら愛紗に助けを求めるが愛紗は愛紗で一刀と二人が手にしている服を交互に見ながらあたふたしている。


「ああ、あう、はああ、(お助けしたい、し、しかし、あ、「アレ」を着たご主人様、是非ともこの目で…)はあううっ!!」 

「なりませぬぞ主よ!! 君主ともあろうお方が約束を違えるおつもりか!!」


助けを求める一刀に向かって星はその態度を諫める様に言うが、実の所はあからさまに楽しんでいるのは誰の目から見ても明らかであった。

もっとも一刀自身はそれどころではなかったのだが……


「……わかったよ、約束だったよな。着替えて来るよ」 

「わかれば宜しいのです。月、それに詠よ!主の着替えを手伝ってやってくれ」

「何いーーー!?」  

「やっと諦めたの?さあ、さっさと着替えに行くわよ!」 

「へう~、ご、ご主人様、準備はできてます。」

「星~~!お、お前…」 

「主では着替えはともかく、化粧は出来ますまい」

「け、化粧だとーーー!!」 

「当然でしょう。何しろ罰げぇむなのですから」

「お、鬼~~~!!」 

「はははははははっ」



こうして抵抗も出来ないまま連行されていく一刀。

大丈夫、痛くない、怖くない、ドナドナド~ナ~。


(おのれ作者め、後(書き)で覚えてろよ)



「くそう、こんな事なら「ゴスロリ」なんて作るんじゃなかった」 

「さあ、さっさとしなさい!」 

「こっちですよ、ご主人様♪」

「なんで月はそんなにノリノリなんだ?」  


そして着替えの為に別室へと連行された一刀は、準備されていたゴスロリ服を見るとその完成度に目を見張った。


「さあ、さっそく着替えるわよ」


(くう~~。この服、桃香に着せたら似合いそうなのに、何で俺が着る羽目に)


服を見ながら冷や汗を掻く一刀に月は黄金色に怪しく輝く液体を差し出した。


「喉が渇いたんじゃないですかご主人様?コレをどうぞ」


何かと一杯一杯だった一刀は“ソレ”を何の疑いも無く飲み干した。


「ありがとう月。ゴクゴク……うっ、なんだか体が熱く……」 

「疲れてらっしゃるんですね。後は私達に任せて休んでらして下さい」

「そうさせてもらうよ、…あまりやり過ぎないでくれよ?」 

「はい、お任せを。クスクス」


そんな月の笑い声を聞きながら眠りに着いた一刀であったが、その体は自然の摂理の如く「変わっていく」のであった。(笑)

そして其処に小さな二つの影が近づいて来た。



「はわわ、どうですか?」

「あわわ、うまくいきました?」 

「はい、成功です」

「翠さんには感謝ですね。まさかこんなに早く機会が来るとは」

「でもこれで次の新刊も…。楽しみだね、朱里ちゃん、月ちゃん。クスクス」 

「「そうですね、クスクス」」 


そんな三人を横目で見ながら詠は申し訳なさそうに一刀に語りかける。


「……さすがに可哀想だと思うけど悪く思わないでよ、まあ元がアンタなんだしせいぜい笑い話のネタに……えっ?………ウソ!!」


その姿に愕然とする詠の傍で「蜂蜜」は怪しい光を放っていた。  






~その頃の魏~


玉座の間で軍議が行なわれている時、魏の国主である曹操は突如として立ち上がる。



「これから蜀に行くわよ!!」

「い、いきなりどうなされたんですか華琳様?」

「わからないけど、どうしても行かなけりゃならない気がするのよ!!」

「華琳様もですか~。風もです」

「しかし、今は呉との闘いが控えている大事な時、蜀に行っている場合ではありませんよ」

「でもでも~~、稟ちゃ~ん…」

「でもじゃありません」

「華琳様、何があるのかは解りませんが今は我慢してください」

「風、貴女もですよ」

「くうううう~~~~!!」

「ううううう~~~~!!」

「「ち、血の涙!! 一体蜀で何が……」」





そして再び成都~


ガヤガヤ


玉座の間では一刀の「ゴスロリ」姿のお披露目と言う事で全員が集まっていた。


「ご主人様の「ごすろり」か~、どんなだろうね~」

「楽しみなのだーー!」 

「コクコクッ」

「ふんっ!ち○この無様な女装を思いっきり笑ってやるのです」

「同感だな」


桃香、鈴々、恋が楽しそうにしていて、ねねと焔耶は何時も通りに悪態を付いている。

そんな中で朱里と雛里は何を言うでもなく、ただ其の時を待っていた。


「……」

「……」


ガチャリッ 


そして扉が開き、詠は何やら人生に疲れたサラリーマンの様に項垂れたまま扉から入って来る。


「……ただ逝ま…………」  

「おお、ようやく着替えが済んだか……どうした?」  


そんな詠を不思議そうに見ていると扉の向こう側から月達の声が聞こえて来た。


「さあさあ早く、みんなが待ってますよ♪」

「どうしても行かなきゃダメ?」 

「もちろんダメです♪」

「うう~~っ」 

「はうう~~も、もうこれは刀じゃありません、姫、姫です!一刀様ではなく一姫様です!!」

「うにゃ~~」  


「……な、何が、扉の向こうで何が起きているのだ?それに何やら主の声が変だぞ」 


「みなさ~~ん♪お待たせしました、私達のご主人様、一姫様で~す♪」

『一姫様?』



コツコツコツ………


もはや諦めたのか一刀(一姫)はゆっくりと玉座の間に入って来た。


『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』



その姿を見て全員の顔に驚愕が走る。


「へ、変じゃない?」


桃園三姉妹は……


「うにゃ~~~~~~~~~~~あ!!」

「はにゃ~~~~~~~~~~~あ!!」

「ふにゃ~~~~~~~~~~~あ!!」  




恋とねねは……


「…ねね、恋なんだかヘン。胸がドキドキして体が熱い」

「そ、そそそそそそうですか?ねねも別にドキドキしてますが?」



たんぽぽと翠は……


「ど、どうしようお姉さま。ご主人様綺麗すぎるよ」 

「お、思いっきり笑ってやろうとしてたのにこんな事になるなんて」  


星は……


「な、なんと、美しい」


璃々に紫苑と桔梗は……


「ご主人様きれーーい♪」

「まあまあ、ご主人様ったら」

「ほほう、これはなかなか…むっ!い、いかん!焔耶は!?」





焔耶は…


「・・・・・・・・・」

「ほっ、落ち着いておるようじゃな。気の回し過ぎだったか」


一姫の姿を見ても何の行動を起こさない焔耶に桔梗は一安心するが……


プチンッ


「ぷちんっ?」


紫苑の耳に“ナニカ”が切れた音が聞こえた。


「ほああああああああああああああああああああああああーーーー!!」


「な、何だ!…焔耶?」

「いかん、やはり駄目であったか」


「お館ぁーーーーーーーっ!!」


目にも止まらぬ速さで焔耶は一姫に襲いかかる。


ガバアッ


「な、え、焔耶落ち着け、俺は一t、ムグゥッ、むぅ~~~…うう、ぷはあっ!おちつ…、ひゃあんっ」


一姫に抱き付いた焔耶はその唇を奪い、そして体中を撫で回す様に触りまくる。


「ガルルルルルルッ」

「ふああ、や、やだそこ…きゃうっ、ゆ、指がはいっ……て…」

「落ち着かぬかーーーー!!」


一姫を襲いまくる焔耶の頭上に桔梗の鉄拳が勢いよく襲い掛かる。


「ぐはあっ!!」


ようやく焔耶から解放された一姫に桃香か駆け寄る。


「ご主人様、ご無事?」

「う、うん、大丈夫だけど……あれっ?…何で指が入って来るなんて……」


そんな一姫を見ながら、青ざめたたんぽぽは頭に浮かんだ疑問を口にする。


「ご、ご主人様、ひょっとして本当に女の体に?」

「えっ?えっ?えっ?な、何で?」

「お、お兄ちゃんが……お姉ちゃんになっちゃったのだ……」 

「こ、これは面妖な……」

「ご、ご主人様~~」





「ふしぎですねえ~~」

「これはいったいどういうことでしょう」 

「なにがげんいんで」


朱里、雛里、月の三人はしれっとした感じで呟き、呆然としていた一姫はついに泣き出してしまった。


「な、何で、何でこんな事に…ふえ、ふええええ~~~ん!」

「大丈夫だよご主人様、私がついてるから。あっちでゆっくりお話ししよ?」

「う、うん。ひっく、ひっく、ありがと、桃香」

「どういたしまして」


そう言って一姫を連れて行く桃香、その後をこっそりとついて行く三人。





桃香達が部屋を出て行くと、愛紗は……


「ご、ご主人様が……無いのがあって、あるのが無くて…ふう」


バタン


と、気絶してしまった。


「愛紗ちゃん!しっかり」

「衛生兵ーー!衛生兵ーー!」  


倒れ伏した愛紗を紫苑が介抱し、桔梗が衛生兵を呼ぶ。


「…ブツブツ……(何であいつの方が大きく)…ブツブツ……」


詠は未だに一姫(一刀)との胸の差にショックを受けたまま、床にのの字を書きながらいじけていて。


「……きゅう~~~」


焔耶は桔梗に殴られたままのびている。


「お姉さま~、どうしよう?」 

「どうしようたって…どうすりゃいいんだ?」  

「ご主人様、きれいだった…ポッ」

「恋殿の方がすこs…いいえ、ず~~と綺麗ですぞ」



―◇◆◇―


「作戦通り上手く言ったね雛里ちゃん」

「これで次の新刊も万全だね朱里ちゃん」 

「八百一本もいいけどこっちもいいでしょ?」

「そうだね月ちゃん。ドキドキしましゅ」

「それにしても、まさか桃香様がタチだったとは……、それもあんなに激しく…。あわわ」 

「ご主人様はやっぱりネコだったね」

「さあ、雛里ちゃん、月ちゃん。さっそく執筆作業に入りましょう!」

「「おーーーー!!」」



後日、その本は即売会で伝説を作ったといふ。




~後日談~



「じゃあ、一姫ちゃん。今日もお仕事頑張ろうね♪」

「うん、ご主人様」


何時の間にやら主従が逆転している二人の姿が蜀の地で見られたという。




ドガアアアン!(ドアを蹴破った)


一刀「ど~~こ~~だ~~」


「ムームームー」


一刀「ん~~~」


猿轡をされ、簀巻きになっている乱B.


傍らにメモが置いてある。


『今回の話はすべてBの独断であり我らは関与してません。Bは置いて行くのでご自由に持って逝って下さい。A、C、D」


一刀「だ、そうだ。じゃあ逝くぞ」


乱B「ム~~~~~!」(いや~~~~~!)


一刀「ドナドナド~ナド~ナ~」


乱B「ム~~~~~~~~~!」


ギイイイイイイイイ、バタン。



お死ま逝

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