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Prologue〜hero side〜

汝の敵を愛し、汝らを責むる者のために祈れ。ーマタイ五章四十四節ー


運命など、信じたこともなかった。

あるのはただの必然。

全ての事象は起こるべくして起きたのだ。

だから、どんなことが起ころうとも運命を感じたことなど、無かった。


昨夜降り出した雨は、朝になっても止むことはなく今もアスファルトの上を跳ね続けている。

弱くもなければ強くもない、一定のリズムで降り続ける雨は、この時期を象徴しているようだった。

高校2年の6月、俺は高校生活で5度目となる転校初日を迎えていた。

「長谷川孝輔です。こんな時期に転校してきたからって宇宙人だとか異世界人ではないので、怖がらずに仲良くしてください。」

教室がざわつく。

担任の前田、性別男35歳独身を横目で確認。

笑顔だ。

このくらいの冗談は許容範囲内らしい。

これはいい手応えだ。

人間は基本的に初対面の人間の前で感情を表に出したくない。

感情を表に出すようなことをすれば心にスキが生じる。

だから、初対面の人間のような警戒すべき相手の前では笑ったりしにくいのだ。

それを考慮に入れれば、教室がざわついたことはそれなりに評価してもいいはずだ。

5度目ともなれば、上手くもなる。

俺の人生で6校目である、沖宮高校での出だしは上々だ。

半年もしないうちにこの場を去る予定であるとはいえ、潤滑に学校生活を営めるに越したことはない。


今までの5校と同じ、数ある高校の中の1つでしかない平凡な高校。

この学校でも今までと何も変わらない生活を送るのだろう。

このときはまだ、そう思っていた。

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