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序章

大学一回生の春、私は自虐倶楽部なるサークルに入った。


活動内容はシンプルである。


気まぐれにどこかに集まっては自虐ネタを披露し、また酒やら肉やらを食って呑んではっちゃけたりするというサークルである。


今まで、勉強一筋で恋人も親友も作らずに生きてきたこの孤高の乙女は、遂に念願の親友を作るべく、幸運なことに一度も浪人せず、京都府の某有名大の農学部の一回生になった四月、閉ざしていた他人への扉を開くことを決めたのである。



それにしても、だ。


現在、あれから三ヶ月経ち、七月の上旬になるが、先天性の生真面目症候群である私が、あのようなふざけたネーミングのサークルに入ったのは、中学の頃に初の中間テストの緊張のため、筆記用具を全て忘れたのより六倍は重大なミスであると思われる。


私が自虐倶楽部で出会った変人の数々を紹介しよう。


まず、灯籠坂鋭次。


まず、平日に京阪三条駅の近辺を片方だけ紐のついたリュック(?)を背負ってぶらぶらと歩く、身長百八十五センチ以上、肌は黒く、全身の筋肉が木の幹の表面のようにミシミシと音を立てるように盛り上がり、ルックスだけはいいが脳髄までが横紋筋で出来ているという噂が立つほどの(噂を広めたのは私だ)阿呆だ。一度浪人しているので私より一歳年上の十九歳である。



次に、狩沢弥次郎。


どういう流行か髪を真っ白に染めており、自虐倶楽部の中では身長は栄治の次に高い。


普段は冷静にしているが、読書や研究カビとかのを邪魔されると、遠心分離機等常人の力では到底持ち上がらないものを投げ付けてくる未確認生命体である。 

 京阪祇園四条近辺でよく見かけるが、まるで宇宙の彼方から来た昆虫星人との会話のようになるため、無視して欲しい。 




次に、江見谷荷昼。


我がサークルの私を含む二人の女性の一人。二回生にして、我がサークルの独裁者。


ウェーブのかかったブラックのロングヘアーをした背の高い、美形なのに常に悪巧みをするせいで爬虫類のような顔つきをした女を東福寺近辺で見かけたら無視してほしい。


舌の先から毒液を吐くからである。



そして私、芹沢静夢。



根暗なガリ勉生活から脱却すべくサークルに入ることを決意した未来への希望に溢れる十八歳である。


身長百四十六センチちょうど、ロングストレートの黒髪を風になびかせ歩く美少女を鴨川のあたりで見かけたら私である。


自嘲癖があるのが悩みだが、『たまたま狂疾によって』自虐倶楽部に入部してしまった。


まあ、他にもカオスな人々が何人か出てくるとおもうが、とにかく物語を始めようと思う。


次章からになるが、なるべく脚色せず、私と阿呆たちの阿呆な学生生活を描写していこうと思う。


異世界やテロや戦争やエスエフといったふざけたものは登場しないため、期待しないで頂きたい。


それでは、自虐倶楽部、始まり始まり。




今回から、積極的に感想を募集してみようと思います。


どういう表現が気に入ったとか、どこを治すべきとか、そういった八百万の感想をお待ちしています。

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