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さますけ、花子さんになる

ガラス割れと肝試しさますけ(花子さんの身体)は、夜の校舎を巡る。華奢な身体にセーラー服が揺れ、長い黒髪が月光に映える。突然、旧校舎の廊下でガラスが割れる音が響く。続いて、男の声が叫ぶ。


「花子さん!花子さん!花子さん!」


ガサツで、どこか楽しそうな口調。さますけの胸に、自分の軽率さが蘇る。


さますけ『うわ、ガラス割った!?バカな男、肝試しに来やがったな。俺と同じじゃん…。でも、今は俺が花子だ。』


さますけは花子さんの真似を決意。冷気を操り、廊下に白い霧を漂わせる。鏡移動で近くの教室の鏡に瞬間移動し、男の背後に現れる。セーラー服の裾を整え、女らしい微笑みを浮かべ、花子の可愛い声で囁く。


さますけ『ふふ、名前、呼んだ?私、花子さんよ…。』

少年は振り返り、悲鳴を上げる。

さますけは冷気を強め、少年の足元を冷やす。幽霊らしい不気味さを演出。少年は逃げ出す。


さますけ『逃げなさい。怖がらせるだけで、十分よ。』


少年が校舎から逃げるのを確認し、さますけは胸を撫で下ろす。


さますけ(花子さんの気持ち、ほんと、わかってなかった。バカにされるの、めっちゃイラッとするな…)


さますけは穏やかに微笑み、女らしい口調を使う自分に苛立ちを覚える。日が経つにつれて少しずつ女らしくなっている気がする。花子が来たので相談した。


さますけ『花子さん、ねえ、昨夜のこと、話したいな。昨夜、肝試しに来たバカな男がいてさ。ガラス割って、花子さんの名前呼んでたの。俺、花子さんの真似して。逃げてったけど、怖がらせるだけで十分だった。バカにされる側、ほんとイラッとする。花子さんの気持ち、何もわかってなかった。』


花子さんは感心したように頷く。


花子さん『さますけ、すごいじゃない。バカにされるの、腹立つよね。50年、ずっとそんな感じだった。…でも、あんた、優しいね。怖がらせただけなんて。』


さますけ『おう。ねえ、花子さん、ちょっと恥ずかしいけど…この胸、いつからこんな大きくなったの?肩、こるし、重くて、呪いみたいだ。でも、花子さんの身体の一部だから、大切なおっぱい、ちゃんと大事にするね。』


赤面し、胸を軽く押さえる。俺、何言ってんだろう。花子さんは笑いながら答える。


花子さん『胸?…中学3年くらいから、だんだん大きくなったかな。急成長ってほどじゃないよ。…肩こり、わかる!…でも、さますけ、気遣ってくれて、ありがと。…大事にしてね。』


さますけ『…ねえ、花子さん、幽霊でも水泳、できるのかな?水着、男ものと女もの、どっちがいいと思う?生前、泳げた?どうなんだ。』


花子さんは少し考え、答える。


花子さん『水泳?幽霊でも水に浮かべる。冷気で水、凍らせちゃうかも!水着?女の子の身体だから、女ものかな。スク水、似合うよ、きっと。…生前?…泳げたよ。音楽部だったけど、夏はプール、楽しかった。さますけも夜のプール、行ってみなよ。』


さますけは赤面し、更衣室の不安を打ち明ける。


さますけ『水着、女ものかよ。でも、更衣室、なんか視線感じるんだよね。…お化けかな?…身体、見られるの、めっちゃ恥ずかしいし、抵抗あるよ。俺今日、変だな…。』


花子さんは優しく笑う。いつにも増して優しく不気味だ。


花子さん『視線?お化けじゃないよ、たぶん、七不思議の気配かな。更衣室、恥ずかしいよね。私も生前、視線感じるとドキッとした。でも、さますけの身体、隠したい気持ち、わかるよ。無理しないで、慣れて。』


さますけ『ねえ、花子さん、俺の身体で立ちションしてる?。』


花子さん『…立ちション!?…さますけ、ほんと男っぽいね。うん、したよ!自由な感じ、楽しかった!でも、恥ずかしかったかな、ちょっと。時間だ。じゃあね』


その日を境に花子さんは現れなくなった。互いに心まで浸食されたのだ。


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