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花子さん、不良男子になる

50年間、女子トイレに縛られてきた。孤独に耐えてきた。暗い個室、冷たい空気、古い鏡、何もない静寂。7月3日の夜、私を呼ぶ声が聞こえた。


さますけ『おい、花子さああん!いるなら出てこいよ!ハハ、こんなオカルト、ガキの遊びだろ!


騒がしい声。ガサツでどこか楽しそう。苛立ちが湧く。


目の前にいるのはがっしりした男子高校生。軽率さに腹が立つが、彼の生き生きした瞳に、50年ぶりの生を感じる。


花子さん『あんた、誰?私の名前、遊びで呼んだの?』


花子さん『ふふっ、呼び出したのは…あんた?ずいぶん粗野な男ね。夜の学校に何の用?』


左馬助は一歩下がるが、強がる。


さますけ『お、お前…マジで花子さん?ハハ、コスプレ気合い入ってんな!この左馬助様と同じくらいの歳か。彼女にしてやってもいいぜ。他にもコスプレ仲間が隠れてんだろ?出てこいよ!』


花子さん『仲間?いないわよ。あんた、知ってる?このトイレで私の名前を呼ぶと、呪われるの。…試してみる?』


私が微笑む。


さますけ『あ?なんだよこれ。鏡が…おい、やめろ!』


花子さん『あんたが始めた遊びでしょ?終わりは私が決めるわ。ねえ、左馬助…私の身体使ってみない?』


私が手を伸ばすと、さますけの視界がぐにゃりと歪む。次の瞬間、さますけは激しい目眩と共に意識が落ちる。さますけの驚いた顔、生きている身体に羨ましさと怒りが混じる。呪いの力で彼の意識を私の身体に移す。私はさますけの身体へ。瞬間、自由が手に入る。早速、校庭へ出て走り出す。


花子さん『…自由だ。風の匂い、音、生きてるってこんな感じだったのね。』


ポケットに入っていたスマートフォン?というものを使い、どうにかさますけの家に向かい、お母さんの食事を堪能した。


花子さん(家族か。いいな。懐かしい。私にはもういない。)


カレーを食べながらそんなことを考えた。その後、お風呂で男の人の身体を観察させてもらった。寝る時は股間に違和感あるけど生き返れてよかった。


2日目の夜、女子トイレに呪いの力で鏡から顔を出す。私の身体がいる。セーラー服が乱れ、長い黒髪が揺れる。私の身体がガサツな動きでうろつく姿に違和感と可笑しさがある。笑いをこらえた。軽くからかって下着に注意を向けさせた。



3日目

さますけが謝ってきたが身体を返すつもりはない。やっと自由を手に入れたのだから。何やらピアノも弾いていたようだ。このまま幽霊の女の子として彼には歩んで欲しい。死んでいるから人生とは言えないけど不良だし、報いだろう。面白いのでからかった後、下着姿にした。


4日目

海に行く夢を語った。さますけは私に興味を持っている。人間少しは変わるものね。屋台のラーメン食べたりした。何気ない日常が今の私にとってとても幸せなこと。

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