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珈琲を焙煎してたら恋琲になっていました  作者: エンザワ ナオキ
住み込みバイト編

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第80話 由宇希の恋路

「つばさ、蜜柑はお前のことが好きなのか?」


 由宇希の震える声が、静かな夜道に響く。

 背中からは、蜜柑みかんが「ん……」と小さく寝息を立てた。


 彼女は恐らく、由宇希が自分に好意を持っていることなど微塵みじんも気づいていない。

 だからこそ、酒の勢いに任せて、一番言ってはいけない相手に愚痴をこぼしてしまったのだろう。


「う、うん……実はそうだったんだ」


 これ以上誤魔化すことはできない。

 俺は足を止めず、前を向いたまま正直に答えた。


「な、なんで言ってくれなかったんだよ」


 背後で、由宇希の足音が止まる。

 振り返ると、彼は悔しそうに地面を睨みつけていた。


「ご、ごめんね……でも、俺は本当に、由宇希の恋路を純粋に応援したかったんだ……」


「……」


 弁解のしようがない。

 由宇希の恋路を応援したかったのは、真実である。

 だが、俺の浅はかな行動が、彼を深く傷つけてしまった。


 二人の間に、重苦しい沈黙が落ちた。

 聞こえるのは、気持ちよさそうに寝ている蜜柑の呼吸音のみ。


「……そんなの、今は素直に信用できない……けど」


 しばらくして、由宇希が顔を上げた。

 彼は言葉を詰まらせながらも、力強く話を続ける。


「つばさが返事をしていないってことは、まだチャンスはあるってことだよな」


 無理して作ったような、引きつった笑顔。

 

 それでも、由宇希は逃げなかった。

 親友であり、強力な恋のライバルである俺に対して、決して諦めないという意志をぶつけてきたのだ。


 「……ああ。そういうことだ」


 気が付くと、実家の前に付いていた。

 俺は実家の玄関の前に立ち、由宇希に向かって静かに頷いた。


「とりあえず、外も冷えるし、実家に入りな?」


 俺は、まだ納得していない由宇希を実家に招き入れた。

 これから、もっと詳しく説明しなくては……。


 万が一に備え、実家のカギを持ってきてよかった……。


最後まで読んでいただきありがとうございました!


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