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珈琲を焙煎してたら恋琲になっていました  作者: エンザワ ナオキ
住み込みバイト編

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第75話 桃果ちゃんとデート再開

 達也と春風さんからの助言が、俺の目を覚まさせてくれた。

 二人に出会わなければ、気付くことがなかった、桃果とうかちゃんの気持ち。

 恐らく、彼女をただの協力者として扱ってしまっていただろう。


 俺は、〈尾行〉という不純な目的を捨て、この瞬間から、桃果ちゃんと真剣に向き合うことを心に決めた。


 レストランでの食事を終え、俺たちは店の外に出た。


「よし、じゃあ私たちはこれでおいとまするね」


 春風さんは、店を出て早々に、達也の腕を引いた。


「あれ、帰っちゃうんですか?」


「そうだな、えっと……桃果ちゃん……だっけ? つばさは一つ集中すると、そこしか見えなくなる不器用な奴だからさ。大変だと思うけど、仲良くしてやってください」


 達也が、桃果ちゃんに微笑みながら話した。

 その言葉は、俺の痛いところを的確に突いていた。


「達也と春風さん。……色々とありがとう。また今度遊ぼうな」


「いいね! つばさくん……しっかりね」


 春風さんが俺にウィンクをする。

 達也もにやりと笑いながら、俺の背中を叩いた。


春風なっちゃんのウィンク見れて、つばさは幸せ者だね」


「な、何言ってるのよ……」


 二人は手を繋ぎ、イチャイチャしながら、専門店街に消えていった。

 二人は嵐のように現れ、そして嵐のように去っていった。

 残されたのは、俺と桃果ちゃんの二人だけ。


「あ、あの……お二人とも、いい人たちですね」


「え?」


「だ、だって、この状況を客観視したら、今のつばささんは完全に〈女たらし〉ですよ? そう思わないで状況を理解してくれるなんて、相当つばささんのことを信頼しているんだと思います」


 ……痛いところを突く。

 確かに、今日の説明を他の友達にしたら、まず信じてもらえないだろう。


「そ、そうだね……本当にいい奴らだよ」


 桃果ちゃんは、コクリと頷いた。

 訪れる少しの沈黙……気まずくなる前に、まずは桃果ちゃんに言うことがある。


「桃果ちゃん」


「は、はい」


「今日は、本当にごめん。俺の勝手な行動に付き合わせちゃって……それに、嫌な思いもさせた」


 俺は誠心誠意、深く頭を下げた。


「い、いえ! 私は、一緒に映画見れて楽しかったですよ」


 桃果ちゃんは慌てて手を振るが、その健気さが逆に今の俺には痛い。

 俺は顔を上げ、彼女の瞳を真っ直ぐに見つめた。


「これから、他のことは何も考えず、桃果ちゃんの買い物に付き合いたい。もう、夕方になっちゃったけど、良ければ付き合ってほしい」


 しばらく、二人の間で沈黙が続いたが、桃果ちゃんは、少し微笑みながら、口を開く。


「わ、私が行きたいって言ったところ、覚えていますか? 覚えていたら、デート続行します」


 試されている。

 でも、今の俺には自信があった。桃果ちゃんの言葉は、ちゃんと覚えている。




「桃果ちゃんに似合う洋服、探しに行こうか」


 俺の言葉に、桃果ちゃんは一瞬きょとんとした後、パッと花が咲くような笑顔を見せた。


「……はい! 私に似合う服、しっかりと選んでくださいね!」

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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