第62話 友人来訪
俺は、雫ちゃんにPV映像を見せた後、まるで干物になるかのようにぐっすりと二度寝をしていた。
「コンコン」
部屋をノックする音が、ぼんやりと聞こえてきた。
「はぁーい」
眠い目を擦りながら、カーテンの方を見る。
――良かった……まだ外は明るい
安堵しながら時計を見ると、午後3時。
あれから4時間近く寝ちゃったのか……。
1日を無駄にした感が凄まじい。
「つばさー? 部屋入るよー?」
声の主は、前半のバイトを終えた、蜜柑であった。
「どうした?」
「今、下に由宇希くんが来てるんだけど、つばさに会いたいって」
「え? 由宇希が?」
由宇希は、専門学校の同級生であり、今回の商店街のコンテストにも応募している人物だ。
一緒にゲームは時々していたが、実際会うのは、かなり久々である。
「由宇希、何か用かな?」
「用事というより、連絡しても繋がらなかったから、バイト先に直接来たみたいだよ」
そういえば、最近は作業に没頭していて、携帯をほとんどいじっていなかった。
それどころか、通知に邪魔されないよう、基本マナーモードにしていたのを思い出す。
「なんか、相談があるって言ってたよ」
「そ、相談?」
何の相談だろうか。
由宇希が他人に相談を持ちかけるなんて滅多にない。
そんな彼がわざわざ足を運んできたということは、かなり重大な悩み事なのだろう。
◇
俺は急いで着替え、1階の店内へと向かった。
「よぉ、つばさ」
「よう! 元気だったかー」
由宇希がカウンターの席で、蜜柑が淹れた珈琲を飲んでいた。
俺は一瞬にして、由宇希への違和感を覚えた。
「由宇希……お前……何でそんなにオシャレなんだ」
由宇希は、ものすごいオシャレな服装をしている。
由宇希の夏の標準装備は、無地のTシャツにズボン、ノートパソコン入りのリュック。
それが配信者の必需品だったはずだ。
しかし、今日は違う。
ちょっとオシャレなブランドのポロシャツに、最近トレンドのズボンを履いている。
まるで、デートに行くかのような格好である。
「実は俺……告白しようと思っているんだ」
「こ、告白?」
最後まで読んでいただきありがとうございました!
由宇希の告白の相手とは……。
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