第58話:番外編 雫ちゃんは、縁起を担ぐ?
「もう一度、お願いします!」
「浦島さん……次がラストだよ?」
雫ちゃんは、田嶋先輩に何度もオセロ対決を挑んでいる。
「黒いコマばかりだから負けるんだ……次は白いコマでやらせてください」
……結果は、完敗
「角を簡単に取られないように、その隣のマスにはなるべく置かないようにするんだよ」
俺も、必要最低限のアドバイスを雫ちゃんに送る。
「わかってるよ…」
……結果、またもや角を四隅すべて取られて、ボロ負け
何故こんなにオセロに固執するのか……ただの負けず嫌いなのか……。
俺は、いじける雫ちゃんに、買っておいたクッキーを差し出した。
「ほら、これを食べて一旦心を落ち着かせたら?」
「つばさくん! このクッキー嫌味なの?」
「え? 嫌味?」
俺はふとクッキーを見た。
それは、真っ黒なココア生地に、真っ白なバニラクリームが挟まった……クッキーであった。
今、雫ちゃんが使っている白色のコマ。
そして、盤面を埋め尽くしているのは田嶋先輩の黒色のコマ……。
クッキーに挟まっている色と同じ……。
このクッキーの配色は、まさに今の絶望的な盤面そのものではないか。
「縁起が悪いから、いらない!」
クッキーを拒否されてしまったのであった。
「じゃあ、そのクッキーは俺が貰うね~」
そう言い、田嶋先輩がクッキーを一口で平らげた。
その姿を見て、更に雫ちゃんは、闘争心に火が点き、何度も、何度も挑み続けるのであった。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけたら、下の【☆☆☆☆☆】から評価やブックマークをいただけると、執筆の励みになります!




