第49話 照明へのこだわり
「つばさくーん?」
俺は、あの文化祭を思い出していた。
すると、桃果ちゃんに袖を摘まれた。
「あ、あのー? 西城さん? 呼ばれてますよ?」
「あ、ごめんごめん……。ちょっと、ぼーっとしちゃって」
俺は慌てて、桃果ちゃんに返事を返す。
「大丈夫ですか?」
桃果ちゃんが、不安そうに俺の顔を覗き込んできた。
「うん、ありがとう! 大丈夫だよ、桃果ちゃん」
「何か、心配事ですか?」
桃果ちゃんが心配そうに見つめてくる。
桃果ちゃんにこの話をしたら、きっと嫉妬してしまうだろう。
「なんでもないよ」と小声で呟き、呼ばれた蜜柑の元へ向かった。
「ここの明かりがさぁ、ちょっと暗い気がするんだよね」
「うん? そうか?」
「うん、撮ったの見てみてよ」
俺は蜜柑が撮ったばかりの、カレーの映像を見た。
正直、暗いかどうか、俺には正確な判断がつかなかった。
「うーん、確かに暗いか??」
「つばさくん、全然分かってないでしょ」
蜜柑に図星を突かれる。
正直、撮影関係は苦手な部類である。
「ほら、こことか影になってて見えなくない?」
「うーん? 確かに?」
蜜柑が指を指して、具体的に教えてくれる。
「つばさくん、私でもわかるよ? これじゃカレーの具材が綺麗に見えないわ」
雫ちゃんでも分かるようだ。
「暗いんじゃ、良い動画は撮れないよね」
「そうだ! 蜜柑、角度をこう変えて、こうやれば良いんじゃない?」
「おぉー! 天才だね、雫!」
雫ちゃんと蜜柑が、2人で楽しそうに試行錯誤をしながら、撮影を続けている。
彼女たちに任せれば、良い映像が出来そうだ。
「それなら、ここは2人に任せて、俺は2階に戻って、テロップの構成とか他の素材の確認をしてるね」
「はーい、任せて!」
「良い素材を届けるね!」
俺は2人の素材に期待しつつ、自室へ戻った。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
写真は、暗くても明るくてもうまく撮影出来ないときありますよね。
撮影は、本当にセンスが必要です。
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