第45話 住み込みバイト 〜仲良くなった2人〜
俺は、雫ちゃんと蜜柑がお風呂から上がり、夜ご飯を4人で食べる。
俺は食事中に、どういう構成の動画にするかを伝えた。
「つまり、最初の10秒ぐらいを店の店内の様子、次の20秒を使って、料理の魅力を叩き込む……ってことね?」
雫ちゃんが俺の意図を正確に読み取ってくれた。
最初に雰囲気の良い店内を紹介し、その後の時間をフルで、料理の紹介をする。
CMや広告などで惹かれるのは、やはり美味しいご飯が映るとついつい見てしまう。
この店の料理を最大限に紹介しつつ、店内の雰囲気を伝えたいという願いを込めている。
「蜜柑は同業者としてどう思う?」
俺は、蜜柑に率直な意見を求めた。
「うーん、いいと思うよ。食べ物が映ったら眺めてしまうのもわかるし」
「そうだよね!」
ちょっとホッとした。
やはり、同業者の意見はしっかりと聞きたい。
「それなら、早速料理を作らなきゃだね!」
「え? もう9時だよ?」
雫ちゃんは、既に料理を作る気満々で立ち上がろうとしている。
時刻は既に夜9時。
桃果ちゃんが作ってくれた夜ご飯をみんなで食べている途中。
胃のキャパもオーバーしてしまう。
「だって、時間無いんでしょ?」
「まぁ、それはそうなんだけど……」
「それなら、すぐ作るよ。明日の朝ご飯と夜ご飯にも出来るでしょ?」
雫ちゃんの行動力が素晴らしい。
確かに、そういうことであれば、作ってもらっても問題ないか。
「そういうことなら、試しに撮影してみようか」
「撮影なら、私にまかせてよ! 編集よりこっちの方が得意だし」
そう言って、蜜柑が名乗り出た。
「蜜柑撮影よろしくね!」
「まかせて! 雫!」
気がついたら、2人とも下の名前で呼ぶ仲になったのか。
「じゃあ、撮影は蜜柑に任せるよ」
「まかせて、イメージだけ教えてね。 つばさの思い描くイメージをきっちり撮影するから」
俺は、撮影全般を蜜柑に任せることにした。
「ま、まずは、夜ご飯を食べきっちゃいませんか? 冷めたら美味しく無いですよ??」
「そ、そうだね!」
桃果ちゃんが、困った顔で3人を見つめていた。
そうだった、今は食事途中だった。
「ごめんね! 桃果ちゃん! 頂きます!」
俺たちは、食事を用意してくれた桃果ちゃんに感謝しながら、改めて夕ご飯を堪能した。
食事が終わったら、本格的な動画作成が始まる。
「みんなで力を合わせて、最高の作品を作ろう」
3人は小さく頷いたのであった。




