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珈琲を焙煎してたら恋琲になっていました  作者: エンザワ ナオキ


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第36話 住み込みバイト 〜食事〜

 住み込みバイト初日の夜のご飯の時間。


 蜜柑みかんと雫ちゃんが正面に座り、隣には桃果とうかちゃんが座ってる。


 食卓には、生姜焼きとフルーツサラダを中心に、様々なおかずが並んでいる。


「いただきます!」


 いただきますの掛け声を終えると、4人が料理に手を伸ばす。


「まずは、生姜焼きから頂くね!」


 俺は、最初はメインディッシュの生姜焼きに手を伸ばし、一口食べた。

 口の中に、醤油と生姜の風味が広がる。

 味付けも焼き加減も、文句の付けようがない。


「桃果ちゃん! すごく美味しい!」


「店で出せるレベルだよ!」


 雫ちゃんと蜜柑も絶賛する。


「うん! 美味しい!」


 俺も面白みのない感想を言う。


「に、西城さん、味薄くないですか?」


「薄くないよ!」


「味は薄いのと濃いのどちらが好きですか?」


「俺は、濃い目が好きかな?」


 桃果ちゃんが、俺の味の好みを細かく聞いて来る。


「桃果ちゃーん? 私は薄味が好きだよ?」


 雫ちゃんも桃果ちゃんに聞かれていないが、味の好みを教える。


「は、はい! 木ノ下さんはどっちですか?」


「私はー濃い目が好きかな?? ご飯似合うし!」


 みかんは濃い味が好きなようだ。

 俺もご飯に合わせやすいという理由もあり、濃い味が好きである。


「明日のご飯は濃いめの味付けで作るね!」


 明日の夜ご飯は、雫ちゃんが担当する予定。

 みんなの味の好みを見極めるのも、料理人としては、必要なことである。


「そういえば、店長から連絡はあったの?」


 俺は、雫ちゃんに店長の様子を聞いた。


「私も連絡はしてるんだけど、既読がつかないんだよね……このまま、帰ってこなかったらどうしよう」


 帰ってこなかったら、この店は潰れる。

 というか、バイト代も支払われるかが、心配になって来る。


「し、失恋は辛いですからね……す、数日で立ち直れることは、無いと思います」


(ゴッホ、ゲッホ)


 俺は、食べている米が喉に詰まり、咽せた。

 ちゃっと、無神経な質問だったかもしれない。


「大丈夫?」


 雫ちゃんが咄嗟とっさに、水を汲んでくれた。

 ゴクリと飲み干した。


「つばさ、ちょっとだけ無神経だよー」


 蜜柑に注意された。

 あまりにも、真っ当な意見である。


「そういえばね、夏の新作メニューとして、トロピカルジュースを作ってみたの!」


 雫ちゃんは、喫茶『alive』の期間限定メニューを考えていたようだ。


「お、美味しそう!!」


 甘党の桃果ちゃんが、目を輝かせる。

 またまた、雫ちゃんが話を変えてくれた。

 

「無神経な人は、デザート抜きです」


「えぇぇぇええ」


 俺のトロピカルジュースは抜きになった。

 ご飯を済ませた後、女性陣3人は、仲良くトロピカルジュースを飲んでいた。

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