表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
珈琲を焙煎してたら恋琲になっていました  作者: エンザワ ナオキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/50

第35話 住み込みバイト 〜初日〜

 ついに迎えた住み込みバイト初日。

 俺と雫ちゃんは全日。蜜柑みかん桃果とうかは半日ずつというシフトであった。


 休憩も3時間あるとはいえど、朝8時から夜の8時までのバイトは流石に疲れた。


 しかし、そんな疲れとは関係なく、住み込みバイト、1日目の夜が始まる。


「に、西城さん。う、浦島さん。お疲れ様です」


「お疲れ様! 桃果ちゃんも厨房のヘルプ入ってくれてありがとうね」


 住み込みバイトの良いところは、人手が足りない時に、気軽にヘルプを呼べるところである。

 夜のお客さんに団体客がいらっしゃったため、厨房はかなりのカツカツとなっていたのだ。

 雫ちゃん1人では、捌くのは厳しかったであろう。


「桃果ちゃん、お疲れ様ー。ご飯も作ってくれたの?」


「は、はい……みんなで食べたくて、気合い入れて作りました」


 今日は、桃果ちゃんが前半のシフトであったため、ご飯を作ってくれたようだ。

 美味しそうな生姜焼きと味噌汁、フルーツサラダが並んでいる。


 すぐに帰れて、すぐにご飯を食べれる。

 既に、住み込みバイトが楽しくなって来ている。


「あれ? 蜜柑はどうしたの?」


「き、木ノ下さんは、学校の課題が忙しいらしくて、閉店まで自室で缶詰めって言ってました」


 確かに、夏休み前からずっと課題で忙しそうにしていた。

 蜜柑は本来、住み込みバイトをする余裕はないのではないだろうか。


「なら、つばさくんが呼んで来て! 私は、夜ご飯の手伝いするから」


「おっけー、なら声かけて来るよ」


 俺は、蜜柑が缶詰になっている部屋に向かう。

 蜜柑を呼びにいくことに、何か既視感を感じた。


 ――前にもこんなことあったな


 もしかして、コスプレしていたりして。

 俺はドアをノックした。


(コンコンコン)


「蜜柑ー? ご飯出来たってよー!」


「はぁーい。ちょっと待って」


 俺はドアを開けて、部屋に入った。


「どうだー? 課題は順調か?」


 今日はコスプレはしていなかった。

 真面目に課題を進めていたようだ。


「つ、つばさくん?……何勝手に部屋入って来てるのー?」


「勝手にって……ちゃんとノックしたでしょ?」


「女の子の部屋に許可なしで入るとは、モテる男は違いますね」


 俺がモテる男なんて、そんなことはない。

 横目でかばんを見ると、見覚えのないアニメのコスプレ衣装があった。


 おそらく新作だろう。


「ついでだから、ここの部分相談したいんだけど」


 蜜柑が作っているのは、学校のPVのようなムービーである。

 学年規模でコンテストが開かれ、優勝すると次の年に、学校の紹介映像として使われる。

 この賞を取ると、就活にもかなり有利になると言われている。


「おぉ〜前見た時よりも、かなり進んでいるね」


 寧ろ、俺の課題より進んでいる気がする。

 蜜柑のPV映像は、アニメーションが基調で、ポップな映像であった。


「ここのフォントを何にしようか迷っていて」


 フォントとは、文字のデザインのようなもの。

 フォントのデザインによって、映像の雰囲気は大きく変わる。


「うーん、この雰囲気だと〇〇社のこれとか良いんじゃないかな?」


「なるほどね、たしかにこれだと……」


 気づいたら、蜜柑の映像似合うフォント探しが始まった。


 ◇


「おーい! 蜜柑、つばさくーん。ご飯食べちゃうよ??」


 ドアの向こうから、雫ちゃんの声が聞こえた。

 時計を見ると、15分ぐらい経過していた。


「蜜柑、ご飯食べに行ってから、探してみようか」


「見てくれるの? ありがとう!」


 俺と蜜柑は、一旦フォント探しをやめて、食卓へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ