プロローグ前編 告白
好きな人への告白……
「告白すればいいのに」と言うのは簡単であるが、成功する確信がないとなかなか踏み出せない。
告白は、成功しても失敗しても、ひとつの区切りを着けてくれる。
俺は『西城つばさ(にししろ つばさ)』
中学生の時、好きな人がいた。
しかし、ずっと告白が出来なかったことを後悔していた。
恋にひとつの〈区切り〉をつけられずに、未練を残していたのだ。
俺は、高校生になり、お互い違う学校になっても、ずっと彼女を好きでいた。
ある日、その子に彼氏が出来たようだった。
その時、俺はこう思った……
「次に、好きになった人がいるのなら、後悔が残らない恋をしよう」と……。
そして、数年後、つばさは専門学生になり、告白したい相手が出来たのだった……。
「〇〇さん! 付き合ってください!」
しかし、告白してから知った。
……その人には、まさかの彼氏がいたのだ。
下調べはしたはずだった……
俺は、決断した……
「私って、恋愛下手なんだな……恋はしばらく封印しよう」と。
しかし、まだ知らなかった。
少しずつ、俺にとって、運命の出来事が迫っている事は、知る由もなかった。




