第1話「昔話」
「お父さん、お父さん!!またあのお話聞かせてよ」
「好きだな、小太郎は いいぞ、こっちに来い」と話す父。
今から100年前…人間と鬼との熾烈な争いが繰り広げられていた。人間は地位や名誉・人々の暮らしのため、鬼は自らの欲望のために戦っていた。
鬼が集まり陣取っている島、鬼ヶ島。
特に最も強く残酷な鬼が3体いたという。
「やっぱり人間の肉は美味いな、何度食っても飽きねーよ」という戦鬼
「ああ、間違いねえ。特に強え人間はうまい、脂がのっていて格別だ!」と答える邪鬼
「なんであんな弱いのに立ち向かってくるのかね、人間の心はわからんな」とあざ笑う豪鬼
そう笑いながら3体の鬼が人間を焼いて食べながら話していた。
今とは違い、鬼が時代が時代を築いていた頃。人間の武器といえば槍と銅でできた盾をもち、鎧を身にまとい戦っていたが鬼には全く刃がたたなかった。
戦鬼は戦いが特に好きで、無邪気にはしゃぐ子供みたいなやつだった。特に強い人間と戦うのが好きでよくトドメを刺さずに生かしてかえすことが多く、また他の鬼に対しても優しいやつだった。
邪鬼は鬼の中でも性格が悪く、人間をいたぶるのが好きだった。拷問が好きで、生かして捉え意味もなく拷問して殺して食べるのが彼の日常だった。また邪鬼は人を惑わす幻覚を操ることができ、何にでも化けれるという特別な鬼であった。
豪鬼は鬼の中で最も強く、知識が高く、鬼には珍しい慎重な鬼であった。作戦を立てるのがうまく鬼の中のリーダー的存在であった。
この3体の鬼が他の鬼を引き入り、鬼ヶ島を人間から守っていたのだという。
「ガシャン、ガシャン」と鳴り響く鎧の音。
豪鬼「なんだなんだ? やけに多いな、どこから入ってきやがった」
「まて、先ずは俺がやる」と豪鬼の前に出る戦鬼
「我らは南の国から参った先鋭部隊! 貴様ら鬼にやられた人間の恨み今…」といい前に出た瞬間、「ブウォーン」と戦鬼の棍棒が前に出た人間の頭を飛ばす。
「うわぁー!」と怯む人間達に対してすかさず火を吹く豪鬼。
「熱い!熱い!」と逃げ回る人間達。
「くっくっくっ」と笑う豪鬼。余裕の笑みを浮かべている。
戦鬼「おらーどうした! 恨みを晴らすじゃなかったのか?おらおら」と棍棒を薙ぎ払う
「駄目だ!人間に勝てるわけがない、引けー!」と叫ぶ人間。
戦鬼「逃さねぇぞぉー、もっと遊ばせろ!」
豪鬼「そのへんにしておけ、後は生かして逃がせ、あまり人間の数を減らしては楽しみが減るだろう。それにこんなに人間がいても食い切れん、腐るだけで勿体なかろう」
戦鬼「ちぇ、これからが面白いってのによ、わかったよ」
それを見計らっていた邪鬼が幻覚をだす。逃げていく人間を見つめ、特に弱そうなやつを見つけてそいつに向けて息を吐く。するとその人間の目が白目を剥き気を失う。
戦鬼「何してんだ?」
邪鬼「なぁに、こいつにいい思いをさせてやってるのよ、いい女を抱いてる夢を見させてやってるのさ」
戦鬼「人間にいい思いさせてどうすんだ?」
邪鬼「後で拷問するのさ。幸福から絶望にかわる顔が1番いいんだ」
戦鬼「可哀想な人間だぜ、最低の鬼だな」
邪鬼「ああ、俺より最低の鬼はいないさ、邪魔すんじゃねぇぞ」と人間を抱え火を片手に洞窟に入っていく
豪鬼「さあ俺等も食うぞ」と死んで散らばった人間達を焼いていく。
むしゃむしゃと夢中で戦鬼と豪鬼は食べていると「ギャァァァァァー」と鳴り響く人間の声。
どうやら邪鬼が洞窟で拷問しているようだ。戦鬼が様子を伺う。
十字架の貼り付け器具を人間に装着させて身動きが取れない様子。
人間「何するんだ、やめてくれ。金か?金が欲しいのか?何でもする。お願いだからやめてくれ」
邪鬼「馬鹿かお前、鬼が金を欲しがるわけ無いだろう。
なんでも奪えばいいんだからな。さぁ先ずは指からだ」と1本ずつ折っていく「ギィヤーーー、痛い痛い」と言葉にならない声が鳴り響く。全部の指を折ったあと、ガクンとした顔に水をかける。にやにやと笑う邪鬼。
「次は目ん玉だ」片方の目をえぐり取り、食べてみせる。
「ぐぉ、もうやめてくれ なんでこんなひどいことするんだよ」片方の目から涙が溢れる。
「理由か?そうだな、お前らが性行為を楽しむからしているように、楽しいからやっているのさ、まだまだこんなもんじゃないぞ」と話す邪鬼。ごそごそと箱を探り、ものすごい太いムチを持ってくる。「バチィン!」と大きい音が洞窟を鳴り響く。「ギャー」と泣き叫ぶ人間。数発で皮膚が破れ、背中から大量の血が溢れ出る。背中を痛めつけて気を失えば水をかける。
地面は大量の血で染まっていた。
邪鬼「おい、どうした?反応がないぞ」とペチペチと顔を叩く。「死んだふりか」と足を火で炙りだす。しかし反応がない。
「もう死んだのか、情けない。加減が難しいな」とつぶやき食べ始めた。
そうして鬼たちの日常が過ぎていった。