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メイド泣かせ
昨日の夜会は本当に疲れた。どうしてこの国の貴族はあんなにアホばかりなのだ。
お茶を飲みながら、私はため息をつく。最近、ため息を付きすぎている。美容に悪い。
「あの…ローザ様。私、何かしましたか?」
メイドの一人が私の前に来て言った。何故かうるうると涙目になっている。思わず眉毛がピクリと動く。
「なぜそう思うの?」
「だって、ずっと不機嫌な顔をなさって。私、怖くて…。ローザ様の顔、迫力あるしぃ」
「…不機嫌な顔どころではすまなくなったわよ」
「え?」
「あなた、しばらくメイド見習いに降格よ」
「え!そんな、何故ですか!?私はただ…、お嬢様を心配して差し上げただけなのに…!」
メイドはその大きな瞳からポロリポロリと涙を流した。
「何故か、は自分で考えなさいな。良かったわね、やり直せるチャンスがあるのだから」私が躊躇なく言うと、「ひどい!」
メイドは泣き崩れた。
うちはメイドの質が悪すぎる。
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