2/11
怒れるご令嬢2
ローザが古参のメイドをクビにして数日後。
「これ、もう要らないわ」
ローザはお茶を飲みながら箱いっぱいの貴金属を指差す。指輪に首飾り、ローザが使っていたものだ。
メイドは驚き、目を見開いた。
これだけのもの、いったいいくらになるのだろう。
軽くお屋敷の2つ3つ、買えるのではないか。
「お嬢様、本当に処分してよろしいのですか?」
メイドはこわごわ聞いた。
ローザはメイドを睨みつける。
「私が要らないと言ったら要らないのよ。新しく買う予定だからいいの」
「ですが、これだけの品を新しくされるなんて…!」
「……」
ローザは無言でメイドの肩をつかんで微笑んだ。
「何度も同じこと言わせないでちょうだい。処分よ」
美しいだけに、ローザがすごむと迫力が増す。
メイドは言われるままに、箱の処分を始めた。