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6/12

混乱

パラパラッ……コツンッ

「んぁ?」

俺は石が顔に当たることで目を覚ました。

「痛ぇ…」

もちろん頭も痛いが何より左眼あたりが痛い。

そして爆発をもろに食らったので、眼帯や服のあちこちが破けている。

「……前の花流みたいだな」

ふとそんなことを思い、左眼に手をやり、ボロボロになった眼帯を外す。

すると、そこには閉ざされた目ではなく、通常の目があった。

「うわっ…思ったより酷いな、これ」

そして俺は眼帯を見ながら、「“遡行そこう”」と呟く。

すると眼帯は、ボロボロな状態から見る見る直っていく。

「よし、治ったな。服も……よし、治った」

そして俺は“綺麗になった”眼帯をまた付けていく。

「……誰も見てないよな?」

俺はグルっと辺りを見渡す。

見つかると説明が面倒だしな。

それよりも面倒なのは

「未来か」

そう、未来が攫さらわれてしまったことだ。

どっかの馬鹿が気絶するからな。

どれだけ時間だったかわからないし、今から追っても多分間に合わないだろう。

どうしたもんかな。

「…いや、考えても仕方ないな。

まず戻って先生にこのことを言ってから、花流の様子を見に行こう」

そう考え、俺は急いで寮へ戻った。


──・──・──・──


「さて。取り敢えずどっかにいる先生のとこに行くかな」

寮に着いた俺は先生のとこへ行こうとする……がしかし、“ニャ〜”と猫の声が。

「…うちの猫か?」

…気のせいか女子寮の方から聞こえるんだが?

“ニャ〜ン”

「あ、いた」

案の定鳴き声の主はクロで、あいつは寮の分かれ道にいた。

また女子寮にいかれたら困るから今の内に捕まえとくか。

あと怪我の処置せんとな。

“ピューン”

「あっ」

捕まえる前に行かれた。

待てよ…さっきクロが行った時、事件があった。

で、今また行った。

ってことは?

「ちょっっと待てーい!」

またなんかあんのか!?……今度は花琉とか!?

そして俺はまた女子寮の方に曲がった。

そこには、

『ス〜……ス〜……』

自室の前で座って寝ている花流が居た。

…が、俺はそれよりもその隣が気になった。

花流の隣……そこには暗くてよく見えないが多分…もう1人いる。

俺は少しずつ、少しずつ近づいていく。

そして、

「…は?」

なんとそこには、“先程攫われてった未来が花流の隣で寝ていた”。

驚いている中、クロはいつの間にか俺の足の下に居た。

「え?どゆこと?幻?」

一瞬、未来の偽物かと思ったが、ちゃんと未来だし、触れもする。

もう全てが謎になり、考えることを辞めた俺は、取り敢えず“収納場”から毛布を取り出し、ニ人に被せた。

その後、クロを抱き、自室へ戻った。

そして数秒後。

「そうだった……」

自室へ戻った俺は開口一番そう言った。

いつもはきれいな部屋……だが、今見ると散らかっている。

俺ちらっとクロを見る。 

すると、腕からすぐに抜けて、物凄い速さで物陰に隠れた。

「はぁ〜……やるか……」

俺の部屋は大体カップ麺とか、本、物類とかがあるだけなのだが種類が少ない分、量が多い。

……が、片付けているうちに、懐かしい写真や、貰い物、“謎の血”があった。

「ん?血?」

触ってみるとまだ新しく、周りをよく見ると、“本の角”にも血がついていた。

「………あ〜〜?そういえば怪我してたね。クロ」

そう思い出して俺は隠れているクロを抱き寄せ、怪我している箇所を探す。

すると、

「あっ」

頭の方に黒色の毛と一緒になんか赤いのが見えた。

そこを触ると、手に赤色が着き、クロも“フニャ!?”

っと変な声を上げたから確信した。

「っま、そこもお前の可愛いとこか」

“ニャ〜!”

取り敢えず薬箱を──ん?

「あれ?薬箱がないんだが?」

確かにこの棚の上に置いてあったはずなのに。

「………チラ?」

“………テヘッ”

「……やったな、お前」



(このあと何とか薬箱を見つけて、ちゃんと薬を塗ってあげた)

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