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人形

俺達はあのあと花流を座らせていた椅子に花流(?)を座らせ、尋問をしていた。

『さぁ、話してもらおうか』   『………』

『まず、名前は?』       『………』

『年齢は?』          『………』

『どこから来たの?』      『………』

『お母さんは?』        『………』

「それは最早迷子の子に聞くやつだろ」

いずれも何も反応しない。

まるで糸の切れた人形みたいだ。

…人形か。

そういやさっき捕まった時、顔面から思いっきり倒れた筈なのに鼻血はおろか、痛がった素振りすら見せなかったよな。

「…花流、一回そいつに切り傷を入れてみてくれ」

『え、なんで?』

「いいからいいから」

『えー…仮にも僕の容姿だからなぁ…抵抗が…』

「顔面強打させた奴がよく言うよな」

『いや、あれは事故だから。しゃーなしってやつね』

なんだかんだ言いつつ花流は腕を掴み、

『…ていっ』

少し間を開けて腕に切り傷を入れた。

そして花流(?)の腕から血が垂れて─

『あれ?』

【…血が垂れてこんの】

そう、人間誰しも生きるためには体の中に色々な細胞や臓器があり、血液がなければ酸素が体中に回らなくなり、死んでしまう。

だが、この花流(?)は顔面を強打しても、腕を切っても血はおろか、痛そうな素振そぶりすら見せなかった。

人形で確定だろう。

「もうこんなことされたらどれが本物でどれが偽物か分かったもんじゃないな」

【まだ喋ってないだけマシじゃな。

喋られたらそれこそ、ようわからんくなる】

「いや〜…にしてもよく似てんなぁ」

俺は顔をよく見ながら観察していると、

「ん?」

今、何か目の奥で光ったような…?

俺は辺りを見渡し、近くにあったナイフを掴むと、光った目の周りをえぐるようにほじった。

『え、何してるのさ!?ぼ、僕の顔が……』

「んー?いや、何か光ったんだよ。…っと。取れたか…?」

【何じゃ、その黒い玉と繋がっておるのは】

「んー?」

何だ…この形どっかで…。

『…もしかしてこれ、カメラじゃない?』

「…え?」【…む?】

俺だけでなくナーヤも同じ反応をする。

『カメラだよカメラ。で、この繋がってるのはコードかな』

この瞬間、俺の中の思考が加速する。

カメラ?一体何のために?

そういやさっき一瞬光ったんだよな。

そもそもこいつはどうやって動いていたんだ?

誰かが遠隔で操作したのか?

カメラの映像を通して?

え、じゃあもしかしてまだ繋がってるのでは?


           ─危険─


その可能性にたどり着いたとき、俺の手は動いた。

『えっ、ちょっと!?』

手に持っていたナイフで黒い玉についていたコードを切り、もう片方の玉をナイフで突き刺した。

「…ふぅ〜」

『ぼ、僕の顔が見るも無残な姿に……』

…なんか申し訳ないな。

「す、すまん。まだカメラが動いてるかもと思ってつい…」

『…ふぅ〜ん……そっか……そうだよね……危険だもんね…

…相談なしにね……そうだよね…』

これで床に‘の’の字なんか描いたら……じゃなかった。

なんか思ったより凄いショック受けてんな…。

【…して主ら。これから先、こないな奴らが沢山出てくるかもしれぬが、どうするのじゃ?】

落ち込む花流を他所よそにナーヤが聞いてくる。

「どうするったってなぁ。どうしようも無くないか?」

『……あっそれなら僕に策があるよ』

するといつの間にやら立ち上がり、会話に参加する花流。

「切り替え早いな、お前」

『なんか僕のクローン作られて腹が立ってきちゃった。

機械には機械。能力には能力!

…ってことで僕の力を見せてやろう!!』

情緒不安定すぎないか?こいつ。

申し訳ないと思った気持ちを返してもらいたい。

『ってことでちょっと失礼。

……あ、もしもし?ちょっと作りたいものあるんだけどさ……うん……そうそう……よし、じゃあすぐ行くね』

誰かに電話をし、ちゃっちゃか部屋を出る準備をする花流。

『じゃあちょっと作るものあるから僕は一回出るね。

あ、この部屋使ってていいよ』

それじゃ!…っと颯爽と部屋を出ていき、残ったのは俺とナーヤと花流クローン


「【・・・】」


しばしの沈黙。

そしてその沈黙を破ったのは、

【…ちょいと思ったんじゃが、お主は】

ナーヤは花流クローンを指さして言う。

【カメラだけで物を操れると思うか?】

そんな疑問を尋ねてきた。

「カメラだけ?」

【うむ。果たして、映像だけでこうも器用に動かせるとは到底思えんくてな。どれ、ちょいと解体してはみんか?】

ナーヤは少しワクワクした様子で聞いてくる。

確かにこの人形は謎ばかりだし解体してみようとは思う。

しかし、

「解体した後の姿を花流に見られたらどうなるだろうか」

目を少し抉っただけであんだけショック受けてんだ。

バラバラな姿なんか見たら失神しそうな気がする。

【…じゃが、このままにしておくのも…な】

「う〜ん…まぁいいか、あいつのことだし大丈夫だろ。

…多分,きっと,恐らく……まぁ知らんけど。」

【どこをどう聞いても大丈夫には聞こえんのじゃが】

ジト目でこちらを見てくるナーヤ。

「じゃあ帰ってくる前にやっちゃおう。

そしたらバレないバレない。

……それにあいつは一回作り出すと止まらないし」

【…言い合っても仕方ないのぅ。どれ、そんなに言うならやってみるとするか】

……お前から言ったんだけどな?

そして人形解体が始まった。

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