聴野磁太郎
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「父さん、祖父さん!許せない!」
我は聴野磁太郎。我は、名誉ある家庭に生まれた。父も祖父さんも生まれつき、特別な能力を持っていた。父はテレパシーのようなものを操り、相手の思っていることが分かる。祖父さんは、脳に電卓が埋め込まれてるようなもんで、立式まで自動でしてくれる。我は?耳が少しいいだけ。だから、それを伸ばすために電気を与えてみたり、磁石を与えたりした。結果、我は耳が超良い金属・磁石の男になった。ところで、いま、父と祖父さんはというと、戦争に向かっていた。だが、父が敵の思ってることを読み取ろうとしても、何も読み取れず、今までそんなことは一度もなかったからか、怯えていた。祖父さんは、脳に仕込んだ計算機でいくら勝率を計算しても勝率ゼロパーセントと表示され、同じく怯えた。そして、二人で一緒に逃げることにした。
という噂を聞いた。だが、我には信じられなかった。あんなにも偉大な、父と祖父さんが、こんなにも雑魚そうな奴との戦場から逃げ出すと思えなかった。だが、そんな噂は一瞬のうちに広まって、そんな家族がいる僕を嘲笑う者もいた。耐えきれなくなった我は父と祖父さんをどんな手を使ってでも連れ戻すために今ここにいる。
「キタナ」
「来たな?まさか、もう誰かが宇宙船に攻撃を仕掛けに行ったのか?我も急がなければ!」
まだ戦いは始まったばかりだからまだ父と祖父さんもそこまで遠くに行ったわけではないだろうし、彼らのことに関する情報だって一つぐらい見つかるはずだ。
「我も遅れを取るわけにはいかない。とにかく走るぞ!」
聴野は体が磁石なため、鉄製の物には一瞬でたどり着ける。これが一家代々伝わるスキル
≪家系力≫なのである。