新たな仲間
僕は思わず叫び声をあげ、気づいたら家の外に出ていた。
「あいつーぅううううううあああああああー!許さない。許すわけにはいかない!」
ジャンプして宇宙船を直接殴りに行こうと思った。決してただ者のジャンプでは届かない、例えるならピューマの百倍ぐらいのジャンプ力が必要だ。と、分かっていながらも。しかし、宇宙船の引力でなぜか余裕で届きそうだ。僕を見て、たくさんの似た年代の少年たち
もジャンプしてついてきた。
「シニタイノカイ?キミタチ。」
声と同時に大量の炎の玉が降ってきた。僕は死を覚悟した。だが、もう仕方ないのである。覚悟を決めて、そのまま勢いを落とさずにとんだ。
「父さんの噓つき‼母さんの嘘つき‼」
炎に当たった者は一人残らず炎に巻かれて落ちていった。ただ一人。そう。それは他ならぬ火水強の息子、火水雷神である!そんな雷神には気づかず、奴らは言った。
「ヒガツイテイルトアツイカラミズヲヨウイシテヤルヨ。クックック。」
と言って笑った。その瞬間、僕はそれが罠だと気づき、下に振り向いた。攻撃によって冷静さを失った少年たちは次々にその湖のようなものに飛び込んでいく。そこで、誰もそれが底なしとは知る由もなかっただろう。
ボチャン。ゴボゴボ。ゴボボボボボ。。。
雷神の耳にその音が響いた。飛び込まなくても、水に触れるとその瞬間引きずり込まれるようだ。仕方ないから、捨て身で助けに行った。
「くそっ。今すぐにでも宇宙船にぶちかましてやりたいが、湖にいる人たちの命は一刻を争う。炎で死ななかった僕だ。救える命は救ってやりたい。そうして、湖に飛び込んだ。一人、瀕死ながらも酸素と圧力の両方に耐えていそうな少年を見つけた。自分も瀕死になりながらも、救うことができた。け、決して、「戦争が終わった後のお礼のお金が払えそうな人」とかで探したわけじゃ、ないしっ。それはさておき、とりあえず名前を聞いてみた。彼は、「視谷透太」と、いうらしい。仲間は多いほうがいいし、飛んだ動機も同じらしいから、仲間になった。一人称は「俺」で、何せ、とんでもなく視力がいいらしい。毎日どんだけ目を近くしてゲームをしても、視力は安定の二・零。眼科で精密に調べても、眼球の虹彩が常人とは異なっていて、レンズ体とその筋肉もすごいと、そんなことを言っていた。ちなみに、精密な視力は、(測る必要もないが)五・零以上あるらしい。また、透視ができるらしい。
一、二分話したら、また次の人を助けに行く。そのために湖に潜った。視谷は外で、万が一の時に備えるといっていた。とはいえ、実際にその万が一が起こるとは思わなかっただろう。雷神は、少しでも救える可能性が高そうな人を探した。中には、自分の子供を助けるために湖に入った親の姿も見える。その瞬間、雷神は、誰かに踏まれたような感覚になり、気を失った。そもそも最初から死は近かったのである。
彼は失神した。
失神。雷神。雷神が失神?神を失う?雷神の神を失う。雷!そうか、雷!
ゴロゴロゴロロロロロロロロロロロ…ピカッ ドカーン!! 湖に。特に雷神がいた所に雷が落ちた。それまで青空だった空には雨雲が広がっていたがそれがまるで幻覚だったかのように今はもう消えている。
≪危機対応の獲得を確認しました。≫