平和が壊されていく
初投稿です!
頑張って書いたので読んでみてください!
アドバイス等々ありましたらよろしくお願いします。
あと、評価のほうもやっていただけると幸いです!
そこは、至って平和な市だった。最近あった事件を挙げようにも挙げるような大事件はない.強いて言えば…。これも立派な犯罪ではあるんだが、実にしょうもない。家に強盗をするものの、結局何も盗まず、自白。他には、有料のイラストを無断で使った子供が居て、親が罰金。まあそんなところだろうか。ただ、そんな治安のいい街だからこそ、入市制限(入市制限ってなんだ?)が厳しく、市に入れなかった人からすると恨みを買うわけだ。だから、他市からの遠距離的な嫌がらせ行為も後を絶たなかった市だが、国からの信頼は厚いものだった。理由はここまでのことから、明白だろう。
そんなある日、あろうことか、空飛ぶ円盤が現れた。は?と思うだろう。実際、住民も「どうせほかの市からの嫌がらせとかだろ」、と思っていた。だが、それが本物であることは住民にはすぐに分かった。何せそれまでと格が違う。直接奴らは脳に語りかけてきたのだ。複数の言語が使える者には、その全ての言語で同時に語りかけてくる感覚だったそうだ。ここでは敢えて日本語で書いておく。また、区別がしやすいように、奴らの声はカタカナでかいておく。
「ワレワレワウチュウジンダ。イマカラナナジュウニジカンイナイニワレワレヲタオセナケレバコノホシヲシハイスル。ガンバリタマエ。ハッハッハ。」
おそらく、地球は環境に恵まれた星だから、奪いに来たのだろう。地球に住んでる生物を倒して支配できるかどうか、品定めに来たのだろう。リミットはたったの三日。どうしよう…。
そもそも、街、国、世界のお偉いさんは宇宙船のことを信じているのだろうか。全世界にさっきの声は聞こえているはずだけど…。
〝ジジジ…〟
ラジオの音だ。ラジオはこう言っている。
〝現在、国と連絡して、世界に発信し、全世界で、あの宇宙船を倒そうということで合意しました‼だから、この国には戦力はありませんが、至急、特別命令として、二十歳以上の男子を徴兵します。後に場所の連絡などをされると思いますので、力を合わせて宇宙船を撃退しましょう!〟
市長だ!重要な事としてみていてくれたんだな!ありがたいことだ。てかさ、市長、国と連絡とるの早くね?まあ、それだけ国に信用されてるってことだな。安心できる。
〝ピンポーン〟
インターホンが鳴った。誰だろうか。隣の家のおっちゃんが心配して話しかけに来てくれたのだろうか。
「火水強様―。宇宙船討伐隊に選別されました。明日、浜広場にお集まりください。」
こういって、父の火水強に赤い紙を渡した。
え?父さん戦争行くの?マジで言ってる?冗談だよな…。
混乱している僕の肩をたたいた当人の父は頼れるような頼れないような顔をして言った。
「俺は、必ず戦い抜いて帰ってくる。待っていてくれ‼」
僕はゾクゾクする気持ちと戦いながら眠った。
次の日が来た。父の姿がない。そこに母が来ていった。
「お父さんはあなたに、変に気負わせたくないといって、早くからいえをでたわ。」
…。沈黙が流れる。
「そっ、そんな顔しなくたって。お父さんはきっと戻ってくるわ。」
次の瞬間、何人もの人が叫びだした。
「何か来たぞ‼」
「撃てー!」
「何か降りてくるぞ。注意しろ!」
見ると確かに、ぼんやりと何かいる気がする。おわんに眼球が浮いてて一本の、動く関節のなさそうな足と横に二つある、伸ばせば三メートルはありそうな、足と似た、手と思われるものをそびえている。腕は今は巻いているようだ。
みんな一斉に銃や大砲を構えてて、中には戦車に乗っているやつもいる。皆が武器を使って奴に攻撃を仕掛け始めた。いけっ!負けるなっ!きっとこの世のみんながそう思っているだろう。
それはそうと、父はどこだろう。…あっ、五分ほど母と探すとすぐに見つかった。父はどうやら小型銃二本を扱っているようだ。岩影に隠れながら撃っている。…が、効いている様子は…無い。誰も。例外なし!まずいぞ…敵も攻撃を始めた。奴の攻撃方法は、足をコンパスの針のように地面に突き刺し、それを軸にして伸ばした手をブンブンと振り回している。その切れ味はすさまじい。もはや、空気すらも切っているようだ。その回転により、撃った銃の球ははじかれて跳ね返ってきて逆に危険だし、周囲の草はもちろん、岩や木造建築なんかもたやすく、それがプリンでできていると思うほど柔らかく切ってしまうのである。っと、父がいたとこの岩も上部が切り落とされ、父のもとから少ない髪も根元からこそぎ取られたようだ。
「また何か降りてきたぞー」
! 確かにいる。そいつは、炎の玉が三つぐらいひものような不燃性のものでつながれているような奇妙な見た目をしている。炎には直接眼球がついている。さっきのやつと同じく、相当気持ち悪い。そいつに近寄ったやつは火を噴かれて顔面が赤か黒か、そもそも顔なのかもわからない、原形をとどめてすらいない、かわいそうとしか言いようがない姿で死んでた。そんな奴にうかつに近寄れるわけがない。そして、奴に攻撃をしても炎の玉で銃の球を溶かされて結局効かない。
「あ、ああああああああああ………ああ…あ……強―イーいいー… ねえ!なんで!!なんでよお…」
???母が父を本名で呼んだのは初めてなのではないか?
父のほうに目を移すと一匹目の奴に腕を切断され、失血死、または炎の奴による一酸化炭素中毒死のいずれかだろう。体にやけどの跡は見当たらないし…
でも、父は約束したのだ。僕に。きっと生きて帰ると。母もそう言った。なのに、もう帰ってこないの?いやいや、こんなの、きっと幻覚か何かか、夢に決まってる。こんな悪夢、直に覚めてくれ!覚めてくれ!覚めてくれ!覚めてくれ…そう願っても夢が覚めることはなく、これが幻覚だと悟る者も現れなかった。