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第七話体育祭の激闘【戦場に咲く花】

「時にボクは逃げることを恥だとは思わない、だって逃げるのにも勇気がいるのだから」




「食った食った、すんげえ旨かったぜ」

あのあと明が持ってきたお弁当は重箱クラスであり俺が腹いっぱい食べてもなお余るほどであった。とは言っても8割方俺の胃袋の中に消えているのだが。

「お粗末さま、喜んでもらえてないによりだよ」

「ほとんど俺がくっちまったんだが明は午後持つのか」

「いいのいいの元々ボクにはちょっと多すぎるくらいだったんだから」

多すぎるとかそうゆうレベルじゃないような気がするがそこは華麗にスルーすることにした。

「そうか、なら良いんだが」

「気にしない気にしない、さっ午後の競技が始まるよ早く行かなきゃ」

「そうだな、よっしゃ汚名返上といきますか」

そうだよな俺は明と午後の競技に勝つという約束の下でこうして弁当を分けてもらってるんだもんな。ここで負けたら男が廃るってもんだよな。

「よっそのいき、期待してるよ僕たちは負けるわけにはいかないんだから」

「おう!!!」

なんとしても舞達に勝つぞ。


一方舞達はといえば


「よし午後もはりきっていくぜ、ぜってぇあの生意気な奴を負かしてやるふふふふふふふっっ」

ものすっごい笑顔を浮かべていた。ゆうなればちょっと頭がいちゃってるような俗に言うやんでれさんたちの病んでるときの笑顔である。

「舞、顔が悪い顔になってる、ほら笑顔笑顔、ね」

「何言ってるんだい千夏、私はこんなに笑顔だよ、別にあの後お弁当が全部無くなっていたことなんてちっとも怒ってないんだから」


説明しよう、あの後昇の見舞いを終えた舞は昇の弁当を食べるべく裕一のの元へと向かった。しかしその頃には昇の弁当は裕一とその他昇のクラスメイト達によってきれいに平らげられていたのである。


「ほっほら、あれは望月君が知らなかっただけで、別に五十嵐さんが悪い訳じゃないし・・・」

「DA~ME♪、裕一の奴も敵だし五十嵐も敵、昇のクラスメイトすら敵なんだ、ぜってい昇はこのことを知っていて仕組んだに違いない、そうあいつらは全部ぐるだったんだ!!!!」

舞の後ろに火山が噴火する幻想が見える。俗に言う「どっかーん」である。それだけで舞の言葉に迫力と切実さが感じられた。

「ないない、絶対それ舞の妄想だよ」

「ち~な~つ~、お前すら私の敵になるのか、このお昼を食べられなかった私の恨みを解ってくれる人はいないのか!!!!」

そういうと舞は空に向かって吠えた、その姿はまさに決起集会で熱弁をふるう熱血親父のそれであった。

「いや食べられなかったって、私の分けてあげたじゃん」

「あんなの食べたうちにはいらない!絶対この恨みはらしてやるんだからなあ~」

ちなみに千夏のお弁当は普通の女子高生レベルであったことを此処に記しておく。

「あ~あ、全く舞もしょうがないなあ、待って~そっちは違うって」






そして決戦の時はやってきた。

ここまでいくつのも競技を終え両者全くの互角。

昇の信念のこもった覇気。舞の怨念のこもった攻勢。

ともに両者のクラスメイト達を熱血の渦へと飲み他のクラスを置いてけぼりにして、ここに最終競技へとなだれ込んだのであった。

そして決戦の時はやってきた。



最終競技、その名は『騎馬戦』



数多の体育祭で汗と涙と擦り傷、打撲を生み出すまさに格闘技、呼ぶにふさわしい競技である。さらにこの潮見ヶ丘高校の騎馬戦は殲滅式、そして男女混合である。

とはいっても、でるのはクラスの約半分つまりはほとんど男子である。昔は男子のみで行われる競技だったららしいんだが、いや平等化って難しいねってこと。

だが今となっては好都合、そこご都合主義とか言わない、明と舞の勝負にふさわしい戦場と化したのである。


そして今お互いを視野に納め開始の音を今か今かと待っている状態である。

士気は十分、元は些細な衝突だった、だが約束という信念と食い物の恨みという怨念によって競技の枠を超え戦と呼べるほどになっていた。

此処に両雄?の決戦の火ぶたが切って落とされようとしていた。




―昇サイド―

「さて最終競技な訳だが、明本当にでるのか?」

俺は騎馬の上に座る明に話しかけた。

ここで柔らかいなぁとか暖かいなぁとか思ってはい無いと言うか明からあふれる覇気(オーラ)によってそんなの全く感じられないです。

「何、昇まさかここまで来てボクに引けって言いたいの」

「イエソンナコトナイデス、ハイ」

怖い、怒っている明を初めて見たがここまで怖いものだとは思わなかった。

思い返せば午後の競技あれはやばかった。

舞と再び顔を合わせたときから雰囲気がまずかったんだよな。

まぁ今はそんなことどうでも良いんだが。

今は勝つことだけを考える。

「絶対勝つんだから」

「解ってるさ、でも落ちたときに怪我だけはしないようにしろよ」

「それは馬次第かな、ボクは誰にも負けないんだから」

「はいはい、それじゃあしっかりのっててくれよ、ちょっとこの馬は気性が荒いぜ、なあ」

「「おう」」

俺の声に後ろのクラスメートが応える。

「うちの姫将軍様にゃぁ指一本ふれさせねえよなぁ右の」

「おうさ、左のここまできたからにゃあ意地でも崩れねえってことよ」

のりの良い連中だよまったく。さて行きますか。

「姫ご命令を」

「うむ、この戦絶対勝つ、全騎最後の一時まで奮戦せよ!!!!!!」

「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ」」」」」」



―舞サイド―

一方舞はと言うと

「やっと、やっとこの時がやってきた、私はこの時を待っていた。ふふふあははっはははっは」

良い感じに暴走していた

「舞やっぱやめよ、こんなことやっても良いこと無いって痛いだけだよ」

「ちっちっち、ちなっちゃん甘いよ甘すぎるわ!!言うなればチクロ並に甘いわ!!」

「チクロって誰も解らないんじゃ」

「シャーラップ!細かいことはこの際どうでも良い、用は勝てば良いんだそうだろ野郎ども!!」

「「「「「へいっ!!!姉さんの言うとおりでさぁ!!!」」」」」

「良い返事だ、行くぞ、殲滅だああああああああああぁ」

「「「「「「「「「「「へいっ!!!!!姉さん!!!!!!」」」」」」」」」」」

「はあ、つかれる………」





どーん!どーん!!どーん!!!



開始を告げる、太鼓の音が響いた。

両軍の騎馬がうなり声を上げぶつかり合う。

潮見が丘高校のグラウンドは今戦場と化した。



その戦場の中心で二騎の騎馬がにらみ合っていた。

言うまでもないだろうが、舞の騎馬と明の騎馬である。


「よう、お前もでてたんだな、怖くて逃げるかと思ってたぜ」

「何のことかな、キミこそ出てくるとは思わなかったよ、逃げたんじゃなかったんだ」

「そんなことするわけねえだろ、ここでお前達を倒して私はこの恨みを晴らす!!」

「恨みって、ボク達が何をしたっていうんだ」

「しらばっくれてんじゃねえ、私には解ってるんだ、お前達が私からご飯を取り上げて笑っていたと言うことが」

「なっっ!そんなことボク達はしていない、そんなのただの逆恨みじゃないか」

「細けえことはいいんだよ、ようは私はお前らを倒せればそれで良いんだ」

「そんな理由……そんな理由のためにキミは戦っているの?」

「そうだわるいか」

「それじゃあ、なおさら負けられないじゃないか、ボクはキミに勝ってそんなこと認めない。確かに食べ物のことは大事だけど……けどそんな軽薄な理由で戦っているキミにボクは負けるわけにはいかないんだ!!!いくよっ!!」

「いいぞ!こい!!」


てな感じで騎手が盛り上がってる所で騎馬達はと言えば………


「昇君、ごめんね舞がどうして持って聞かないからさ……」

「天川さんも苦労してるんだね、まあうちの明もたいがいだからさ……」

「五十嵐さんってなんてゆうか熱血だよね……」

「そうだな、いつもはこんなんじゃないんだがな……」

「やっぱ舞のせいかな、何かとつっかっかってたし……」

「だよなぁ、あいつももっとおとなしくしてりゃあいいのに……」

「そうだよねぇ、どもむりなんだよねぜったい……」

「そうだよなぁ……」

「「はあ……」」


愚痴りあっていた……

そんな感じで騎馬たちが会話してるのをの知ってか知らずか、絶対気づいてないのだが、騎手達の戦いはクライマックスを迎えようとしていた。


「やあっ」

明の右腕が舞の肩をつかむ。そしてそのまま一気に崩しにかかった。


「あまいっ」

だが舞も負けてはいない、伸びている明の腕をつかむと崩れそうな体をつかって明を逆に引きずり落とそうとした。

舞を崩そうと前のめりになっていた体はそのまま、重力に逆わらずに落ちるかのように思われた。


「まだまだぁ」

だが明は掴まれている腕を強引にほどき、体勢を立て直した。


「なんつう馬鹿力だよお前、しかっり掴んでたんだぜ私は」

「馬鹿力って非道いな、キミこそすごいじゃないかまさかあの体制を逆に使われるとは思っても見なかったよ」

「そうそう、楽には負けてやれないもんでね」

「じゃあ、ボクがそのまま押し通してあげるよ」

「やってみろ」

「「ボクは」「私は」負けない!!」

                  ・

                  ・

                  ・

                  ・

                  ・

                  ・

                  ・

こうして戦いは終わった。

彼女たちの意地と意地のぶつかり合いは、こうして幕を閉じたのだ。

元をたどれば戦っている動機はどっちも不純なものだった、だがこの戦いはあたかも戦場に咲く花のごとく高潔であったであろう…………




とゆう感じだったら良かったんだが……

実際はと言えば………


「何であそこで落ちるのさ、ボクが落ちたんだからあそこで手を離せば良かったじゃないか」

「お前が手を離さなかったんだろ、おかげで擦りむいちまったじゃないか、私の柔肌に傷が残ったらどうしてくれるんだよ」

「あっまたボクのせいにした、元々はキミが無茶なことするから」

「はいはい、二人とも消毒ができないから静かにしてね」

「「千夏」「天川さん」だって・・・・」」


「あーあ結局最後は二人一緒に自爆か、全くしまらねえなこれは……」


まあ、体育祭なんてこんなものとゆうかんじでまくを閉じたのであった。











次回予告

今回のタイトルコールは俺、昇がお送りする。さて次回は、また裕一のやつがやっかいなものを持ってきてくれたぜ。それで被害がくるのはこっちなんだよな。まぁこれも一興かな。ってなわきゃねえだろおおおお。どうすんだよこれ。


”これってデート?『日曜ミッション前編【はた迷惑な贈り物】』”


最近台本がないんだがこれで良いんだよな、うん。語り手どこいったんだか……




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