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半分は、私の。もう半分は、貴方の。  作者: 珱琅小桃音
序章
2/4

変わらないこの世界。



毎日、同じ道を歩いていると何かしら違いを見つける。


今日は、何が違っているだろうか。


“月が半分になりました。”


そんなニュースが流れているのに、皆は至って普通だ。


普通すぎるくらい、普通だ。



たしかに、月が半分になったって外観が損なわれるだけであって、大して影響はない。



悲しいなぁ。あんなにも綺麗なのに。



この世界で、月のことを気にしているのは僕だけなのだろうか。


そうだとしたら、僕はきっとおかしい奴なんだろうな。



“…なんか、きもちわるい”



クラスの人々、学校の人々、母親。


みんな、僕を気持ち悪いと言う。


どうしてだか、考えようとした。


だけど、途中で諦める。だって、どうでもいいから。


他人の評価が絶対なこの世界で、きもちわるい。という言葉は最悪だ。


だけど、何故か、どうでもよかった。


誰に何を思われようと、どうでもいい。



ただ、ただ…。



この続きは、真っ白。


隠された言葉なんて何一つない。


また、モヤモヤ。


よくあるんだ。こういうことが。


何かを思ったはずなのに、頭の中は真っ白。僕の知らない僕が心の奥底で叫んでいること。それは、少なくとも今僕が認識している僕は、絶対に知ることが出来ない。


モヤモヤ。モヤモヤ。


この不快な感覚をどこかに吐き出してしまいたい。


生憎、この世界は僕のことが嫌いなようで、“居場所”というものを作ってはくれていない。



少し、違ったな。


この世界は、とあるが僕が知っている世界はここしかなくて。


なぜ、その言葉が頭の中に浮かんできたのかはやっぱり分からない。



「…ふぅ」



息を吐き出して、フル回転させていた脳みそを休ませる。



朝から、運ないな。



月が半分になって、何が変わったって。



何も、変わっていないんだよ。



そのことが、1番変わってる。




この世界は、嫌な世界だ。



この世界、は。

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