第10話 僕の玩具
【沖田総司】
土方さんとの巡察中に見つけた奇妙な格好の二人のうち、男の方……「小鳥遊桔梗」と名乗る方が熱を出して倒れた。
連れらしい「桜庭瑞希」っていう名前の女の子が激しく動揺した様子を見せているので、僕は水と手ぬぐいを持っていった。
……それにしても、本当に変な二人組だよね。
小鳥遊桔梗って方はなんか、公家の着物だし、女の子はもはや着物ですらないし。
普通の女の子にはあるまじき服装なんだけど、あれ、どうやって脱ぐのかな?
ちょっと気になるかも。
格好の他にも、男の方は髪と目の色が僕たちとは全然違うんだよね。
見るからに怪しいって、こういうことを言うんだろうね。
それに、これは土方さんも気づいてるみたいだけど、この二人、おそらく何かを隠している。
まぁ、どうせすぐにわかるんだけど。
もし、間者だったりしたなら僕が斬るしね♪
「……お前たちにはまだ色々聞きたいことがあるが、とりあえず今は仕方ない。病状が安定したらまた来る。……総司、お前も来い」
「はい」
医者な帰った後、土方さんが二人を残し、別室へ僕を連れてきた。
そして開口一番にこういった。
「総司、あの二人が何かを隠していることには気づいているな?」
「もちろん気づいてますよ♪」
「ならば俺が言いたいことはわかるよな?」
「ええ、それももちろん。あの二人を監視しておけばいいんでしょう?」
「ああ、そうだ」
「了解です。それじゃああの二人が間者だったら斬っちゃっていいですか?」
いいよね?別に?
その方が楽だしね♪
「……お前、さっき命はそう軽んじるものじゃないとか言ってなかったか?」
「え?そんなこと言いましたっけ?土方さんの聞き間違いじゃないですか?ほら、土方さん、もう年だし」
「お前……っ!!」
わぁっ、鬼が出現したよ!
っというか、忘れちゃいましたよ、そんなこと。
「……もういい。とにかく、今は斬るな。何かあったら報告しろ。いいな?」
「了解です」
うんうん、面白くなりそうだね!
僕の新しい玩具が増えた♪
さて、土方さんの許可も降りたことだし、早速二人で遊……もとい、二人の監視を始めようかな♪
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二人がいる僕の部屋へ戻ってみると、どうやら小鳥遊桔梗君が起きたみたいで、中から話し声が聞こえた。
「あ、待って!まだ寝ないで!……薬、飲んで欲しいの。起きられる?」
「薬……?」
「そう。さっきお医者さんが置いていったのよ」
「……わかり、ました」
ふーん?まぁとりあえずは普通の会話かな?二人は僕がここにいること、気づいていないみたいだし、演技ってことはないでしょ。
けれど、そう思っていたのも束の間、桜庭さんが興味深いことをつぶやいた。
「桔梗君……いや、晴明君……。早く良くなって……」
……ふぅん?
晴明君ねぇ?
ふふっ、いいこと聞いちゃった。
君たちは一体何を隠しているのかなぁ?
スパン。
「!!」
「晴明君って、誰のこと?」
「っ!?」
あははははっ★
そんな驚いた顔したって無駄だよ?
訳はじっくり聞かせてもらうから♪
残念だけど、僕、土方さんみたいに女の子に甘いわけじゃないんだよ(黒笑)




