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パラダイムシフト  作者: Walter White
プロローグ
1/1

高校入学とは少し違う…。

2036年                                           欝だ……。先日、母さんから突如として進路変更が告げられた。なんで技術学院なんかにいかないとだめなんだ…中等学校の先生には余裕で入れるようなランクの学校を紹介してもらって適当にそこに行こうと思っていたのだ。適当に学校にいって家に帰ってきてネットとテレビ。至福の高等学校生活の楽しみにしてたのに、なんで日本だけじゃなくて世界中の天才が集まってくるような学校に行かないといけないだ?というか無理だろ、どうやったらそんな所に入学できるんだよって母さんに言ったら

「もう、れんかちゃんを入学させることは決まってるのよ?」

 なんて返されてしまった。え?試験も受けてないし、そもそも学力じゃ無理なんだけど……。多少、外国語が話せるだけであってソレですらせいぜい特別高等学校1年くらいの能力なんだ。もしかして、母さん自分の名前を出してごり押しで入学させたのか。

まずい、まずいぞ。学院からは反感を受けそうだし期待をかけているならそんな期待を裏切ってしまう……。しかも

「今までれんかちゃんはいろんな事を我慢してきたものね、これからは我慢なんてしないで好きな事をやっていいのよ」

 そんな意味深な事言われてもどうしようもないよ! むしろ我慢しなくていいのなら学院なんていきたくないよ。あと

「お前の好きな事ができる学校に行けて良かったな。父さんは応援してるぞ」

 なんてメールが来た。なに『俺は理解しているぞ』みたいな雰囲気醸し出してるの。お前はなにも理解してないよ。しかも挙句になんだよ学院紹介パンフレットに書いてある必要な物リストの内容は! 容量280TB以上の個人用端末ならまだ理解するよ。いやこれですら80万以上する代物なのだが問題は次、個人用パワースーツ。stupidバカバカしいパワースーツなんて一台400万以上すんだぞ……。子供に買い与えるようなもんじゃねーだろ、いくら普及してるって言ってもあくまで車と同じ扱いなんだよ。母さんに用意は全部任せたけど大丈夫なのか……。あの人は微妙にずれている所があるから変なもん買って来ないよね?…………。いや、やっぱ確認しておこう。

「うん、れんかちゃんの入学に必要なもの? 全部もう届いているわよ、みる?」

 どうやら母さんはもう用意してあるようだ。一緒に倉庫に確認しにいくとそこには少しどころではなく盛大にずれた価値観の持ち主の選んだものが並んでいた。

「まずはコレ! ルイン社製の新型個人端末よ」

 あー、うん。知ってる。ソレ今月発表されたばっかのやつでしょ? 容量500TB以上の『量子演算タイプ』の個人端末、しかも発売じゃなくて発表された代物。民間に流れてくるのは5年後くらいだよね?新しい物は好きだから嬉しいけどさ……。

「次はコレ! カルテット重工業社のパワースーツよ」

 パワースーツの製作を行なっている会社の中でもトップのシェアを誇るカルテット社、品質はまさに世界一の評価を受けている。いいか?世界一と言われているんだしかも今目の前にあるのは、恐らく民間用最高レベルのパワースーツ。いくらするんだろ……。

怖くて聞けない。多分、というか絶対に億は超えていると思う。顔が引きつって苦笑いしかできない。

「か、母さん、ありがとう! そろそろご飯にしない?僕お腹へった」

結論、とりあえず現実逃避することにした。

                                                                                              夕食後、適当に端末を操作しているときに、たまたま学院についての記事を見つけた。これから通うことになる、なるべくなら行きたくない学院の記事。少しでも内部の事情がわかればと思い読んでみる事にした、読み進んでいるとある一文に目が留まる。

『イケメン・美少女の多い学校NO.1』『恒例の学院祭、美少女コンテスト!』

『日本では、珍しい私服での学院生活』

 ……。どうしても母さんが行けっていうし、学校の先生にいまさら別の学校を無理いって探してもらうわけにもいかないしな。あきらめて学院に行こう。しょうがないな! 本当にしょうがない! 学院に行こう!


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