年の改めに。
さくり、さくりと、足元で雪が鳴りました。
見渡す限りが一面の白で、そのすべてが雪でした。
さくり、さくりと歩くのは、真っ白な足袋を履いた、若葉色の草鞋です。
さくり、さくりと歩きながら、雪の上に枝をさしてゆくのです。
椿、譲葉、榊に山茶花。
手にした枝は青々と、濡れたような葉をつけて、雪の光に揺られます。
雪に立てられた枝々は、やがて根を張り花をつけ、大きな森に変わります。
銀の中でも鮮やかな、翠の森になるのです。
年の初めの言祝ぎを、翠の枝に託しましょう。
よい年で、ありますように。
あなたに。