表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dear My Future  作者: 湯たぽん
第三章 決意
13/35

その3

医務室へ駆け込むと、シローの顔を見るなり医者はただの貧血だと診断した。

「 すまんが俺はツヴァイへの戦闘配備指示をしなきゃならんからもう行くぞ」

と言い、ツゲが医務室から出ようとすると、ベッドの脇で寝顔を見守っていたシュロがポツリと言った。

「 シローを一般人に・・・こんなところから出して元の生活に戻してやってくれ、ツゲ」

「 ・・・わかった」

ツゲは振り返ると、はっきりとうなづいた。

「 ・・・!いいのか」

「 あぁ、俺にどれだけの事ができるかはわからないがお前達の気持ちは良くわかる。出来る限りの事はするよ」

「 すまん」

「 いいさ」




「 ・・・いやだ」

突然聞こえてきた否定の声に、シュロ達は驚いて立ち上がった。

声の主はシローだった。

「 シロー・・・起きたの。いやだって何のこと?」

ヒソカが優しい言葉をかけても、聞いていない様子でシローはシュロにしがみついた。

「 シュロはここでゴーストと戦うんでしょ?僕も残る。

 僕もツヴァイになる!」

「 ・・・だめだ」

シュロが静かに、だがきっぱりと否定した。

「 子供だからってみくびるなよ!」

突然声を荒げたシローに、シュロ達も、医務室を出ていこうとしていたツゲも驚いて戻ってきた。

「 僕だってゴーストをこの世から無くしたいんだ。アインスでもツヴァイでもいい。

 シュロと一緒にゴーストと闘うよ!一生!!」

とても三歳児とは思えない決意の表明に、その場の全員が声を失った。

ベッドから見上げるシローの眼には力強い光があった。

「 ・・・それは・・・シローが決めればいい。すまなかった。

 とにかく今日は大事件だ。お前は避難していろ」

「 嫌だよ、今言ったじゃないか、シュロと一緒に闘う」

「 それだけはダメだ」

頑固なシローを必死でシュロは説得にあたった。

シローはもうベッドから起き上がって、さっきまで真っ青だった顔を真っ赤にして主張する。

「 でも!僕は」

「 死なないって言いたいんだろ。だが死なないだけで戦闘力にならない子供を戦場に置くわけにはいかない」

「 ・・・・」

「 それにゴーストの打撃は生身には効いてしまうんだ。逆は精神波を利用しないと無理なのにな。

 だから俺達は格闘術を訓練した。運が悪ければお前だって狙われるかもしれないだろ」

さすがのシローも納得したようだった。ベッドに座りなおしうなだれて、うなづく。

「 な、だから市民と一緒に避難していてくれ。必ず迎えにいくから。

 そしたら一緒に訓練して、ゴーストと戦おう。今日のところは我慢してくれ、な?」

再度うなづくと、シローは抱きついてきた。

「 みんなは大丈夫なの?今日のは危ないんでしょ?」

と、今まで黙っていたモクレンがシローを抱き上げた。

「 何言ってるんだ。俺達はツヴァイ最強の部隊だぜ?負けるわけねぇ」

「 でも二番隊なんでしょ」

今度はヒソカに抱き付いてシロー。

「 ん~・・・隊長のシュロが若すぎるからね・・・でも実力的には一番は私達なの!」

普段は控えめなヒソカもVサインを出している。微笑みながらツゲが医務室から出て行くのが見えた。

最後にイスカがシローをかかえ上げて頭上にかかげた。

「 お前のそのよく回る頭がいずれきっと役に立つ。それまで俺もお前も死ねないんだぞ。

 絶対、ゴーストを止めてやるんだ。俺達でな」


シローの顔に笑みが戻るのを見て、シュロは立ち上がった。指示内容はツゲが紙に書いてそっと置いていっていた。

「 よし!ツヴァイ本隊へ合流するぞ!全員A装備で、”セントラル”ブロック5へ直行!

 シローは俺がヘリポートまで送っていく!」


「 おぉ!」

ツヴァイの、真に最強の部隊がここに結成された。

涙と笑いで顔をくしゃくしゃにしながら、シローも4人と一緒に敬礼した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ