中立地帯
二日間、アーニャはその不可解なメールのことが頭から離れなかった。「ロッカー#3B、タイムスタンプの矛盾、ヘンダーソン」。その一文は、彼女が築き上げてきた日常という名の人工的な秩序を乱す不協和音であり、どうしても無視できない棘のように心に引っかかっていた。正義を奪われた暴行事件の被害者の顔が脳裏にちらつき、抗いがたい好奇心に突き動かされ、彼女は自らの分別に背いて行動を起こした。
静まり返った深夜勤務の合間を狙い、古い在庫リストの照合が必要だというもっともらしい口実を設け、彼女は証拠品管理システムへのアクセス権限を手に入れた。キーボードを滑る指先とは裏腹に、心臓は肋骨を内側から激しく叩き、不安なリズムを刻んでいた。彼女は事件番号「AS-7714」のログを呼び出し、メールで指定された日付の証拠品保管記録に焦点を絞った。
そこにあった。一目瞭然の、あまりにも明白な矛盾が。
記録上、ヘンダーソンは午後10時40分に証拠品キットを持ち出している。表向きの理由は、通常の目録照合。そして、10分も経たないうちに返却したことになっていた。しかし、めったに確認されることのない第二バックアップシステムの記録は、全く別の真実を示していた。キットが返却されたのは、午後11時15分。30分以上の空白。それは証拠を改ざんし、裏取引を行い、そして犯人が法の裁きを逃れるための「合理的な疑い」を仕込むには十分すぎる時間だった。ヘンダーソン。ギャンブルによる借金。パズルのピースが恐ろしいほどの確信をもってはまっていく感覚があった。
匿名の密告は、ぞっとするほど正確だった。
その事実は、重く彼女の心にのしかかった。匿名のデジタルな囁きから得た情報を、今さら公式に報告すれば、彼女自身が避けたいと願う注目を浴びることになるだろう。どうやって知ったのか? なぜそこを調べたのか? ソーンタワー事件や「ゴースト」に関する疑問が再燃するのは必至だった。しかし、何もしないことは共犯であるように感じられた。それは、報告書から情報を意図的に省略することよりも、はるかに深刻な裏切りに思えた。
このジレンマに苛まれながら自分のデスクに戻り、パトカーのドライブレコーダー映像をぼんやりと眺めていると、新たなメールが届いた。同じ匿名の送信者。件名は、またしても空欄。文面は以前よりもさらに短く、冷ややかだった。
市立図書館、西棟、古文書アーカイブ。
今夜、午前零時。
一人で来い。
アーニャは息を呑んだ。これはもはや、パンくずのような手がかりではない。召喚状だ。あらゆる規則、そして本能のすべてが危険だと叫んでいた。公式記録にも残さず、正体不明の、おそらくは有名な逃亡者と、たった一人で会う? それはキャリアの自殺行為であると同時に、物理的な自殺行為になりかねない。罠かもしれない。彼が何を企んでいるのか、見当もつかなかった。
しかし、ヘンダーソンの件に関する密告の正確さは、彼が情報を持っていること――それも、極めて価値のある情報を――を証明していた。不安の底から、強い好奇心の波が彼女を引き寄せる。理解しなければならない。なぜ自分を助けたのか? なぜ密告を? 彼女が守ると誓った法を無視し、この街を徘徊しては、歪められた正義を正すこの幽霊のような男は、一体何者なのか。その答えは、いかなる公式文書の中にも見つけることはできなかった。
マーカスには、昔からの情報提供者に会うとだけ伝えた。神経質で、変わった面会場所を要求することで知られる人物だと。彼は安全規定について不満を漏らしたが、アーニャが確かな情報を得るために時としてルールを曲げることを知っていた。彼女は私服の下に勤務用の拳銃を忍ばせ、その感触を確かめた。使い慣れた武器の重みは、ほんのわずかな慰めにしかならない。今夜の彼女は、完全に自分の領域外に足を踏み入れようとしていた。
深夜零時の市立図書館は、日中の顔とは全く異なる場所だった。重く、圧迫するような沈黙が支配し、それを破るのは、目に見えない空調設備の低い唸りと、埃が静かに積もるかすかな音だけ。高いアーチ窓から差し込む月光が、無数の書架の間に長く、骸骨のような影を落としていた。古い紙と製本用の糊、そして語られざる無数の物語の匂いが空気に満ちている。大理石のホールにアーニャの足音が奇妙なほど大きく響き、彼女は慎重に歩を進めた。
古文書アーカイブは、建物の最も古く、訪れる者も少ない一角にあり、色褪せた巻物や陶器の破片を収めたガラスケースが並んでいた。革装の古書や難解な歴史書で埋め尽くされた高い書架が、狭く暗い谷間を形成している。まるで忘れ去られた世紀に迷い込んだかのようだった。メソポタミア文明の遺物に関する棚の間に設けられた小さな空間――指定された場所に着くと、彼女は感覚を研ぎ澄ませて待った。沈黙が再び彼女を包み込む。考え違いだったのだろうか? 罠に足を踏み入れてしまったのか?
彼が近づく気配は、全くなかった。一瞬前まで空っぽだったはずの空間に、影が揺らめいたかと思うと、彼はそこにいた。二つの高い本棚のわずかな隙間から、音もなく現れ、まるで影そのものから生まれたかのようだった。
リース。
屋上での追跡劇のときのような、全身黒のタクティカルギアは身につけていなかった。代わりに、着古したヘンリーネックのシャツの上に黒いジャケットを羽織り、ごく普通のダークジーンズを履いている。その姿は…驚くほど平凡に見えた。その瞳を除いては。瞳は彼女の記憶にある通り、鋭く、すべてを見透かすように、彼女という存在を吸収していくようだった。物静かな優雅さで動くが、左肩をわずかにかばうような、追跡の時にはなかった微かな硬直が見て取れた。救出の際に負った傷だ。
気まずく、張り詰めた沈黙が二人を隔てていた。追う者と追われる者としてではなく、危険で不可能な場所に立つ二人の人間として、彼らはついに向かい合った。
手の震えを押し殺し、最初に声を発したのはアーニャだった。彼女は努めて声を低く、穏やかに保った。「ヘンダーソンのメール。あなたなの?」
彼は肯定も否定もせず、わずかに首を傾げた。「ペトロワ巡査、その情報は役に立ったか?」静かで落ち着いた声の裏にある感情を、彼女は読み取ることができなかった。
「ええ、確証を得たわ」彼女は彼を鋭く観察しながら答えた。「なぜ送ってきたの? 何が目的?」
リースは用心深く距離を保ち、本棚に軽くもたれかかった。「バランスを欠いた天秤は、正されるべきだと思うだけだ。たとえ、それが公式なルートでは叶わないとしても」彼は彼女の目をまっすぐに見つめた。「君は、その情報をどうするつもりだ?」
その挑戦的な問いかけと、その裏に含まれた示唆に、アーニャはわずかに身を硬くした。「私は法を執行する」
「そうか?」彼は囁くように言った。「法を執行するのか、それとも『法律』を執行するのか? その二つは、必ずしも同じではない。君は、ソーンタワー事件の報告書から、いくつかの重要な詳細を省かなかったか?」
彼女は息を呑んだ。彼は知っている。当然だ、知っているに決まっている。「あなたは私を、非常に危険な立場に置いた」
「そうだな」彼の唇に、笑みのない影が浮かんだ。「だが、追いかけてきたのは君だ。リスクを冒したのも、そして、飛び降りたのも君だ」
「なぜ、私は落ちなかったの?」問いは、飾り気なく、率直に口をついて出た。
彼は長い間、薄明りの中で表情の読めない顔で彼女を見つめていた。やがて返ってきた答えは、曖昧で、どこか不完全なものだった。「プロとしての、礼儀とでも言っておこうか。警官が死ねば、逃走計画が複雑になる。不要な注目を集めるからな」
アーニャはその言葉を信じなかった。あの瞬間の彼の選択と、その瞳を思い出す。そこにあったのは、冷たい計算だけではなかったはずだ。「信じない」彼女は低い声で呟いた。
彼は反論せず、ただ彼女の視線を受け止めた。言葉にならない言葉と、あの崖っぷちの瞬間から存在していた、紛れもない恐ろしい引力が、空気中で火花を散らしていた。過去の亡霊たちに囲まれた、この埃っぽい図書館の静寂の中で、彼らの絆は古くからの宿縁のようであり、同時に危険なほど新しく感じられた。あらゆるものの対極に立ちながらも、彼らは一つの秘密と、生死を共にした経験によって結ばれていた。
「なぜ、危険を冒してまで会いに来た?」リースは問いを彼女に向けた。「好奇心か? 義務感か? それとも、感謝か?」
「理解したいから」アーニャは率直に認めた。「あなたは、何者なの?」
「私は、金メッキの下にある腐敗に気づく者だ」彼は謎めいた言葉で返した。「天秤が大きく傾きすぎたとき、時折それを正す者にすぎない」彼は本棚から身を起こした。「だが、理解しようとすることは、危険を伴うぞ、巡査」
遠くで微かに響くサイレンの音が、彼らの立場が厳格に定められた壁の外の世界を思い出させた。リースの態度が変わり、一瞬にして警戒態勢に入る。「もう行かなければ」
「また…」アーニャは、自分が何を尋ねようとしているのかさえ定かでないまま、口を開いた。また情報をくれるの? また会うことになるの?
「気をつけろ、ペトロワ巡査」彼は静かに遮った。「君が越えようとしているその線には、相応の代償が伴う」
そして、来た時と同じように音もなく、彼は姿を消した。高い書架の間に再び溶け込み、後には彼の視線の残像と、微かな夜気の匂いだけが残された。