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3.ついに来たれにこの日なりけり秋は出会いの季節なり・・?

投稿すぴーどごみやんけ

今日、引き続き休みが数名いた。

それだけだったのに。そいつらはまだ50問テストを受けていない。ただなんの変哲もないその状況があの出来事をうむだなんて。

勿論のごとく、このころ弦も珠莉も、はたまた生贄も、そんなこと夢にも見ていなかっただろう。

――――事の始まりは午前中の先生の言動だった。

『今日は〇〇さんがお休みなので・・テストは点数だけを教えます。聞きにきてください』

それだけ。ちょっと変なルールなことは一旦置いておくとすると、至って変わりのない毎日だった

そして弦のクラスは2時間ぶっ通しの理科だった。理科室へ行き、大して弦は授業に身が入っていなかった。それもそのはず、そもそもこいつは授業が大嫌いなのだ。勉強はできないし発言しない。テストももちろん悪・・でも終わりの鐘をひとたび聞けば、みな教室に行く。

ああ、そっか。点数、聞けるのか・・。

弦と珠莉はなんとなくがら空きになった理科室に耐えられなかったのと、興味があるのとでみんなに引っ張られるように教室へ向かった。

電気はついていなかった気がするが、太陽光と廊下の明かりが照らしていたため、暗くはなかった。

ちょっと廊下と気温が変わる気がして緊張しながら先生のデスクへと近づいた。

ああ・・?先客がいるか・・ちょっと、待とう。

珠莉と、「何点の自信があるか」とか、余裕で現実世界の話をしているとそりゃあ話も尽きる。

—――――――ふと弦は前を見た。

あれ・・?

そこには先生をはさみ後ろに柚季と楓月がいた。確かに二人は仲が良いが陽キャなのでもう少し大人数で来るという謎の偏見を持っていた俺を今すぐにでも殴りたい————というわけじゃなくて、

それをみて「尊い」と口に出しそうになったのが一番の殴りたいポイントだろうか

教室には弦、珠莉、柚季、楓月、そして先生。

これは傍からみればただの構図であることなんて百も千も万も億も承知だ

でも思うくらいいいじゃないか!自由にさせてくれたって。

ボケーっとしている間に今度は二人が点数を聞く番だ。

結果はどうか・・先生がファイルから名を探しているその数秒間が数分にも感じる。

大げさだろうが、手汗が滲む。

「二人共、100点です」

・・・きっと耳が悪いんだ。そんなわけない。絶対。

まあ点数なんてどうでもよいが、珠莉までもが100点ということを聞いていた

ああ・・?事実だったのか?そんなわけがあるかい。はっきりとこの際いうが、弦はバカだ。

誰がどう見ようと、「バカ」である。

そんな弦が珠莉と同点・・?まあ、そんなことで悩んでいても話が進まない。

休み時間10分、短くて長かった。戻ってもなお、まだ数分余っていた。なんかここを逃したら・・

とかそういった次元じゃなくて、あほらしい悪ノリとかじゃなくって・・

気づいたら出てたんだろうか?当時だとしてもこんな記憶しかないだろうかね・・

「さっきの、あの二人、実は、推しCPなんだよね」

照れ隠しの「(笑)」も、「ww」も、濁しの変なポーズでさえもなかった。

ただ、黒板の右隣の時計のそのまたさらに奥のほうをぽけーッと眺めていた。

他人からしたらどうってことない数秒間が爆発物が地面スレスレになりスローモーション演出になったのか?というほど長く感じた。

ん?あれ、オワッタ?いやいや、そんなわけないない・・

そこからしばらく・・・1分くらいだろうか?

その間はプッツリとカットされており、なにも記憶にない。

ただ、今に続くこと一つを都合よく記憶に残した。それは何を隠そう、同意の一言だった。

珠莉とその意見が同じだと・・?8年というものは俺らに何を教えるのか。答えはわからなくとも、

と・に・か・く・だ・! 同意ということは、隠さず続けられる。さらには、他のCPも作る話にまで発展してしまったではないか・・?!

この時はまだ、俺たちが愚かであるビギナー腐女子であることが良く分かった。

それはまだ秘密主義でなかった子供であるということも同時にうかがえた。

「B」「I」 そうとしか呼ばなかった。

もちろんお気づきだろうが、CP名というものすら存在していない。

さらにはイニシャルという即バレ不可避という名だ。

さあ、まあ、話を戻そう。

そのあとは内容はおろか、単元すらロクに覚えられなかった理科後半の部を行い、川の底にある小石のようにコロコロと教室へ流されるがごとく戻った。

そこから給食で5,6時間目・・だったはずなのだが、記憶が1ミリも無い。

そして帰宅時。数少ない友人二人を待つために靴箱前のベンチで当たり前だが、柚季と楓月の話をしていた。

このころになると少しずつ原型が見えてきて、仮おきの名を作った。それもまあ期待するほどのものじゃなく、1秒クオリティで点数を丸ぱくりしただけの、「84」だった。

つまりは柚季を言いたい場合、「84のB」

楓月を言いたい場合、「84のI」

なんともバレそうなワードを使用した。

でもまあこの時、周りに人はいなくて一目散に帰る陽キャらなんてもうもぬけの殻。

だから心配する必要はない。・・もはやばれることはどうでもよかった。

それ以前の問題が発生したことに俺らは気づいた。

 これ、BとIをABC評価に置き換えて、84はそのままテストの点・・・と捉えることも出来てしまう?!

まずい。一切そんなことないし、俺が100点なのはガチ目にたまたまなのに・・

でも弁解するとなると公開処刑を受けにいってるようなものだろうか?

「じゃあCP名決めないと!!!!」

ちょうどそれに気づいたあたりで友人二人はもう来ていた。帰路を急ぐと、自然と2:2にわかれた。

「さてどうしようか・・・」悪の組織が何かを企むかのように考え始める。

さあバカな弦の脳内は言葉だけ出てくるが肝心なCP名の案はというと・・?

空っぽだぁあああ!!一切出てこない。残暑に脳をやられているのか・・?

ただ希望は珠莉に託されてしまった。その時だ

「84を英語にして・・・」

英語。という単語が出た時点で弦の耳はシャットダウンされかけていたが、柚季と楓月の話となるとこうもなっていられない。

続きを聞くと、84の英語、「eighty-four」を略したものをつけるそうで、これがまたよい奇跡が起きた。

「eighty-four」→「eifo」→「えいふぉ」

響きも可愛くなった。まるで二人を象徴するかのように。

ああでも、イニシャルも無難で可愛くないなあ と、完璧にしたがる二人は名前のパロディも考えた。

別宮柚季→べっくゆずき パロディできるのは下の名前かな・・

ゆずき 濁点はあんまりかな →ゆき

もちろん、弦が考えたわけなことはない・・珠莉に決めてもらった。

頭はすでにすっからかんな弦。産まれたときから脳無かったのかというほどバカだ。

続いては楓月だ。

伊良皆楓月→いらみなかづき これもまた下の名が良いだろう

かづき 「月」を有効活用して、→つき

気づけば謎にペアルック感が出ているではないか。やはりあの二人はそうなる運命だったのか!

くだらないことだけに頭が回った弦をよそに最寄りであるマンションに弦、珠莉、そして友人二人は帰った。同じマンションに住んでいることもあり、ギリギリまで話すことができる。


結局本日はCP名とパロディ個人名を決めることで終わってしまった。

でもこの風習が1年たった小6の秋まで残っているなんて、このときの誰が予想しただろうか

それ以前にゆきやつき、そしてこれから芋づる式にできる推し達は接点のない二人の女子から推されているということさえも夢のまた夢にも見ていないだろうが。

てかこれたかが11か月くらい前のこと書いてるのね?

でも全然記憶があいまい

そう思うと更級日記えぐすぎ・・

50で13のころ思い出せるのすごいな

こんかいのフィクションは特になし!

そのかわりちょっと壮大な演出かましといたwww

また次回!

4話:舞姿 彼ら多喜雄の 赤き布 荒れてはじけて 南中ソーラン

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