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Epilogue 

 空が青い、レシプロの飛行機が着陸態勢で飛んでいた。

ここの日常の風景。

勇生は、いつものようにロッドをフォルダーから外した。

ガイドフォルダーを外して、リールのドラグを緩めた。


妻の幸枝とは離婚した。

もともと、気づいたていたことがあったし、あたらもせいせいしたことだろう。

だだし、泳がせておいたので、不義の証拠はたっふりとれた。

連れ子は、母親にあきれたのか勇生の好きにすれば行ってくれたので財産分与なしで離婚した。

くどくど言っていたので、A4ハードファイルの証拠を突きつけるとおとなしなった。

成人した連れ子は、とどめで


"私を頼らないでね、私結婚してるから"


と言われていた。

意外と、連れ子の娘とはいまでも交流がある。

時々、イカを冷凍で送ると喜んでくれる


雪江とは、あれから会えていない。

きっと、成仏できたんどろうと思う。

一度、あの女の子と会えた、にっこりと笑って


"ありがとう"


という言葉を認識した。それ以来見たことはない。

雪江と最後にあった日以来、海の色と香りが変わった気がした。

もう一歩を踏み出そうという気はなくなっていた。


雪江は、成人式の日に亡くなっていた。

理由はどうでもよかった。

そして、次の日に車は事故で二人の男性が重傷を負ったことを知った。


番所を巡っていたいたときに、ある老婆が


"昔 ここで車の事故で若い人が大けがをして、下半身不随なったから、あんたもきよつけんばよ"


と言われたことがあった。

その番所に祭られていたのは、不動明王でいっさいの悪を焼き尽くして仏と言われている。

どうでもいいことだが、この世には神も仏もいるということだ。


勇生は、勢いよく仕掛けを投げた。

リールから勢いよく、糸が出で行く。


棒ウキが立ち。2点点灯の電気ウキは潮に流されていた。

満ち潮なので、岸に近づいきた。


白い発砲スチロールの箱が、岸壁に近づいてきた。


小さな鳴き声が聞こえた。

ヘッドライトで照らすと、子猫がチョコンと座っていた。

箱のふちにつかまって、落ちそうになっている。


勇生は、ライフジャケットのまま海に飛び込んだ。

落ちそうな、雪のような真っ白な猫を抱きかかえると


「今度は、助けられたね」


といった。

これで、完結です。

この世には、意外と神も仏さまもいると思います。

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