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teachers ~十人十色~

~前回のあらすじ~

個性豊かな学校の人と遭いました。玄武君はまたまたアレでした。昔の相棒と会いました。どうやら東谷がウザイです。


~予告~

変人は変人を呼びます。

はい、なんやかんやで付きました。時間は午後2時前。どれだけ遠い場所に来たのでしょうか…。


「総員整列!各部隊隊長は人数報告だ。」

この場合の隊長はクラス委員長さんね。因みに翔太だったりする。適所適材と言う言葉がピッタリ来ると思う。南陽は何気に行動早いので一番最初に並びました。


「はぁい、東谷のみなさぁん。クールに番号をおっしゃって下さいね~。」

気色悪い声が聞こえたので、東谷高校の方を見てみれば、ピンクのフリフリドレスを着たおっさん《・・・・》がいた。あの人はお姉マンに違いない…。東谷の生徒は慣れてるのか、バラを片手に番号を唱えている。一瞬、お姉マン先生と目が合ってしまった。一応他校の先生なので、頭下げた。頭を上げると目の前にはピンクのフリフリが…。え?


「この子キャワイィ~ン!」

寄るなぁ!!僕は人垣を掻き分けながら逃げた。後ろから迫り来るピンクフリフリ。来るなぁ!!何で皆目を逸らすの!渚、なにその可哀相な子猫を見る目は!!


「待ちなさぁい!私の子猫ちゃぁん!」

嫌だ!鬼曹長先生ぃぃぃ!!僕は先生のところまで必死に逃げた。


「克美、俺ん所の生徒に手は出さないって言っただろ?」

「あらん、鬼一郎たん。いいじゃない、一人くらい頂戴よ~。この子が可愛すぎるのが、い・け・な・い・の。」

体をクネクネさせながら言うお姉マン先生。正直、気持ち悪いです。その変な目でこっちにウィンクをしないでください。腐りそうです。


「すまない、朱雀一等兵。非を詫びよう。コイツは俺の古い友人でな。克美と言う。こう見えても男だ。」

先生、それくらい痛いほど分かっています。分からない方が逝かれてます。


「あぁん、朱雀君って言うのね~。これから仲良くしましょうね。あなたも本当は女の子とか希望しちゃってるんでしょ?お姉さん分かっちゃうんだから。」

「先生、無礼を承知でお聞きします。一度この人殴っていいでしょうか?」

「許可。ただし俺は曹長だ。」

「イエッサー」

とりあえず伸びをして長時間座った体をほぐしましょう。手首足首を振るのも忘れずに。次にその場で軽くジャンプして、三回目に斜め30度で相手に飛び込みましょう。これで3秒クッキングを終わります。


いきなり疲れた。結果は確認せずに元の列に戻ってきた。


「流石はケイ。俺の愛人だ。」

三秒クッキング再開。


「けー君、お帰り~。」

「ただいま、夢。耳をハミハミするのは止めてね?」

「もう少し…。」

人目を気にしてください。


「なんと、この俺を差し置いて…」

「耳鼻科に行ってください。」

会ってまだ数時間しか経ってないのに、既に玄武君は可哀相なキャラが定着しています。夢の突込みにもキレがあって言いと思いますね。以上、僕の解説でした。



「お前ら、アタシと一緒にあの夕日を追いかけるぞ!」

丸めがねを掛けたツインテの若い先生がいた。格好は赤ジャージ、因みに高校は北川…。不良、丸眼鏡、ツインテール…。


「ヤンクミじゃん!」

翔太が叫んだ。そうだよね~。それしか思いつかないよね~。顔が全然違うけど。ある意味別種の美人だけどさ。


「そうだよ、アタシがヤクミンだよ。本名はヤン久美恵クミエだよ。略してヤクミンだよ!」

中国人ですか?しかも話し方が似てるようで似てねぇ!!並べ替えただけじゃん。


『姐御ばんざ~い!』

どうやら生徒との関係は良好らしい。因みにもう一つの高校、西花の先生はタイトなスカートのビジネススーツをきっちりと着込んだ真面目そうな人だった。見た目には騙されたくない僕だけど、この人は大人だし、何より先生なのだ。真面目だろう。そう願いたいよ。


「これより各自の部屋へ移動しろ。総員駆け足!」

僕達はそれぞれの部屋に向った。


部屋は6人一組。即ち、女子高の西花高校以外の三校から二人ずつ集まるのだ。因みに、南陽のメンバーは翔太。旅のしおりなる物で知った。他の高校は秘密だそうだ。


「ここだね。404室。」

「成程、ここが俺達の愛の巣…。冗談さケイ。軽~いアメリカンジョークさ。いくら女顔でも、男は食べる趣味じゃない。…今の所は」

最後の辺りが不穏だよ?とりあえず、一番乗りなので、窓側のベッドを占領した。二段ベッドの上段が僕で、下段が翔太。いい、“二段ベッドの”だからね!


「君たち、その場所からどいてくれるかな?窓際は僕らに相応しい。」

うわ、出たよ…。バラを片手に格好つけてる男子二人。言わなくても分かるね。


「もう一度言おう、そこは僕らに相応しい場所なんだ。通り抜ける爽やかな風、それに吹かれてこそ僕らはもっと美しくなる…」

どこか遠くを見ている二人。ウゼェ…。おっと、僕のキャラが。気持ち悪いよ、君たち。


「残念でした、早い者勝ち~。」

翔太が挑発する様に言った。真っ向から否定されたのが気に障ったのか、少々青筋をピクッとさせた。そして、内ポケットからサッとバラを一本取り出して、僕に放ってよこした。


「勝負だ。南陽の諸君。」

「は?」

「だからこの僕らとナンパ合戦で勝負だといっているんだ。いいかい、賭けるのは窓際のベッドだ。どちらがより多くの女の子のメアドをゲットできるかで勝敗を決める。いいね、二人の合計を競うんだ。」

「勝手に決めんなよ。」

「ほう、逃げるのかい?弱者の遠吠えか。」

「俺はお前らがくだらないと言っているだけ。」

誰かが入ってきた。

「餅はカロリーが高い。待て、俺も参加する。窓際ベッドは俺のものだ。」

のっそりと巨体が入ってきた。わぉ、蛇慰案戸君も同じ部屋だよ。何このオールスター勢揃い的な流れ…。


「そうですぜ、兄貴が勝つに決まってらぁ!」

もう一人の不良が続いた。


「決まりだ。では、一度携帯の連絡先をリセットしたまえ。期限は今日の夕食まで、ソレまでは南陽の諸君がそのベッドを使うといい。だが、臭くしないでくれたまえ、僕達が使うんだから。」

いちいち、ムカつく事を言って、メアド登録を消した二人。パッと見たけど、女子の名前らしき物は無かった。男子校って虚しいね。


「さ、リノック行こう。」

そう言えば、今まで一言も喋らなかったのは、あの時のエセ外人のリノックだよ。東谷の二人は去って行った。北川の不良も荷物を手近なベッドに置いて部屋を出て行く。


「さて、また面倒な事になったけど?」

「そう言うな、ケイ。兎に角、窓際を死守しようぜ。」

僕達は一応ルールに従ってメアドを消去した。まったく、後が大変じゃないか…。まずは渚と夢のメアドを貰おうかな。


「それではこれより作戦行動を開始する。朱雀一等兵、武運を祈る。」

「ら~じゃ。」

しょうがないね。別に女の子と話すのが苦手なわけじゃないし。

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