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space wars ~魔導騎士モード、オン~

~前回のあらすじ~

ネコミミ装着!


~予告~

番外編です。

「全艦隊進撃!この防衛線を突破されるな!」

 今、僕は宇宙からの侵略者から地球を守る為に戦っている。僕は一応司令なんて肩書きを持っている。この戦いが始まってからどの位の期間が経ったのだろうか?始まりはあの授業からだった…


「今日も授業を始めるわって言いたい所だけど…」

 地球儀先生の授業が始まった。少々シリアスな顔をしている先生。

「どうしたんですか?体の調子でも…」

「いいえ。ふふふ…、我が母なる星から指令が届いたのよ。とうとう地球侵略の準備が整ったんだって!ヒャッホウ!」

 狂喜乱舞する地球儀先生。皆はいつもの様なおふざけだと思った。僕もそんな内の一人。

「ふふふ、信じてないわね?こうなったら証拠を見せてあげるわ。」

 そう言うと、持っていた地球儀の一部が開いて、中から小さい人型のエイリアンが出てきた。

「オ馬鹿ナ生徒タチ。私ノ正体ニ気付カナイナンテ。アナタ達ガ先生ダト思ッテイタノハ、バイオロイドナノヨ。コノ地球儀型宇宙船ノ中カラ操作シテイタノ。」

 僕らは唖然とした。まさか冗談だと思っていただけ、ショックだった。固まって動けない僕らを後にして、地球儀型宇宙船に乗り込んだ先生の本体は、フワリと浮かんだと思うと空の彼方へと飛んで行った。


 それから、電波ジャックを使用して、全世界に地球侵略のメッセージが伝えられた。天文学者が多数の宇宙船の存在を発見。地球にまっすぐ向っているそうだ。

 直ぐに動き出したのは自衛隊、ではなく、鬼曹長先生率いる軍人クラブ。実は南陽高校の地下に隠されていた宇宙船があって、それを使って先制攻撃を仕掛けに行った。そして…、宇宙の塵となって散りました。翔太は偶然か、地球に残った部隊を統率する為に残っていたので、散らなかったけど。


 とある日、避難勧告が出ているけど、家にいた。暇を持て余していると、留美が尋ねてきた。

「お兄、ついて来てくださいです。」

 よく分からないけど、ついて行った。着いた先は秘密基地みたいな場所。表に、“ちきゅーぼーえーぐん”と書かれていた。

「長官、お兄を連れてきました。」

「うむ。」

 あれ、この声…。

「神速、俺達に手を貸して欲しい。」

 天馬君!?君が地球防衛軍の長官なの?

「お兄、言うのを伏せておこうと思っていたのですが、仕方ありません。留美が全世界の拳法を学んでいたのは、この様な有事に備えての事だったのですぅ。」

 無理矢理だなぁ…。

「神速、我々の力となってくれ。最前線で戦う司令として。」

「お兄が司令となった暁には、留美はマスコットキャラになるですぅ。」

 まぁ、希が宇宙人にいつの間にか拉致られてたから、色々暇だったしね。

「いいよ。」

 直ぐにOKすると、僕は司令として宇宙船に乗り込んだ。ブリーフィングを始める。


「あれ、渚に夢、わぁ、遥まで。皆なにやってるの?」

「勿論、けー君の為だよ。」

 オールスター勢揃い、って感じだね。

「地上部隊との連絡が取れました。モニターに出します。」

 渚がパネルを操作すると、翔太の顔が大画面で写ってた。

「俺の愛しのケイ!無事か!?」

 腕章とかがたくさん付いている司令の制服から、バッチを一つ取って、モニターに投げつけた。いい音を出して砕けたモニター。

「別なモニター、出します。」

 渚が別なモニターを出してくれた。

「朱雀慶斗、今日こそお前の顔に書き眉を…」

 ゴメン、なんでこの人達がいるのかな?もう一個投げつけていいかな?

「これが最後のモニターです。慶斗司令。」

 ならやめておこうか。


 話を聞くと、地球に残って戦うのは、翔太を筆頭として、麒麟さんの部隊、森のおじさんのバイク部隊、腰巾着君の部隊らしい。特殊部隊として、鬼曹長と地球儀先生以外の先生が集まった部隊もいるとかいないとか…。

「じゃ、翔太は地球守って。僕らは適当にやってくるから。」

「了解したぞ、ケイ。必ず戻ってくるんだ。戻ってきた暁には…」

 ガシャン!うん。やっぱりいい音。


 そんな訳で、今に至る。僕は司令用の椅子に座りながら、留美ネコを撫でている。完全にお気楽気分。良いんじゃないかな、こんな宇宙戦争も。そうそう、ゴロちゃんの行方を気にしているかも知れないけど、心配しないで。ちゃんと活躍してるよ。エンジン代わりにこの宇宙船を動かしてる。頑張れ、ゴロちゃん!

「前方より、多数のレーザー砲が接近。」

「ん?適当に回避しておいて。」

「ですが、避ければ地球に激突しますが…」

「翔太達が何とかするよ。」

 他人任せ?何か問題ある?わざわざ自分から攻撃の嵐に向う事無いじゃん。この宇宙船が持ってる唯一の武装だって、ゴロちゃんの気合玉しかないんだよ?この船、ゴロちゃんいないと何もできないし。

「翔太達に連絡しておいて。もう少しで攻撃が来るって。」

「了解しました。」

 僕はネコを撫で撫でするのを続ける。のんびりのんびり行きましょう。




「け、ケイ!これは愛の試練なんだな?真正面から受けて立とうじゃないか!」

 翔太が上空から降り注ぐレーザー砲を打ち返す。…バトミントンのラケットで。

「おのれ…、朱雀慶斗!この恨みは付け髭もプラスして返してやるからな!」

 麒麟も己の脚を使って、レーザーを明後日の方向へと跳ね返していた。もはや人間業では無い事はご愛嬌。森のおじさん達は、麒麟が意図的に跳ね返すレーザーを避けるのに必死だった。

「兄貴、これはやばいですぜぃ。」

「うむ。仕方がない。神速に切り札の使用を薦めるしかないか。」

 体にあたるレーザー砲などなんのその。悠々とその場を去って行く蛇慰安戸君だった…。


「慶斗司令、地球本部より暗号通信。“切り札”を使えだそうです。」

 え?切り札?そんなの聞いた事無いんだけど?

「誰か、マニュアル持ってきて。僕切り札なんか知らないよ?」

「ふふふ…。やっと出番か。この俺、切り札の!」

 誰?後ろのドアを振り向くと、強烈な光が差し込んだ。

「切り札こと、玄武大那!ただいま見ざ…」

 君に用はないよ。宇宙船の床に穴を出現させて、宇宙に放り出しておいた。まぁ、彼の事だから地球には辿り着くんじゃない?で?本物の切り札って言うのは?

「け~いと。私の可愛い弟。」

 あぁ、大西先輩か。なるほど、獣使いの力で宇宙人を追い払うんだね?納得。流石は南陽の切り札、こんな所でも切り札扱いなんだね。

「大西先輩、周りの宇宙人はお願いします。」

「慶斗、何言ってるのかな?」

「え、切り札って先輩の事じゃ?」

「全然違うよ?弟の顔が見たくなって来ちゃっただけ。」

 先輩、すいません。

「あれれれれぇ~!?」

 穴に吸い込まれていった先輩を見送りながら、僕は謝っておいた。

「で、本当の切り札はどこ?」

「私が呼んでおきますぅ。」

 人間態に戻った留美が携帯電話を取り出した。このパターンって、一人しか選択肢がないよね…?

「呼んだ、留美?」

 出てきました。ゲーム中に魔法を習得してしまった可憐さん。

「切り札が必要なんだって。」

「了解、魔導騎士モードをオンにする。」

 変な呪文を唱え始めたと思えば、可憐さんを光が包み込んだ。光が晴れるとそこにいたのは、まったく姿の変わっていない可憐さん。え?魔導騎士モードって言うのは?

「留美ちゃん、私も撫で撫でされたいの!」

「お兄の義妹は留美だけなのですぅ。」

 ねぇ、切り札がこんな感じでいいの?

「説明しよう。真の魔導騎士モードは、司令の撫で撫でによって発揮されるのだ。」

 誰?無駄な解説どうもありがとう。

「留美ちゃん、地球の平和を救いたくないの!?」

「地球の平和とお兄の撫で撫でを同じ天秤に掛けないでくださいですぅ!」

 …少し悲しいんだけど、そうだね。地球の価値を僕みたいな人間と同じにしちゃ…。




「お兄の撫で撫での方が、ずぅっと大切なんですぅ。」

 喜ぶべきなの?それとも地球に憂いを求めるべき?僕、地球以上の価値を付けられちゃったんだけど。

「説明しよう。可憐の魔導騎士モードは、地球以上の価値を持つ朱雀慶斗司令の撫で撫でにより、強大な力を手に入れるのだ。」

 もうどうでも良いや。

「可憐さん。頼みました。」

 軽く頭を撫で撫で。今回はハグハグ禁止だからね。

 少し経つと、可憐さんは満足げな顔をした。

「これで魔導騎士モード、フルバーストだよ。いってきま~す。」

 ヒュンと言う音と共に、可憐さんの姿は消えた。

「モニターに出せる?」

「ただいま情報を処理中。モニターに出します。」

 モニターに写ったのは、宇宙服も着ないで宇宙空間を飛び回る可憐さんの姿が。わぉ、魔導騎士モードって万能だね。

 そんな呑気な事を思っていたら、突然アラームが鳴った。

「“ゴロちゃんセンサー”に反応。敵艦隊より敵影接近。該当情報無し、アンノンウンと思われます。魔導騎士にまっすぐ向っています!」

「モニター切り替えて。」

「出ました!」

 画面を見ると、半分をメカに置き換えたようなアンドロイドが、やはり宇宙服を着ないで飛んでいる。あれ?あのメイド服どこかで…。

 あっ、あれって希じゃないか!え、拉致されて改造されちゃったの?


「ふぅん。魔導騎士に刃向かう者がいたと思ったら、改造人間なんてね。」

「我々は、宇宙人だ。」

「とにかく、地球以上の価値を持つ司令の撫で撫でを享受した、私の力を甘く見ないでね?」

「我々は、宇宙人だ。」

 言わなくても分かる!と突っ込んでから、可憐がご都合主義で持ち出した杖を振るう。

「我々は宇宙人だ、光線。」

 腕が改造されたビーム砲で、魔法を突破した希。どうやら力は五分五分のようである。



「留美、もう面倒だからさ、別な星に移り住む?」

「お兄の案なら、留美は大賛成ですぅ。」

「分かった。それじゃぁ、全速前進で、地球に似た環境の星まで。」

「ラジャー。」


 その頃、地球の防衛部隊は…

「ケイ!コレは置き去りプレイなのか!?」

 翔太の虚しい声が響いていたのだった。

・朱雀慶斗の交換日記

司令の制服って、なんでネコミミ必須なの?

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