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risk ~パイルダーオン~

~前回のあらすじ~

希が珍回答で大暴走


~予告~

今回も?

 昼食を食べた後勉強を再開しようとしたら、夢が異議を出してきた。

「折角だから、皆で何かして遊ぼうよ!」

 僕としても、これ以上お勉強をするのは面倒だったので、その意見には賛成。僕は特にゲーム機を持ってないので、何をするのかは謎だけど…。あ、爺ちゃんの部屋なら何かあるかも。

「待ってて、何かボードゲームがあるかも。」

 反論する渚はちょっと無視して、僕は爺ちゃんの部屋へ。押入れを漁ると、たくさん出てきた。将棋に囲碁にチェスとかオセロ。爺ちゃんこう言うの好きだったからなぁ…。毎晩よく遊んでたよ。

「ご主人様、どれで遊ぶんですか?」

「基本的に一対一のゲームだね。折角なら皆で一緒に遊べるのが良いんだけど…。あっ、あのゲームあるかな?」

 ゴソゴソやってると、一つの箱が出てきた。これこれ。馬に乗ったナポレオン見たいな人が描かれてるのが目印。その名も“RISK”。外国のゲームです。爺ちゃんボードゲームなら糸目を付けずに買うから、時々外国のもあるんだよねぇ。英語読めないのに。“慶斗!取り説読んでくれ。”うん、小学生の僕に言わないで欲しいかったな。


「見つかりましたか、ご主人様?」

「うん。」

「お片付けはボクにお任せください。」

 ありがたくその言葉に従った僕は、皆が待つ僕の部屋へと向った。


「お待たせ~。これなら皆で遊べるよ。」

「人生ゲームか、ケイ?楽しそうじゃないか。ふっ、そんな回りくどい手を使わずとも、最初からケイは俺の人生のパートナーじゃないか。」

 黙れ。君はこのゲームで一番最初に潰してあげるよ。このゲーム、僕は爺ちゃんに負けた事無いんだよ?うん、婆ちゃんには完敗するけどね…。

「それ何、慶斗?」

「RISKって言うボードゲーム。一種の戦争ごっこみたいなんだけど、頭脳ゲームって言っても過言じゃないかな。」

 簡単にゲームの説明をする僕。まぁ、渚や留美なら説明書を読めばわかるだろうけど。

 自分の駒(兵隊)を使って、最終的に全世界を制覇するゲーム。勝負はサイコロを使うシンプルな方法。自分の所有する土地が多いほど、追加できる兵も多くなる。まさに弱肉強食のゲーム。

「じゃ、自分の駒の色を選んでね。」

 僕は毎回緑を選ぶ。渚が黄色で、夢が赤、留美は青で、翔太が灰色、戻ってきた希は黒になった。それぞれが最初の土地に兵を置いていく。ゴロちゃん?一人で詰め碁やってるよ。

「じゃ、始めようか。」


 僕のターン。狙うは翔太の領地。甘く見ないでね、僕の実力。攻撃用のサイコロが全て6なんて、普通なんだから。このゲームでは、攻撃用と防御用のサイコロが三つずつ。合計点数を競って、少ない方が駒を一つずつ減らす。

「4,5,6」

「3,3,3」

 僕の勝ち。え?ずるしてるって?そんな事言ったら、カジノで働いてる人なんてみんな詐欺師だもん。マジシャンもね。さり気ないサイコロの持ち方とか、人目を掻い潜って結果を改竄するのなんて朝飯前だよ。さぁ、この調子でドンドン攻めるよ~。

「5,5,5」

「2,6,3」

 

「6,6,6」

「1,1,1」


「け、ケイ…。これは何を意味するんだ?そうか、わかったぞ、ケイ。君が攻めと言う事だな。だからゲームなどを持ち込むなど回りくどい手を使わずとも…ゲブゥッ!」

 いい加減にしてよね?さて、そろそろ終わりにしようか。

「な、なるほど、直前で攻めを止めるとは…。これは俺を焦らして…」

 死ね。はい、次は渚のターンだよ。


「あ、私?えぃっ!」

 放られたサイコロ。あぁ、渚。最初にどこを侵略するか決めないと。

「あ、そうなの?それじゃぁ、翔太君の所でいいかな。」

 流石は渚、空気が読めてるね。

 その後も皆で翔太だけを狙っていた。

「こ、これは…。まさかまさかの集団プレイ。ケイ、君にそんな趣味があったなら、教えてくれれば良い物を…。」

 どうしても殴られたいようだね、翔太。プレイプレイって、さっきから煩いんだよ。僕には既に留美からの羞恥プレイがあるんだから、これ以上増やさないでくれるかな?

「お兄、撫で撫でしてくださいですぅ。」

 ほら、こんな風に。猫態だから撫でてあげるけど。

「留美ちゃん、慶斗はこれから勉強なの。夢と翔太君も遊びの時間は終わり。ささとかた付けましょう。」

 あ~ぁ、折角このまま渚が勉強を忘れてくれると思ったんだけどなぁ。

「渚、もう少し遊ぼうよぉ。ほら、けー君だって同じ事思ってるって。」

「駄目。罰ゲーム執行するよ?」

 その言葉に僕らはギクッとなった。それは駄目だって。もう猫耳なんて、嫌だぁぁ!!


「さぁ、ここまでの復習を兼ねて、早押しクイズをするね。範囲は宿題のプリント類から出すよ。」

 目の前にはご都合主義でボタンがある。そして、僕らの頭にはこれまたご都合主義で帽子をかぶっている。しかも、ボタンと連動してるやつ。そしてクイズは始まった。

「第一問。ことわざの問題。“可愛い子には”?」

ピンポン!

「頬をスリスリ!」

「不正解!」

 翔太、同じ間違いを起こす事はないでしょ?翔太にはペナルティとして、一回休みの指示が出た。

「第二問。“雨降って”?」

ピンポン!

「地面グチョグチョ~」

 夢、当たり前の事を言わないで。まさか諺に擬音語を混ぜるとは予想外だよ。まぁ、夢だからね。勿論の事、ペナルティが与えられた。

「第三問。“宮沢賢治の代表作、山村に引っ越してきた少女が、周りの人間から風の化身と思い込まれ、親しみと畏敬の念を抱かれる姿を描いた作品と言えば?”」

 あ、これは分かる。爺ちゃんに進められて読んだ事あるからね。手元のボタンを押そうとしたけど、あれ、なんで無いの?

「ご主人様、これはボクにお任せください。」

ピンポン! 希!何やってるの?君が答えちゃ駄目じゃないかな?

「正解は、“風の股しゃぶろう”です。」

 のぞみぃぃぃ!何言ってるの、これ明らかにアウトじゃん!ほら、渚が顔真っ赤にしてるよ…。

「ふ、不潔…、じゃなくて、不正解!答えは“風の又三郎”だからね。ペナルティとして、慶斗は猫耳装着。罰ゲームは女装に変更するから。」

 何でそうなるの!?希、君が答えたんだから、君がペナルティ受けてよ!

「ご主人様、人間時にはペナルティを受けてたたなくてはならない時があるのでございます。」

 その時を作ったのは君だよ?ねぇ、なんでいつの間にか僕を拘束しているの?なんで渚は猫耳を持ってるの?る、留美、君はどこに電話を掛けてるのかな?

「可憐ちゃんの所ですぅ。1分で来てくれるそうですよ。」

 わぉ、カップラーメンも驚きの早さだね。ホーキにでも乗ってくるのかな?…ゴロちゃん。ゴロちゃんの仙人術なら何とかなるよね?

「わしも自分の命が惜しいのでの。」

「翔太…」

「すまない、ケイ。今日は萌え袋の代わりを持ってきていないんだ。」


「パイルダーオン。」

 いつの間に!?

・椎名渚の交換日記

はぅ、かわいい…


※本来、RISKと言うゲームはもう少し複雑なゲームです。説明してると長くなるので、適当に簡略化させて頂きました。

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