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study ~夏休みだ!~

~前回のあらすじ~

以外に増えてました、登場人物。


~予告~

夏休み編<勉強会の巻>が始まります。

 あれから、僕らは何も麒麟さんに言葉をかけられなかった。縄に巻かれたまま校舎に戻ってしまう。見送る以外に何も出来なかった。状況が気まずくて、縄を解いてあげるのも忘れてた…。


 そんな事件がありながらも、僕らの学校は夏休みに突入した。学校の帰り道、お昼ご飯を兼ねて皆でファストフードのお店へ向う。

「この前各自夏休みの計画とか話したけどさ、このメンバーでどこかに遊びに行くのってどうだ?」

 僕、渚、夢、翔太、留美と希にゴロちゃん。意外に大人数なことに気がついた。でも、皆で何処かに遊びに行くのはいい案だと思うよ。記念になるし。

「例えば?」

「けー君の耳がハミハミ出来る所~。」

 つまりどこでもって事か…。僕は嫌だよ、そんな場所。

「まぁ、それが今日の本題ではない!君たちは何か見落としてはいないかね?宇津木二等兵!」

 翔太、自分からネタを振っておいて話題転換はないよ?だけど、見落としてるもの…


「はっ!…けー君の左耳であります。私は今まで、けー君の右耳をハミハミしておりました。コレでは片耳だけが小さくなってしまいます。」

「何っ!?それはならない!ケイのパーツが一つでも欠けるのは、この俺、青龍翔太が断じて許しはしない。」

 僕の右肩に乗っていたゴロちゃんが、ソロリソロリと左肩に移って行くのを感じる。何で皆は僕の右半身だけを心配するのかな?心配するなら僕の全身全霊に負担を掛けないで欲しいんだけど?

「う、うむ…。話が逸れてしまった。妄想の中のケイ、萌え…。や、やめろケイ。妄想の自由は憲法で認められているんだからな。そこでだ、多分君達が忘れているであろう事柄がある。…宿題だ!」

 認められているのは“思想”だからね、翔太。将来逮捕されないでね、本当に。でも、宿題か…。確かに遊びに行く前には終わらせたいかな。

「私はもう終わってるよ。」

「私は大学生のバイトさんを雇ってもらうし。」

「留美は三分後に終わる予定ですぅ。」

「ご主人様、心配なさらずとも、私が一夜にして見事終わらせて見せます。その暁には一夜の過ちを…イヤン♪」

 即ち、宿題の心配をしなくちゃいけないのは翔太だけみたいだ。それにしても、渚…。“もう終わってる”ってどう言う事かな?明日から夏休みなんだよ?夏休みに入る前に宿題が終わるって、君は何者?

「え?授業の進度を見て宿題範囲を予想するのは簡単だよ、慶斗。因みに今日配られた分は、今日の全校集会中に終わらせたんだ。」

 僕がシリアスな事を思っている間に…。渚、君は本当に高校生なのかな?でも、いっか。僕も希が手伝ってくれるし、夢は…。留美もチート能力を発動してるね。万能じゃない?さっきまでの会話に発言がなかったのは、その為だったんだね。すごい勢いでペンが動いてるもん。


「ッて事で、翔太は頑張ってね。」

「ま、待て!自分の力でやる事が身の為になるのだ!宇津木二等兵!君は何も罪悪感を感じないのか?」

「雇うんだから、お互い承認した上でしょ?因みに大学もパパのコネを使って…」

 うわぁ、夢が今すごく黒く見える…。

「そ、そんな金に任せた人生など面白くないはずだ!だからこそ、この精鋭部隊による学習会を開こうと計画しているのだ。」

 必死だね、翔太…。

「確かに、宿題は自分の力でやる事に意味があると思うわ。」

 突然言葉を発したのは渚だった。え、え~。僕は渚みたいに頭良くないんだけど…。

「大丈夫、私も一緒に勉強するから。いいわ、私は勉強会に賛成。希と教える側に回るわ。」

「ボクはご主人様専用です!」

「あのぅ…。できれば留美も参加したいですぅ。お兄と夏休みも一緒にいたいですぅ。」

 ここまで来ると、反対勢力が少なくなってしまう。しょうがないか、ここは気の済む様に勉強会に参加するしかないか…。

「で、どこでやるの?翔太が言い出したから、翔太の家でいいのかな?」

「まさか。冗談を言うんじゃないよ、ケイ。」

 殴るよ?よくあんなことが言えたね?

「宇津木二等兵。君の家、いや屋敷はどうだね?」

「プリンが噛み付くけど、それでもいい?」

 何?人食いお菓子でも住んでるの、夢の家?お金持ちって不思議だねぇ…。

「あの、よかったら留美の家でもいいですよ?両親今いないですから。」

 どうやらチート能力で宿題が終わったのか、今度はお昼の大量のハンバーガーを食べている留美。食事を一旦止めて話を切り出した。

「もし泊り掛けでも問題ないですし、私も一人暮らしだったので、大歓迎ですぅ。」

 皆が留美の家に行くという意見に傾きかけた時だった。


「家まで辿り着けたらの話ですけどね♪」

 そう言って再び食事を開始する。え?どう言う事?それって留美の家まで行けない可能性があるって事かな?あはは、君は一体どこに住んでいるんだい?

「大丈夫ですよ。きっとお兄と義姉ねぇさま、後は夢さんとゴロちゃん、希さんの力なら辿り着けると思うのです。」

 どちらにしろ、翔太は一人で頑張るしかないみたいだね。ドンマイ。

「こうなったら、切り札だ!朱雀一等兵、君の部屋で勉強会をしよう。…本当はこれが本命だがな。」

 さぁて、心の中の声を口と言うスピーカーから発している翔太。夏休み初日を病院で過ごす準備は出来たかな?

「あ、折角だからお兄の部屋に行ってみたいですぅ!」

「私としても近い方が楽かな…」

「けー君のハミハミができるなら私はどこでもいいよ♪」



 てな事で、翌日から期限無しの勉強会が始まった。因みに女の子は隣の渚の家に泊まることになってる。だけど、夕食とかはこっち。まぁみんなちゃんと勉強しているみたいだし。僕も勉強しなくちゃ。

「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」

 気にしない気にしない。玄武君、ドンマイ!

・玄武大那の交換日記

何を!俺の愛の力はこんな物ではないぞ!

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